望郷の道 (下)

  • 幻冬舎 (2009年3月16日発売)
4.25
  • (34)
  • (25)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 180
感想 : 23
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (324ページ) / ISBN・EAN: 9784344016446

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いやー一気読みしてもたー
    ちょっと勉強せないけんかったのに一気読みしてもたー

    そしてこのお話北方謙三アニキの曾祖父母で、新高製菓の創業者である森平太郎夫妻がモデルなんだそう
    ほへー、もちろんがっつり脚色はされてるんだろうけど波乱万丈の人生やなー

    そして任侠小説の定型フォーマットだ!と書いた上巻からがっつり商売人の立身出世物語と化す下巻
    でも最高の面白さは継続

    んでもって私がここで強く言いたいのは、びっくりするぐらい読みやすかったってこと!
    もちろんわいがいわゆる北方節に慣れてきたってのはあるんだけど、北方アニキの文体って余計なことあんまり書かないんよね
    あんまり書かないから読み手の想像力で補わないといけないんだけど、そこの材料というか原料はちゃんとあるのよ
    だからさくさく進むけどちゃんと読めばちゃんと深いのよ
    あとマジで佐賀弁との融和性がめちゃくちゃ高い
    北方節と佐賀弁凄い合う
    アニキの地の言葉が佐賀弁だからってだけじゃなく、なんかそこに計算を感じるんよな〜
    考えすぎかな〜

    と、とにかく仁と義に生きてるわいの様な人なら間違いなくドカンとくる一冊ばい!(急にインチキ佐賀弁)

    • ひまわりめろんさん
      そうなんです!しょうなんです!商人です!(決まった)
      そうなんです!しょうなんです!商人です!(決まった)
      2024/04/23
    • 1Q84O1さん
      ひま師匠のオヤジギャグも日々アップデートされている(のかな…)
      ひま師匠のオヤジギャグも日々アップデートされている(のかな…)
      2024/04/23
    • ひまわりめろんさん
      (*´ω`*)
      (*´ω`*)
      2024/04/23
  • やはり北方先生は面白い!ハードボイルド系には一切手は出さずに歴史系から手を染めていったのだが、今回の作品はそのどちらも兼ね備えた人間の旅の物語を綴っている。とは言っても全ての人間の生き様は旅なんだと思っていますが

    主人公の正太は家も継がずに気ままに船頭暮らしをしている。そんな折、佐賀で女ひとりで博徒の一家を支える瑠依に出会い二人で一家を切り盛りしていくのだが、未遂に終わったが家族を守るために人を殺そうとした正太は九州の大親分から九州所払いを受けてしまう。

    単身で台湾に乗り込んで始めた仕事がキャラメル作りに羊羹など。その後瑠依も家を捨て、家族で正太のもとに山あり、谷ありの人生の中で台湾での成功を胸に、所払いを受けた九州の大親分の元へ……

    いや、いい話だし、ところどころ泣かせるんだけど…今の日本人にないものを持っている夫婦です。ただあまりにもリアルすぎると思っていたらこの話のモデルとなった人がいて脚色もありますけど実話とのこと。

    モデルは北方先生の曾祖父にあたる森平太郎(ニイタカドロップなどで知られた新高製菓創業者)をモデルとした立志伝です。これもまたいい作品です

  • 胸がいっぱいになった。
    みんな自分を懸命に生きてて、私もそれがしたいなと思った。

  • 小さな工場から始め、どんどん工場を大きくし、同業者の嫌がらせも乗り越え、かつての稼業からの許しを得るまで、まさにノンストップで突き進む主人公。
    次から次へと計画して実行していくその力はうらやましいくらいです。
    その妻も肝が据わっていて、この夫にしてこの妻あり、です。
    読み終えた、という充実感がありました。

  • 上巻の勢いそのままに、一気読みでした。
    終わり方もきれいで、一本の大作映画を観ているような気分。

    あんなに肝が据わっていてかっこいいルイが、露店で客に声をかけることがなかなかできない。そんな妻をしっかり見つめる正太。ふたりの様子に感動しました。夫婦っていいなあと、ひさしぶりに心から思った。
    しかしやっぱり浮気はするもんなのか。そこだけちょっとイラっとした。

    北方さんの作品は初めて。堅い感じの作風なのかと思っていたけど、キャラクターがすごく活き活きしていて混乱しないし、何よりセリフがいい。自然で、なのにドラマチックでした。
    読み終わって、表紙を見て、さらに満足。
    ブクログの談話室で紹介してもらった本です。あの時の方に、感謝です。

  • 追記:読み終わってから調べて知りましたが、著者、北方さんの曽祖父の森平太郎という方が創業した新高製菓という企業(新高ドロップがヒットし、戦前は森永、明治、グリコと並べられるような大企業になった会社らしい。)の実話を基にした小説でした。身内の話だったとは。

    インタビューによると、大ヒットするドロップを売り始めるところで物語を終えたのは、事業家として成功する姿を描くのは”普通の小説”の題材で、いわゆるただの企業小説になってしまうからとのこと。
    素晴らしく良い終わり方。気持ちとしてはもっと続きが読みたいけれど。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    最高に面白かった。商売の話なので戦が中心の水滸伝などとはストーリーはかなり違うが、描く人物の魅力は引けを取らない。とにかくかっこいい。

    九州の賭場を持つ男勝りの藤家の女将・瑠瑋とその婿養子になった正太が、切り盛りしていた賭場を巡る事件で、九州を追われ台湾で菓子屋を創業し、事業を大きくしていく。

    事業の先の先を見据えて、細かなところに気を配りながらも、動くときは大きく動く大胆さ。自分の芯を曲げずに仕事に打ち込む姿勢、家族愛。それから正太を支える人たち。どうもあつくるしいほどの男らしさ、義理人情といった話に弱く、若い衆が命を張るほどの主人への慕いっぷりに感動。 

  • 北方 謙三は父親が好んで読んでたけれど、ハードボイルドオンリーだと思ってた。
    最初は「ああ、ハードボイルドじゃないけどヤクザものかー。」と思ったら、それも違う。
    こういうのを書く人だったとは全く知らなかった。
    「元気になるから。」と勧められた本。
    元気になったかどうかはともかく、久しぶりに面白い本を読んだなーと思った。
    上下巻、一気に読みました。

  • 上巻が面白すぎて、一気に読了。
    ハードボイルド。
    北方謙三、ほかも読んでみたい。

  • 月並みだが、挫けてはいけない、折れない心の大切さを気づかせてくれる本。これまで読んだ本の中でベスト3に入る。

  • 台湾!

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北方謙三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×