- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344015432
感想・レビュー・書評
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表紙を家族に見られたくないので、読む前から少し後ろめたい気分。性の開放感と個人的秘密が入り混じったようでドキドキする。
うん…そこにあるのは確かな性的満足と自らの誕生の不明。そんな自らの二の舞を踏まないように、肉体抜きで愛し合える関係を探すため、まずは性的な欲求を断つために別れた。
百年の梅干…運命を恨むことなく正直に生き抜く姿に拍手。でもこんな女みたいな魔がさしてきたら潔白を通すのは結構キツイけど、でもまあこれは交通事故みたいなものとして許してもらいたい。
ピーター・ノースの祝福…評価はこの作品。どうしても巨乳という文字にピクピク反応してしまうのが困る。いきなり結婚してとか少しうまく出来過ぎた話だけど、いつ体を重ねるのかなといった期待感で男の下心をくすぐられた。
虫の子 花の子…いい名前だな、花珠(かじゅ)ちゃん。少年の初恋は邪な気持ちがなくて純粋で清々しい。本当に豪徳寺にタヌキがいるとネットに書かれていて驚き。心が洗われるような内容だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これはこれは。
表紙と性描写にひるんではいけない、と誰かが言っていましたが、ひるまず読み進む価値あり。
普通に(或は普通以下に)見える生活の、誰もに潜むさびしさと虚しさと苦しさとせつなさの果て。解決やはっきりした希望はなくても。
だけど生きてるって、えてして整合性のないものだったりするので。
「ふがいない僕は」読んだ時に、本作を連想しました。 -
誰だってさびしくて、よこしまだ。年齢も組み合わせもバラバラな4組の男女に起こる、驚きと悲しみと微かな希望。長いブランクを経て、元レディコミの女王が描く、切なく愛しい傑作連作。
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最初は性描写が多く戸惑ったが、とても面白かった。
ブレイクしないタレントのおっかけのるみちゃんを好きな磯部。筆力のない作家ならこのふたりがどーしたこーしたで終始してしまうだろうが、磯部の生い立ち等もきちんと書き込まれていてすばらしい。
2編目の引きこもりの男の、猫を通じて変化していく様子も丁寧に書かれて読み応えあり。
3編目の夫婦の話も泣ける。
4編目も太った祖母と暮らす虫好きの太った空くんと、小さな女の子とのほのぼのとした交流を主軸に登場人物がきちんと書き込まれていてよかった。別々のようでいてさりげなくリンクする構成がすごい。 -
面白かったです。表紙のイメージと 中身のギャップが。