孤独星,陽のあたるところ,×(かける)

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 103
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344016125

感想・レビュー・書評

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  •  「世界の終わる夜に」というテーマで3人の作家が書いた作品が1編ずつ収められています。
     世界の終わり、というと、『アルマゲドン』や『インディペンデンスディ』など地球や人類の危機から主人公が世界を救う作品が思い浮かびます。逆に世界の終わりはもう決まっていて、その中での生活を描いたお話で、伊坂幸太郎の『週末のフール』なども非常に面白いと思います。
     このテーマ、設定自体は非常にありふれていて、数多くの作品があります。しかし、書き手によって、何に注目するか、登場人物の人柄や行動などが非常に多彩で魅力的ではないでしょうか。

     そして、この本で上に挙げたような世界の滅亡という設定が使われたのは1作品だけ。
    『陽の当たるところ』では、病でどんどん視力を失う中、病院で暮らす少女。表題作『孤独星』では、未来、星が見えなくなり、人々の記憶からも消えた世界で偶然星を知った少年が描かれます。どちらも人類の存亡をかけた戦いを見せるわけではありません。でも、自分たちの世界の終わりの中で必死に考えたり、大切なものを守ったり。各々の戦いがあります。「世界」も「世界の終わり」も人それぞれです。

     その意味で、10代、20代は特に世界の終わりに直面することが必ずあると思います。卒業や就職......他人から見れば大したことないかもしれない、誰でも通る道なのかもしれない。物語になるようなものではなくても、本人にとっては確かに1つの世界の終わりです。

     この本の3作品ともが恐らく10代か20代ですが、実はこの本を書いたのも、10代の作家です。
     10代限定文学新人賞「蒼き賞」。ラジオ番組と出版社が行ったこの新人賞では、作品の第一話と、全体の方向性を応募するというもの。ノミネートされた6作品には編集者がつき、1週間1話のペースでラジオ番組のホームページに掲載し、リスナーが読む中、全10話を完結させる。
     この本はその新人賞の受賞3作品が書籍化されたものです。

     だからプロの作家さんのような完成度はないかもしれません。
     そのかわり、一言のセリフが、一つの行動が、直接心に刺さってくるように感じます。読んでいて鳥肌の立つような感覚が走ることがあります。
     また、設定にしても何にしても、非常にユニークです。『×』では引きこもりの主人公が、漫画の結末を知るためにオカマの編集担当と一緒に作者を探して奔走する......みたいなお話はなかなかないのではないでしょうか。

    ぜひ10代のうちに、少しでも10代に近いうちに読むべきだと思います。その頃を思い出すために、読むべきだと思います。

  • ネットで全部読んでいたのに、金欠少女がお金出して買ってしまいました。
    携帯小説のようで読みづらそうだったけど、読んでくと横文字の良さも見えてきたり。

    ネットで読んだ時(グランプリなど決まる前)、私が大プッシュしてた孤独星と陽のあたるところ。
    ×(かける)はそこまで好きだとは思わなかったんだけど、まさかの2作品ノミネートに驚愕。


    孤独星。
    陰気な男の子・高藤尚人と、氷の女帝・須波千登勢。
    クラスでも誰とも話さないのに正反対のふたりは、「ホシ」というものに惹かれて近づいていく。
    対照的な二人の別れ―それは須波の世界が終わったときに訪れる。

    まさか私より2歳上のベニさんが書いた作品で泣けるとはね…。


    陽のあたるところ。
    私がグランプリに大プッシュした作品。泣ける。
    残念ながら準グラだけど、よしとしよう。

    日向―陽のあたるところ。それがあたしの名前。
    何度かこの文が出てくるのですが、出てくる度、違う意味を持っていると思う。
    もう少しで失明しそうだけど、まだ太陽は見える。
    見えなくなったら「日向」でいられなくなる。
    入院している病院での人間関係によって、ひなちゃんの世界の終わりも、新しい決意に繋がっていく。


    ×(かける)。
    世界の終わりだという日、マンガの続きを知るためにオタクのカオルはネット住民に叩かれ、渋々星川先生を探し出す。
    マンガ「空を駆ける」にかける情熱は誰にも負けない。
    世界の終わりの日、外に出ている住民など誰もいない街東京で、星川先生を探す者だけが駆け回る。

    政府の政策、だなんておかしい。
    上から禁止しかしない大人に対するささやかな反抗文書みたいで、面白いと思った。

  • 10代の人が書いた小説の入選作品3つ。

    どの話も読みやすくて雰囲気は伝わってきた。
    設定とかもよく考えられていたと思う。
    星がなくなった未来。
    世界が終わると予告された時。
    ただ、何か強く共感するものはなかったかなあ。
    特に目が見えない女の子の話はどうしても想像で書いているようにしか思えなかった。

  • 【あらすじ】
    孤独星
    時は30XX年。環境問題が深刻化して、夜空に星が見えなくなっていた。その事実を隠すかのように、星に関する資料という資料はすべて政府によって抹消されていた。そんな時代に夢で星を見て、ずっとそれが何かを知りたいと思っていた少年がいた…

    陽のあたるところ
    小学生の頃、目が悪くなって入院したひな。治療を続けるもどんどん視力が落ちていくことに、不安を隠し切れないでいた。しかし病院の中で様々な出会いを通して、ずっと前に進めないでいたひなが少しずつ変わり始める…

    ×-かける-
    3ヶ月後に世界は滅亡する―そう報道されてからTVが映らなくなった。それを期にどんどん変わり果てていく世界。そんな中、引きこもりオタクのカオルは、未完結作の大好きなマンガのクライマックスを知るため動き出す…

    【感想】

  • 孤独星っていうタイトルに惹かれて、
    ちょっと手にとってみると、表紙に「SOL!」の文字が書いてあって吃驚しました。

    そして表紙にも惹かれて即買いでした。どのはなしも読みやすいと思います

  • ラジオ番組×幻冬舎のコラボによる10代限定の文学新人賞「蒼き賞」の第1回受賞者の作品集。応募者は第1話と作品のあらすじによって選考され、選考に残った者は10回の連載という形で物語を書き上げていく。作品の共通テーマは「世界が終わる夜に」。

    夕闇迫る大都会の屋上に佇む少年の様子を描いた美しい装丁と、一風変わった文学賞受賞者の作品というところに興味を惹かれました。

    読後感はまあ、ふつう??
    ストーリーが必要以上に「イタイ」展開になっているように感じましたが、それはきっと著者が10代というところから来てるんだろうなー。特にグランプリの「孤独星」にその傾向が強かった。でも作品設定と「孤独星」というタイトルはやっぱり一番良くて、グランプリはこれだろうという感じ。

    しかし、何でこの本横書きなんだろう。本を読まない若者向けってことなのか?うーん、やっぱりこれで安っぽい印象になるのは否めないな。

  • 「世界が終わる夜に」をテーマに公募された
    十代限定の文学新人賞『蒼き賞』
    第一回グランプリ作品


    全体的に読みやすかったです。
    ホントに十代??って感じ。
    ただ、やっぱり、表現が綺麗過ぎる感じがして、そこは十代らしいかな。
    いつ壊れてもおかしくない様な雰囲気を帯びてて、どの話も繊細で儚いです。

    そして何よりも、表紙の蒼が綺麗。

  • あの、「SCHOOL OF LOCK!」からきた本。
    大好きなラジオから生まれただけあって是非読みたい。
    表紙のイラストも惹かれる。

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