復活の恋人

著者 :
  • 幻冬舎
2.88
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本棚登録 : 58
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344015722

作品紹介・あらすじ

奈良の中学3年のぼくは、あこがれの同級生・小夜子とのデートを明日に控えていた。だが、親友に借りたレコードを返しに行く途中、轢き逃げ事故に遭って、そのまま昏睡状態に。ところが20年後、ぼくは目覚めた。医者は「奇跡だ」と言った。レコードは枕元にあったが、デートはどうなったのだろう?-会いたかった小夜子は親友の妻になり、しかも離婚していた。ぼくは彼女に会った。きれいな大人の女だった。ぼくたちはようやくデートをした。でも自分が会いたかったのは、いまの彼女なのか20年前なのか。もちろん童貞のぼくは、何をどうしたらよいかわからず、とりあえず学校へ通うことにした。35歳のおじさん高校生だった-。事故で20年間、眠り続けた中3のぼくは、34歳で目覚めた。古都・奈良で、現代の「浦島太郎」になった青木タモツの、不思議にリアルな恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • でもぼくはまたここに連れ戻された理由とは関係なく生きている。それがぼくのよきところだった。この先ぼくになにがまっているのかわからない。でもこの人生を信じようと思った。
    (P.133)

  • 久しぶりにホッコリと出来る小説が読めた。表紙が近鉄の駅でJUDY AND MARYのコピーを始めた頃のメンバーが近鉄沿線で懐かしく感じて手にとったんだけど…14歳の夏に交通事故で意識を失くし20年経って意識を戻した体は中年、心は中学生のおっさんの話。同世代だからこそ感じるやるせなさ満載。加齢と人生の折り返し点のどうしようもなさと生きていくっていうリアリティの切実さにビビりながらもどこか自分の可能性を諦めきれない惨めさ……最近そういうやり切れなさをみて見ない振りでやり過ごそうとしてるよっちんだからこそ、この小説は胸に響いたのでは?と思います。でも性描写が少しチープに感じたのはよっちんがヨゴレだから?

  • 2010/11/10 やや冗長、いろいろ盛り込みすぎの感がある。そしてたいへんそう。表紙に惹かれて手に取る。以前ちょっと立ち読みして、その後タイトルがわからなくなってた。「海に落ちて意識不明」になった話だと思って探してたがちがった。

  • 本当に偶然なんですけど、最近の奈良ブームでキトラ古墳壁画や明日香に行ったばかりでした。
    人生はうまくいかないことも多いけれど、それはそれでしかたがないんですよね。なんでこうなっちゃうのかなぁと思いながらも少しずつ進んでいくことしかできません。
    はっぴいえんどがなつかしかったです。

  • 奈良県出身の女子が、本の表紙を見て「なんすかこれ?!」と叫んだ。
    確かに故郷のローカルな駅が本の表紙になってたらビビるわな。

    場所は近鉄あやめ池駅。主人公の男の子が思いをよせる女の子をデートに誘う。その場所があやめ池遊園地なのだ。
    14歳の彼はデートを実現することなく、交通事故に遭い、意識不明のまま20年間ベッドの上で過ごす。母親は既にいなくて、父親が彼の面倒をみていたが、彼が目覚めたときにはその父はボケていた。
    あやめ池遊園地はもはや閉演しており、中学生までの記憶だけを持って34歳のおっさんとしてよみがえったのだ。
    不安でしょうね~怖いでしょうね~。だって中身は子供だもの。

    奇跡的に(・・・ていうか小説だから)デートの約束をしていた彼女も、当時親友だった笠井もしっかり彼の前に現れ、暖かく接してくれる。
    現実離れしてるけど(・・・・ていうか小説だから)ハワイで3人で合流したりしてる。
    そのうえ、34歳で通い始めた高校で、唯一できた女友達とはなんとなくいい感じで恋心めいた交流までできる。

    収入なし、経験なし、知識なし、でも父親の介護をしなくちゃいけない。
    そんなシビアな状況の中、ホントかよと思うぐらい彼はたくましい。
    残りの人生幸せに暮らしてもらいたいものだ。小説だけど。

  • 5月12日

  • 図書館

  • 表紙の写真が見たことのある風景なのです。
    近鉄電車の菖蒲池駅!!
    奈良に住んでる人なら表紙見ただけで読みたくなる(はず)。
    奈良在住の私は表紙に惹かれて読みました。

    物語の中で奈良の風景が描かれてるから、読んでて楽しい。
    奈良出身の作者やからこその物語やなーと。

    物語の展開の仕方も好み。

    死ぬっていうのは一つだけだけど、死に方は一つだけじゃないんだな と学びました。

    しかし会話が思いっきり標準語なのはどうかなと思いましたが…

  • 14歳で交通事故にあって意識不明となり、20年後に意識を回復した少年?成年?の成長&恋愛物語。主人公が必要以上に冷静で、血が通っていないんじゃないかと思わされる点は少し残念ですが、トータルすればさわやかで気持ちの良いお話にまとまっていると思います。もうちょっと先まで書いて欲しかったなぁ。

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著者プロフィール

1960年奈良生まれ。

「2023年 『夏に、ネコをさがして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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