- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344014824
作品紹介・あらすじ
「まよいもん」とは「迷い者」。あの世とこの世のあいだをさまようものたちのこと-。主人公・藤原マナは中学2年生。離婚して生保レディーとして働く傍ら、霊能者としての裏の顔を持つ、母・しのぶ。信者たちからは「しのぶさま」と崇めたてられていたが、その力は衰えはじめていた。「しのぶさま」の威光にすがろうとする母を、けなげに支えるマナ。スピリチュアルなものへの執着は、人間の欲望を肥大させ、「生き方を間違えば、人も迷い者になる」。マリンタワーや中華街、山下公園などの横浜を舞台に、別居している父や、友人に支えられ、少しずつ成長していく少女の青春グラフィティ。
感想・レビュー・書評
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タイトルが気になって手に取ってみました。あたたかい愛に溢れた作品。
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面白かった!
松井雪子、他のも読んでみよう。 -
しのぶ様という霊能力者をつくりあげる母とそれを支える娘。
すごく娘がいい子だと思う。
展開の先がまったく読めない・・・ほんとどうなるんでしょうかしのぶ様は。
短編だと思っていたので意外でした。 -
生保レディーと霊能力者をこなす母と
母の霊能力が衰えつつあるのを感じつつ
フォローに回る娘。
何度も芥川賞候補になっている作者だけあって
しっかり読ませるんだけど
内容の割りに盛り上がりが乏しかったかな。
まよいもんとは実は・・ってくだりはよかったし
後半はノンストップで読めたけど。
【図書館・初読・10/9読了】
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あらすじを見て、勝手に「笑いが基調のコミカルな話なのかな〜」って思い込んで読み始めたら、そうでもなかった…明るい、希望が持てるようなラストだったけど、それまでずっとハラハラ悶々しながら読んだ。虐待されてる子供って、自分のこといくら酷く折檻する母親でもやっぱり「お母さん、お母さん」って言って寄っていくって聞くけど、まるでそういう場面を見ているかのような心境だった(べつにマナは虐待されてないんだけど)。やっぱり、子供にとって「お母さん」ていうのはそれほどまでに大事な存在なんだろうなぁ。傍から見れば「酷い」「おかしい」と思われるような人でも、その子にとっちゃ大切な、かけがえのないただ一人の「お母さん」なんだろうなぁ。そう思うと、なんとも言えぬ気持ちになりますた。
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ポンツーンだか星星峡だかで読んでたんだけどまとめて読むとまた違う雰囲気。
連載時はもっと父親がまよいもんになってからが長かった印象。こんな短かったのかー。
昼間は生保レディ夜は霊能者の顔を使い分ける母と二人暮らしの主人公。
母親が段々と霊視の力を失っていくにつれ二人の生活も不安定なものになっていくなか、離婚した父親が急死し「まよいもん」となって現れる。
(200804)