- 本 ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344016965
感想・レビュー・書評
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切ない話。
天国への階段にも通ずるやるせないストーリーが悲しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
引き込まれるようにグイグイ読めたが、読後、こんなに長く書く必要はなかったのではないかと思った。
違和感があった点は、美里を忘れられず、復讐を考えている割には
次々と女性とつきあい、恋にも落ちるところ。
恋人を死に追いやり、憎しみ、復讐を誓っている淳介について
ほとんど書かれていないので、主人公の憎しみが共感できなかった。
主人公がもっともっとストイックに恋人を思い続けているように書かれていたら、淳介がもっと読者にも嫌なヤツと思えるように書かれていたら、ずっと共感できる作品になったのでは?
今一つ、モテモテの主人公に共感できないところがありました。
偶然が重なりすぎて出来過ぎな話ではあるけれど、それでも読み応えは十分。 -
(上下巻とまとめた感想)
「竜の道」を図書館で偶然手に取って読んで以来、なんとなく好き感が高まっている白川道さん。ストーリーにも文章にも重厚感があって、今までこういうヘヴィーな小説をあまり読んでこなかったからか、何か未体験のものごとに取り組み始めたときのような新鮮な気持ちになる・・・なあんてもっともらしいことを書いてみたけれど、好き感が高まる一番の要因は、主人公のかっこよさ!「竜の道」の竜一しかり、この作品の晴之しかり(実は晴之っていう名前がなんとなくポップな雰囲気をまとっているような気がしてイマイチしっくりきていないのだけれども)、超硬派!冷静沈着!ポーカーフェイス!そしてときどき見せる感情の起伏と涙。うぅ、かっこいい。
主人公は30代後半の新鋭建築家、晴之。生涯で唯一、そして最も愛した恋人の美里を、大企業の御曹司である淳介によって覚醒剤中毒にされた挙句に失った。美里の遺言は、生まれ育った小樽の海で眠りたいというもの。その言葉通り、晴之は美里の亡骸を親友の浩と共に小樽の海に沈め、淳介に報復を誓う。しかしある漁師が美里の亡骸を引き揚げたことから、警察が動き出してしまう。
裏社会で生きる主人公を描いた「竜の道」と比べて血生臭さはずっと少なく、さほど人も殺されない(ゼロではないけれど)。晴之を中心とした、仕事に没頭する30代の男女の青春物語、みたいな雰囲気もある小説だった。
とはいえ、最愛の人を殺された主人公の復讐劇というストーリーは「竜の道」とよく似ている。けれど、個人的に主人公により感情移入できたのは「竜の道」の方。晴之の元恋人である美里を覚醒剤中毒にしたあげく死に追いやった淳介というキャラクターは、仕事の面で出世コースから外れた無能な人間として描かれている。だから、かっこよすぎる晴之の復讐の相手としてちょっと弱いように感じたのだ。もし淳介が、晴之と同じかそれ以上に仕事ができて、容姿端麗で、美里の死を気にも留めず覚醒剤の乱用を秘密裏に続けながらも出世街道まっしぐら、というようなキャラクターで描かれていたら、もっと晴之頑張れー!って感じになっていたかもと思う。
晴之の友人や元恋人、恩師、因縁の上司、晴之の罪を暴こうとする元刑事など、さまざまな登場人物の思惑や策略が入り乱れて読み応えがあった上巻に比べ、下巻は、事件の答え合わせのような感じで、会話文の中に既知の内容が何度も出てきて(晴之が淳介に復讐を決意するに至った経緯など)、飛ばし読みした箇所もあった。上下巻に分けないで後半短くしてもよかったのでは?というような気もしたけれど、それでもやっぱりおもしろかったから熱中して読めた。白川さんの作品、また読みたいなー。 -
2017.01.03
感想は下巻に•••。 -
硬派を描く抜群の作家、白川道さんの代表的な作品だと思います。早逝をとても残念に思います。
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2009年読了。
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話の展開は遅い。その分、メインキャラたちの動機や思い、そして諸々の説明がしっかりなされている。じわりじわりと事実が明らかになって行く。今後の展開が楽しみであることは間違いない。
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ちょっと「天国への階段」どかぶってしまい、こんがらがる時もあり・・・でも下巻はとても楽しみですよ。
白川道の作品





