望郷の道〈下〉

著者 : 北方謙三
  • 幻冬舎 (2009年3月発売)
4.21
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344016446

作品紹介

愛する家族を守るための凶行。九州を追放された正太は、日清戦争後の混乱著しい台湾へ。そして、拭いがたい虚無を抱えながらも菓子屋の事務員として働き始める。ある日、失意の正太の前に突然瑠〓(い)が幼子を連れて現れた。再会を果たし活力を得た正太は、菓子屋「七富士軒」を創業し競争の激しい商いの世界に身を投じるが…。混迷の時代を、自由に、力のかぎり生きた男女の物語が辿り着く感涙のラストとは。

望郷の道〈下〉の感想・レビュー・書評

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  • やはり北方先生は面白い!ハードボイルド系には一切手は出さずに歴史系から手を染めていったのだが、今回の作品はそのどちらも兼ね備えた人間の旅の物語を綴っている。とは言っても全ての人間の生き様は旅なんだと思っていますが

    主人公の正太は家も継がずに気ままに船頭暮らしをしている。そんな折、佐賀で女ひとりで博徒の一家を支える瑠依に出会い二人で一家を切り盛りしていくのだが、未遂に終わったが家族を守るために人を殺そうとした正太は九州の大親分から九州所払いを受けてしまう。

    単身で台湾に乗り込んで始めた仕事がキャラメル作りに羊羹など。その後瑠依も家を捨て、家族で正太のもとに山あり、谷ありの人生の中で台湾での成功を胸に、所払いを受けた九州の大親分の元へ……

    いや、いい話だし、ところどころ泣かせるんだけど…今の日本人にないものを持っている夫婦です。ただあまりにもリアルすぎると思っていたらこの話のモデルとなった人がいて脚色もありますけど実話とのこと。

    モデルは北方先生の曾祖父にあたる森平太郎(ニイタカドロップなどで知られた新高製菓創業者)をモデルとした立志伝です。これもまたいい作品です

  • 小さな工場から始め、どんどん工場を大きくし、同業者の嫌がらせも乗り越え、かつての稼業からの許しを得るまで、まさにノンストップで突き進む主人公。
    次から次へと計画して実行していくその力はうらやましいくらいです。
    その妻も肝が据わっていて、この夫にしてこの妻あり、です。
    読み終えた、という充実感がありました。

  • 上巻の勢いそのままに、一気読みでした。
    終わり方もきれいで、一本の大作映画を観ているような気分。

    あんなに肝が据わっていてかっこいいルイが、露店で客に声をかけることがなかなかできない。そんな妻をしっかり見つめる正太。ふたりの様子に感動しました。夫婦っていいなあと、ひさしぶりに心から思った。
    しかしやっぱり浮気はするもんなのか。そこだけちょっとイラっとした。

    北方さんの作品は初めて。堅い感じの作風なのかと思っていたけど、キャラクターがすごく活き活きしていて混乱しないし、何よりセリフがいい。自然で、なのにドラマチックでした。
    読み終わって、表紙を見て、さらに満足。
    ブクログの談話室で紹介してもらった本です。あの時の方に、感謝です。

  • 追記:読み終わってから調べて知りましたが、著者、北方さんの曽祖父の森平太郎という方が創業した新高製菓という企業(新高ドロップがヒットし、戦前は森永、明治、グリコと並べられるような大企業になった会社らしい。)の実話を基にした小説でした。身内の話だったとは。

    インタビューによると、大ヒットするドロップを売り始めるところで物語を終えたのは、事業家として成功する姿を描くのは”普通の小説”の題材で、いわゆるただの企業小説になってしまうからとのこと。
    素晴らしく良い終わり方。気持ちとしてはもっと続きが読みたいけれど。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    最高に面白かった。商売の話なので戦が中心の水滸伝などとはストーリーはかなり違うが、描く人物の魅力は引けを取らない。とにかくかっこいい。

    九州の賭場を持つ男勝りの藤家の女将・瑠瑋とその婿養子になった正太が、切り盛りしていた賭場を巡る事件で、九州を追われ台湾で菓子屋を創業し、事業を大きくしていく。

    事業の先の先を見据えて、細かなところに気を配りながらも、動くときは大きく動く大胆さ。自分の芯を曲げずに仕事に打ち込む姿勢、家族愛。それから正太を支える人たち。どうもあつくるしいほどの男らしさ、義理人情といった話に弱く、若い衆が命を張るほどの主人への慕いっぷりに感動。 

  • 北方 謙三は父親が好んで読んでたけれど、ハードボイルドオンリーだと思ってた。
    最初は「ああ、ハードボイルドじゃないけどヤクザものかー。」と思ったら、それも違う。
    こういうのを書く人だったとは全く知らなかった。
    「元気になるから。」と勧められた本。
    元気になったかどうかはともかく、久しぶりに面白い本を読んだなーと思った。
    上下巻、一気に読みました。

  • 上巻が面白すぎて、一気に読了。
    ハードボイルド。
    北方謙三、ほかも読んでみたい。

  • 月並みだが、挫けてはいけない、折れない心の大切さを気づかせてくれる本。これまで読んだ本の中でベスト3に入る。

  • 台湾!

  • (上下合わせた感想)
    一気に読める。だがあまりワクワクしない。

    小説なのに実在の人物を描いているみたいに淡々としている。そして主人公達が出来すぎている。事業に成功する夫と度胸満点の妻。どうも心が寒くなる。

  • 上巻に引き続き、下巻も面白かったです。

    ただ登場人物が増えたために、「この人誰だっけ?」と思うことがあったのと、話の展開が速すぎるように感じました。
    もう少しじっくり書き込んでもいいのではと思ったけれど、このくらいのテンポの方が読みやすいのかもしれません。

    終盤はしんみりしたけれど、最後の最後、少し、陳腐に感じました。

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