太郎が恋をする頃までには…

著者 :
  • 幻冬舎
3.31
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本棚登録 : 110
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344015760

感想・レビュー・書評

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  • ずっと気になっていた本なので、読めてよかった。

  • なんで差別があるのだろう。


    どうしてなくならないんだろう。


    人間って弱い生き物だなってつくづく思う。


    下を見て安心して…それでいいのか?


    知らないといけない。


    目を背けてはいけない。

  • 「バブルの申し子的」なフジテレビ女性プロデューサー栗原美和子さんが、被差別部落の出身であることを公表した猿回し芸人・村崎太郎氏との結婚とともに発表した自伝的私小説。
    ということで、栗原さんも村崎太郎さんもあまり知らなかったのだが、話題の書としてチェック。

    被差別部落出身者であることの苦しみやいわれなき差別の不条理さ、その中で誇り高く生きようとする太郎さん、でも結婚が周囲に与える波紋…と小説としてはよくできていて胸に迫り、よくわかっていなかった私は、作者は主人公のゴーストライターかと思ったほど。(だって登場人物の名前が違ったので・・・)
    それだけに、意外で急転直下な本の結末と現実の結末が違ったことがわかったときには、若干拍子抜け。
    実際は、あくまで私小説「的」なフィクションなのね。。

    ただ、ストーリーとして圧倒的に印象深いのは悲恋だとしても、地味でも真実の重みをノンフィクションで描いた方がよかったのでは?
    悲恋で終わらすのは結局は差別に打ち勝てない現実を認めてしまったようにも取れるのでは?
    という疑問が残ります。
    とこのように、カタルシスを与えず悶々と考えさせるのが目的なのかもしれないが、後味に残る苦味で☆4つ。

  • 重い話でした。当事者しかわからない苦しみや悲しみがズーンと伝わりました。今 この人今どうしているんだろう・・・。
    と書いたのだが 他の人のレビューを読んでノンフィクションではないと知った・・・・えっーーーーーーー???!!!!!?って
    感じです。

  • いろいろ学ばせてもらいました。ただ、終盤あたり、出口が無くなる様な閉塞感にこちらの感情が引きずられて苦しかったです。勝手ながら違うラストを望みました。

  • 部落問題の中でも最も壮絶な問題である、
    「結婚差別」に深く切り込んだ作品。

    たしかに、作者自身が村﨑さんとの結婚を巡って、
    壮絶なる結婚差別を受けた現実は伝わってきたが、
    作品としての完成度というか、作者の文章力のつたなさが、
    この問題に対しての切迫感を薄めてしまっている感があるのが否めない作品でもある。

    先日、作者の講演があり聴きに行ってきたが、
    講演の方も何か涙を誘おうとする意図が感じられたのが、
    違和感として引っかかってしまったのが正直な感想である。

    もし、差別の現実を切実に訴えたいのなら、
    私小説という形を取らず、ノンフィクションで勝負した方がよかったのかなと。

    現実を淡々と語る中にこそ、差別の現実が浮き彫りになり、
    読み手(聞き手)に壮絶なる現実として伝わることをたくさん知っているので…

  • 2010.07

  • 栗原美和子の私小説
    村崎太郎の初カミングアウト作品

  • ドラマチックで読ませるなあと。ラストは賛否両論かもと思うけれど、ハッピーエンドにしないことで、あえて差別の根強さを訴えたかったのかなあと、まあ、胎児という未来も残しつつ。勉強が足りなくて、冒頭の水平社宣言を読むまで差別問題を扱った本だとは露知らず、だいぶ前にサンジャポで二人の結婚を知ってふと気になって図書館で検索して借りてみた次第です。キャリアの女性の結婚って?という興味で。差別問題を扱うこと自体がタブーのような状況があるけれど、実際そんなことはないし、扱わなければ状況は(いい意味でも悪い意味でも)知られないし、このように入りやすい本ができたのはすばらしいと思う。

  • あえて、★3つ。小説 だけど、多分ラスト以外はかなり現実に近いのでは?被差別部落のことをここまで「自分の」こととして書くのには相当の勇気がいっただろうな。小説であると言っても表紙には二人の結婚写真が使われているんだし。でもそうであるからなおさらどうしてこういう ラストにしたのかが疑問。「言われなき差別に果敢に挑み、幸せを手に入れた二人 」ではダメだったのだろうか。 

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