工学部・水柿助教授の解脱

  • 幻冬舎 (2008年4月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (292ページ) / ISBN・EAN: 9784344014923

感想・レビュー・書評

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  • ★アタマが堅くなりかけたときの柔軟剤

    【感想】
    ・正直、水柿くんシリーズはぼくのツボにはまってて、メチャクチャおもろいんやな、これが。というようなことを以前にも書いたような気がする。
    ・相変わらす合理的、論理的。というよりシンプルな思考。その範囲内でタブーが発生しないのである意味なんでもあり。芯にあるのは、人は生まれて、なんとなく心地よく生きて、いつか(たぶん)死ぬといった、そんなものかと。
    ・このシリーズはたぶん小説でもエッセイでもない。強いて言えば架空の存在である水柿くんによる架空のエッセイかな。架空なので森博嗣さんにはなんの責任もかからないから好き勝手書けるおそろしいものである。でもまあ最後に《これが小説だ。》とあります。
    ・森博嗣さんのエッセンスが詰まっているかも。

    【一行目】
     国境の長いトンネルをついに抜けられなかった。

    【内容】
    ・広大な屋敷が附随した広大な土地を入手した水柿くんのセレブな生活。なんかもう、食べるものがなければお菓子を食べればいいじゃないとか言いそうな。腹立ってくる方もおられることでしょう。
    ・愛犬としてパスカル乱入。須磨子さん溺愛す。

    『工学部・水柿助教授シリーズ』森博嗣

    ▼水柿助教授についての簡単なメモ(一巻目からの累積)

    【アルコール】水柿くんは酒に弱い。酒を飲む目的は酔うことなので燃費がよく高性能ということ。それはぼくも同感。
    【牛場先輩】アメリカで暮らしているらしい五歳上のジェントルな先輩。後に日本の住宅会社の社長に就任した。
    【宇矢野/うやの】K談社の編集長。水柿くんをして「初めから変わっている」と言わしめた。
    【絵が上手い】《生まれてこのかた、自分が描いた絵よりも可愛らしい絵を見たことがない、といっても良いくらいだ。そこまで言うか、と思われるかもしれないが、人の描いた絵を見ないようにすれば、誰でもこの境地に達することができる。》解脱p.208
    【S女学院】ご近所の中高一貫教育校。最近ブルマを廃止して短パンになった。ぼくが小学生の頃の女子は提灯ブルマだったが中学校では短いブルマだった。当時それを見てエッチな気分になったことはなかった。今思い返しても特にそういう感覚は発生しない。まあ、たしかに時折バンツの端が露出したりしていたがそれだけのこと。
    【大池】高山教授の友人。大会で研究の背景だけを延々と話した。
    【大森川】教授か助教授。力学専門。煎餅を落とすと必ず破片が五角形になるという説を語っていたらしい。
    【岡酒】水柿研究室の院生と思われる。岡山出身できび団子を土産として買ってくるようなヤツ。
    【面白いこと】《彼は、頭脳労働の一部、特に、最初の方針を決めるとき、ならびに、困難にぶつかったときに悩むこと、という一番面白いところだけを担当すれば良い立場となっていた。》解脱p.17
    【温泉】《温泉なんかにいくと、みんな、溜息ばっかりついて、ああ、のんびりのんびり、とかって、必死になってのんびりしているもの》逡巡p.227
    【書く】《どんな小説も、どんな文章も、どんな文字も、楽しんで書くことはできない。それが水柿くんの基本特性である。》解脱p.9
    【柏原くん/かしはら】水柿くんの五歳下の助手。髪の数が標準偏差を割っていて目が消えてしまうほど分厚いレンズのメガネをかけている。
    【学会】懇親会のようなもので研究的には特に意味はない。
    【香猫/かねこ】K川書店の編集者。新劇の台詞に近い芸術的な言い回しをする。見た目はそれほど変わっていないので一般には普通の人として通っている。
    【可能性】《可能性は可能性のままがベストだ。それが須磨子さんの信条である。》日常p.205。同感。
    【釜戸】マスタ二年。パンチパーマで関西弁。
    【唐本】K談社の編集者。水柿くんの最初の投稿に対してわざわざ愛知まで会いに来た。
    【考える】《彼が真剣に考える、という場合は、もう実現をする方向で動いている、という意味になる。》解脱p.43
    【勘違い】「いや、単なる勘違いがすべてだ、といっても過言ではない。この世に勘違い以外に不思議なこのはないのだよ」解脱p.25
    【カンニング】教壇に立つと教室中がよく見えるという体験は教育実習でぼくにもあった。こんなとこでカンニングなんてできへんなあと思った。ぼくが試験を受ける側だった頃はやはり由緒正しくカンニングペーパーを作っていたのだが作っている間に覚えてしまうので結局不要になった。後で見ると要点をうまくまとめたなかなか優れた参考書になっていて自分で感心したり。
    【芸術家】《自分を見失うことが芸術家の本分なのかもしれませんが》解脱p.255
    【結婚式】水柿くんが津市におるとき須磨子そんと結婚式をあげたが二人の間では生涯の汚点として封印されている話題だ。ぼくんちは連れ合いもそういうのが嫌いなタイプやったんで抵抗して式をあげなかった。とょっと自慢。
    【血統書】《人間にだって滅多にいないよ、血統書付きなんて》解脱p.57
    【研究所】《「とにかく、研究所っていうのは、もったいなくない?」「それは、すべての研究所にいえることだよ」》解脱p.44
    【K談社】水柿くんが最初の作品を投稿した出版社。業界最大手のひとつ。水柿くんのような作家候補を知ったときは興奮しただろうと思う。
    【五パーセント】講義などで話したことの真意が伝わる確率。
    【魂胆】《昭和以降の魂胆は日に日に軟弱化しているものの一つといえよう。》解脱p.47
    【自分】《自分に恵むのは自分だけである。》解脱p.274
    【十二パーセント】須磨子さんとの間で真意が伝わると思われる実質的な会話の効率。
    【将来性】「将来性なんて、たいていのものにはないよ」解脱p.44
    【数学的な間違い】日常p.154。候補のひとつは日常p.131の「全国に何十万人もいるはずである」。最初に読んだとき大学教員ってそんなにいるかなあと思った。違うかもしれないのでとりあえずまだ探し中。
    【須磨子さん】水柿助教授の伴侶。二歳年下。水柿助教授が24歳のときに結婚した。気さくでさっぱりした性格で水柿助教授とは正反対だがインドア派なところは同じ。読書とイラスト描きが趣味。本を読むとき存在感を消すことができる。妙に肩の力を抜いてしゃべる。ミステリファンなので水柿くんは身の回りの出来事から、いい謎を披露することにしている。楽しんでもらえるかどうかはわからないが。三十が好きなのかもしれない。《私はね、生きていることが、もうチャレンジなの(中略)毎日、いかに楽をして、平穏に生きるか、眠いときにどれだけすぐに眠れるか、というチャレンジなんだな》逡巡p.251
    【正解】《正解かどうかを確かめる行為に、水柿君はまったく興味がない。何故ならば、それが正解かどうかがわからない状態とは、つまり正解ではないことに等しいからだ。自分で正解だとわからないようでは、考えた意味がない。》逡巡p.36。鼻持ちならない人である。ぼくもそう考えてるフシがあるのでやっぱり鼻持ちならないぼくである。
    【タイムマシン】ときどき学生がタイムマシンができるか質問してくるので水柿くんはちょっと心配。
    【高林さん】水柿くんの大学時代の先輩で芸術に造詣が深いらしい。水柿くんの小説に対しあまり意味のない評価を返した。
    【高山教授】水柿くんの上司。無駄なことはしない合理主義者。酒豪で数々の伝説を持っている。どうやら無駄なことはしないというより好みじゃないことはしないというタイプのようだ。
    【旅】水柿くんも須磨子さんもあまり旅に熱心ではない。北海道は重力が半分である、とかでなければ興味がわかない。
    【遅津川/ちづがわ】S英社の編集者。平気で作家を待たせるらしい。
    【柘植】水柿研究室の院生。
    【津市】三重県の県庁所在地。水柿くんが修士課程を修了後すぐ国立M大学の建築学科助手に採用されたので暮らした土地。家賃が異常に安かったがお隣がヤクザ屋さんだったらしい。
    【道具】《やっぱり基本的に、まず道具だと思うんだ》逡巡p.46。常に、わかってくれる人が少ない理屈。自分でこう言いつつ他者のこれには理解を示さないことも多々ある。
    【特技】《そもそも、特技などというものはたいてい実生活では役に立たない。》逡巡p.44
    【読者】マニアックな読者は物語に感情移入せずクイズの問題のつもりで読むようになるらしい。また、わかりやすいトリックを使うとこんなの誰だってわかるだろうと怒るが実は怒っているのではなく自分には解けたぞと自慢したいだけ。これは充分思い当たるフシがある真実だ。もっともぼくはミステリとかトリックとかは実はどーでもよく小説としていい雰囲気を持ってるかとかおもろいかとかの方が重要でミステリはわりと自然にそういうのが醸される確率が高いので愛読している。まあ、マニアではないのだろう。また、《ミステリィの読者は、荒唐無稽なことを好まないからだ。自由な発想、ジユウナヒョウゲンに対して、極めて否定的かつ排他的である。》逡巡p.77
    【トリック】「いや、トリックなんて、だいたいせこいもんだよ」解脱p.24
    【名淵/なぶち】水柿研究室の院生と思われる。
    【ネタバレ】《もうね、何を考えているのか、すっかりお見通し、という間柄においては、考えるだけでも既にネタバレでしょう?》逡巡p.22
    【恥川】水柿研究室の院生と思われる。マレーシアに一年留学した。
    【パスカル】解脱で参入してきた犬。シェットランド・シープドッグ(シェルティ)。羊もいないのに。というかにわかセレブの水柿くんたちはパスカルのために羊をたくさん飼うこともできそうだ。面倒なのでしないとは思うが。
    【八鳥】水柿研究室の院生と思われる。
    【尾西/びさい】水柿研究室の院生と思われる。
    【平庭】ドクタ二年。低い声で貫禄ある。
    【夫婦】水柿夫婦はそろってセレモニーが嫌いで、思い切りドライ。
    【夫婦オフロードの教訓】理由がよくわからないときにいちいち追求していてはキリがないので多少のギャップは一気に飛び越えて素早く走り去るのが吉という法則。「夫婦ぜんざい一気飲みの教え」とも言う。
    【不思議】《不思議だと思い続けていれば、いずれは解決する。》日常p.46。
    【プラモデル】《プラモデルの組み立ての九十パーセントは塗装過程といって良いだろう》逡巡p.75。とあるがマニアではないがわりと近い立場からすると九十九パーセントと言えるのではないかと思う。組むだけなら一気にやれば相当難解なのでも一晩かからない。初期のガンプラなら三十分かからなかったかも。満足できるものになるかどうかはほとんど塗装にかかっているのかも。
    【文章】《自分には既にわかっていることを他人に説明するのは面倒だし、楽しくない。》逡巡p.34
    【偏屈】《本当に偏屈な人間は、人が自分をどう思おうが気にしていないが、ちょっとだけ偏屈な人間は、自分が偏屈者であることを理解してもらいたい、と考えている。このため、どれくらい偏屈なのかをアピールする傾向にある。》日常p.142-143
    【細萱助教授】水柿くんの同級生。防災工学で煙の専門家。
    【本題】《もともと本題などない》解脱p.10
    【水柿君】主人公。どうやら水柿小次郎がフルネームらしい。「逡巡」のp.85で初めて知った。それまでに書かれていたかどうかはわからない。国立大学建築学科の助教授。専門は建築材料。家には仕事を持ち込まないタイプなので自宅には専門書はない。模型工作が趣味。子供の頃より視力は落ちたがそれでもニ・〇あるらしい。鼻もきく。
    【水柿君の驚異の母親】未だかってゴミを家から出したことがない。この謎の解は・・・
    【ミステリ】この作品はミステリか? 《いずれにしても、自分が楽しめるように読むのがコツである。腹を立てたら負けだ。》日常p.76。《それは、一部が隠されたものの筋道だ。》日常p.106。《一面を隠すことによって、どんな事象でも、ミステリィ仕立てになることは明らかだ。》日常p.107。
    【三志摩/みしま】ドクタ。
    【籾澤/もみさわ】K談社編集者。人形のような女性。彼女のことを書くだけで短編ひとつできそうな特異な人物らしい。
    【桃城/ももき】K談社編集者。唐本さんの次に水柿くんを担当した女性。極端に蛙が苦手で現物はもちろんキャラクタも文字を視界に入れることも、聞くことも、発音することも不可能で編集者として大きな壁にぶち当たることがあるのではないかと水柿くんは危惧している。それ以外はいたってまともな常識人。
    【幸村葉子】研究室の秘書。ときどき探偵。
    【リベンジ】日常p.127の「リベンジ」は京極夏彦さんの『どすこい』へのリベンジなのだろう。
    【綿壁】マスタ二年。
    【第一巻】『工学部・水柿助教授の日常』。ぼくとしてはとても楽しめた。最近読んだ本の中でも上位に位置する。森博嗣のファンでありながらなぜこれまで読まなかったのか。それもまたひとつのミステリではある。水柿助教授が遭遇したビミョーにゆるい謎の数々を描くミステリ? 著者自らのエッセイのようにも取れる。が、まあ、フィクションなんでしょう、ということにしておこう。
    【第二巻】『工学部水柿助教授の逡巡』。一行目は《逡巡である。春情ではない。》第一巻は単行本で読み第二巻は新書版で読んだ。森…水柿助教授のような才能を知ったときK談社の人はちょっと興奮したやろなあと思う。水柿くんついに小説家になる巻、ジンギスカンではない。とも言えない。と水柿くんなら書くかもしれない。本がバカ売れしてにわかセレブになりお金の使い途に困る夫婦二人。ノベルズのイラストは山下和美さん。えらいカワイイ。

  • 初めて、森博嗣の本を読んでみました。

    読みやすい本ではありましたが、結局、森博嗣のよさというか魅力はとくに感じられませんでした。

    が、もう何冊かは読んでみるつもりです。
    それで、さらに読むか、それ以上読まないかを決める予定です。

  • 水柿助教授シリーズ三作目。Mシリーズ?
    平城京という言葉を見て、城平京さんを連想した。
    星新一さんの本が読みたくなった。
    相変わらず、脱線しまくりで進まない物語に、自分の思考もおかしくなったり。
    だが、森作品を振り返ってみると、西之園萌絵の突飛な推理、瀬在丸紅子の思考の飛躍、ロイディの少し間抜けな返答など…自分には予想できないアイディア・台詞が大好きだったことを思い出した。

  • 面白かったです。

  • 2,3年前に森博嗣さんの本を読んで「ああ読み難い本だなあ」と思ってから久しぶりにもう一冊読んでみましたが、これが輪をかけて読み難い小説でした。でもこの人のファンも多いよね、不思議です(・_・)

  • 2012/12/11
    自宅

  • ☆$$面白いは面白いが、少し期待外れだった。このシリーズは$$森氏の日常とミステリーの融合と思っていたが、$$当本は森氏の日常のみであった。

  • 3部作、しかも最終巻だなどと、全然確認せずに図書館から借りてきてしまいました。というか、今確認しました。。 といっても、大きな影響があるとは思えませんでしたが・・あくまでふわっとした日常(?)を独特の価値観を通して書いているので。・・・こんな生活、してみたいね。

  • 小説家としてデビューした水柿君は、
    続々と著作を発表し、いずれもそれなりに売れ続けたおかげで
    一生かかっても使い切れないほどの大金を手に入れた。
    このことが、水柿君と須摩子さんの生活に与えた影響とは?
    限りなく実話に近い(?)水柿君シリーズの最終巻。

    「日常」「逡巡」「離脱」の三部作となるはずだった
    この水柿君シリーズもついに最終巻を読み終えてしまった。
    なぜか最後だけタイトルが変更されて「解脱」になっているが。

    相変わらず、書かれている内容に脈絡がなく、
    ストーリーなんてものも存在しない、
    いったいこれは何なのだ?という感じの小説である。

    モデルとなっているのは明らかに森先生ご自身であり、
    またその奥さんのささきすばる氏と愛犬パスカル君であるが、
    ちょっとした部分で事実と異なる部分もあるので、
    「限りなく実話に近い」と帯にも記載されているのだ。

    「日常」から「逡巡」、そして「解脱」と話が進むごとに
    だんだんその私小説めいた雰囲気が強くなっている印象。
    「逡巡」で水柿君が作家になったあたりからは特にだ。
    個人的には、まだほんのりとミステリィ風味を残していた
    「日常」の頃のテイストが一番好きなので、
    ちょっと期待を外されたというか、残念な感じではある。

    今回は、水柿君と須摩子さんがお金持ちになって、
    大きな家に引っ越してからのことが主に描かれている。
    そのあたりの話が鼻につく、と感じた人もきっといるだろう。
    「金持ちの自慢話かよ」
    というふうにひがむのは個人の自由だが、
    ひがむこと自体、その人が貧しいことの証拠ではないか。
    貧しいことも全然悪いことではないが、
    ひがんでいるだけでは、きっといつまでも貧しいままだ。

    読んだ直後でも内容を人に説明できないくらい
    つかみどころのない作品ではあるが、
    水柿君と須磨子さんの会話に漂うリアリティなんて
    他の小説ではまずお目にかかれない凄いものだし、
    真似のできない発想と豊富なボキャブラリィが作り上げる
    ユニークな文章は、そのクオリティを決して落とさない。

    「シリーズを通して読んでいる人以外は楽しめない」
    と、最近の森作品はよく評されるようだが、
    「シリーズを通して読んでいる人」である僕としては、
    別に他の人が森先生の作品を楽しめなくても構わない。

    少なくとも、僕は楽しめた。
    他の人がどうかは、知らない。

  • わたしは心がせまいので、「だからなんだ!!」と叫びたくなった。

    犬のかわいい様子が知りたいばっかりに読んで、投げ捨てたくなった。図書館の本だし、そもそも本だという時点で、そんなことしませんが。だけど、時間がもったいなかった・・・。その分、別の本読めばよかった。

    小説と自称しているので小説のカテゴリにいれているけど、エッセイですよね。お金が余ってるなら寄付すれば。

  • 書くのを止める理由はよく分かりました。

    まあ、森博嗣のファンなら
    まあしょうがねーな、と納得すると思う

  • 大学の工学部の日常のゆるい会話を描写している。
    女子高生のゆるい会話を描写した、「らきすた」の工学部版ともいえるかもしれない。
    何をしたいのか、何がいいたいのかがわからないが、そういうこともあるだろうというような同感を持つ部分は多い。
    離脱か解脱かはわからないが、単なる解説なのかもしれない。

  • 2011/11/2読了。作家って一発当てたら凄いんだなぁやっぱり。

  • 自伝?小説?
    どちらにしても、水柿助教授夫妻のマイペースな生き方に羨ましさを通り越して殺意すら覚える、、ような気がする。
    笑いに対する考察は、本当にその通り!と思う。日常の様々な出来事へのコメントや感想が当たり前すぎて、なかなか言えなかったりすることなので、読んでいてスカッとした。

  • 続きまで読んでしまいました。
    犬の話が多くて-1点。

  • エッセイやブログを読んでいれば大体知っている話。
    小説の体を取っているのだったら、もっとそれを利用すればいいのに。

  • 元助教授作家、突然の断筆・引退宣言の真相がここに。

  • 「逡巡」よりは落ち着いて、だいぶ読みやすくなった。笑える話。ただ、ゆっくり読むといろいろ参考になる部分がある。

  • これだけは笑えるんだなぜか。なぜかっていうかつまりものすごい地元ねただからですけど。

  • 逡巡を飛ばして解脱を読んでしまった!

    日常的で犬馬鹿の話でちょっと面白かった

    それに最後のオチが……

    水柿君と須磨子さんの会話はかみ合ってるようでちょっとずれてるかもしれない
    けどそこがまた面白い
    お互いの時間がきちんとあってうらやましいかもしれない

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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