タチコギ

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344015289

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  • 小学4年生の息子をもつ父になった現在と、自身が4年生だった過去の話が順番に描かれている。
    息子はあるトラブルから引きこもり状態になり、自身の祖母の葬儀に参列するための帰省をきっかけに、父である伸郎はなんとか息子と話そうと考えている。
    それで思い出す自分の少年時代・・・。

    少年時代が強烈すぎて、現在が見事にかすんでいる。
    30年も前の少年と現在の少年を簡単には比較できないし、あの頃と今とでは世界がまるきり違う。
    馬鹿げた事だと分かっていながらしてしまう悪戯、ガキ大将の考え方をどこかで否定しつつも、やっぱり一緒に行動する伸郎。
    鉱山の町という特殊な事情が影響し、大人の事情が子供にも絡んでくる。
    そのやりきれなさ、どうしようもない行き場のない感情、ごちゃ混ぜにしたものがごちゃ混ぜに描かれて、そこと現在がなかなかリンクしない。

    伸郎の息子は本当に理解できたのかな。
    状況はそんなに単純じゃないと思うんだけど・・・。

著者プロフィール

1968年岡山県生まれ。2002年、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した『太陽がイッパイいっぱい』でデビュー。06年『厭世フレーバー』で第27回吉川英治文学新人賞候補、09年『太陽がイッパイいっぱい』で第5回酒飲み書店員大賞受賞。12年『Junk 毒にもなれない裏通りの小悪党』で第33回吉川英治文学新人賞候補。『ニート・ニート・ニート』は18年に映画化された。他の著書に『イレギュラー』『タチコギ』『Y.M.G.A 暴動有資格者』『路地裏ビルヂング』『ヘダップ』『俺達の日常にはバッセンが足りない』などがある。

「2021年 『共犯者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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