夜にはずっと深い夜を

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 557
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017160

作品紹介・あらすじ

過剰な愛情、コンプレックス、悲しみ、欲望…を抱えた女たち。壊れゆく女たちの孤独が日常をねじれた世界へと変えていく-。女たちの狂気の叫びが闇に響く、美しくも恐ろしい物語。カルト女芸人、鳥居みゆき戦慄の書き下ろし小説。

感想・レビュー・書評

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  • 過剰な愛情、コンプレックス、悲しみ、欲望…を抱えた女たち。壊れゆく女たちの孤独が日常をねじれた世界へと変えていく―。女たちの狂気の叫びが闇に響く、美しくも恐ろしい物語。カルト女芸人、鳥居みゆき戦慄の書き下ろし小説。(アマゾン紹介文)

    表紙も造りも不気味で、ホラーもしくはサスペンスの雰囲気がばっちり。
    お話は、筋はあるものの不条理で、理解しようとしてできるものではないように思います。
    ぞくりとしたのは最終話『永遠の誓い』ですが、より響いたのは『蝉』でした。

  • 予想以上に面白かった。散文的な詩や思いっきり不条理なストーリーどれをとっても鳥居みゆきの舞台を想像させる。実は伏線が色々張り巡らされているんだわ。
    しかし、こんな才能あったんだ。
    『蝉』は美しすぎて、真理すぎて、全身の毛が総立ちしてしまった。夏だね。

  • シズカ、華子、葉子、幸子、佐々木さん、のり子、明日香…。
    女達は笑って壊れながら、歪みに無自覚。いたって恒常的に狂った日常を生きいく。
    幾たびも過ぎる、孤独な夜。
    ある女はブツブツと呟きながら、ある女は小さな虫に翻弄されながら、
    またある女は、地獄を追求しながら…
    落ちてゆく。
    崩れてゆく。
    求める。
    ただの夜なんていらない。朝なんてこなければいい。
    ずっと夜の中にいたい。私達は望む。
    ――そう。
    「夜にはずっと深い夜を」

    ――あなたの無邪気さを破壊したいの。


    芸人さんの書く本って、実はあんまり好きじゃなかったり…。
    勿論、一人でコントやネタを考える訳ですから、そういった物語を生み出す力。この世ではない、架空の世界を生み出す力があるとは思っています。
    しかし、こういう本が出版される経緯、裏側を考えるとどうにも…(苦笑

    それはともかく、この本は好みの本でした。
    鳥居みゆきという芸人は、常に舞台上で過剰に奇異な言動や行動をとり、様々な意味で人目をひく芸人です。最近では私服でTVに出ていますが、最初に登場した時のくしゃくしゃの髪、パジャマのような白い服、手にもった人形。そして見開かれた目が、私にとってはとても印象に残っている鳥居みゆきという芸人の姿です。

    私は、彼女が何を考えているのか分からない。
    無論、彼女でなくとも人が考えていることなど、全て分かる訳はないのですが。彼女は特に分からない。そんな彼女が書いた文章、ということに興味を持って読みました。
    ……まさに鳥居ワールド…。
    狂っていることが正常というか、ちょっとずれた価値観が前提というか。
    出てくる女達は、ともすれば、この世界のどこか・身近にいそうななんの変哲もない女です。
    しかし彼女等はそれぞれのお話の中で、誰とも共有できない価値観、解釈の世界に生きています。
    そんな彼女達の世界を、鳥居みゆきが切り取り、放り投げ、底の知れない笑みで投げつけてくる。
    受け取ってしまえば、逃げることはできません。
    目を逸らそうとしながらも、口元は引きつった笑いを浮かべるしかないでしょう。

    妄想日記を含め、そのシュールな世界観を目を見開いて淡々と見つめる鳥居みゆきを感じます。そこには確かに、普段の突拍子もない表現とは違うクールな知性を感じるのです。
    でも、多分それを鳥居みゆきは認めないでしょう。
    あのおちゃらけた態度で受け流すのでしょう。
    何を考えて生きているかなんて、分からないままなのでしょう。

    この本が書かれたという事実だけで、よいのだと思います。

    (冒頭の文章にあった、置き石でなく、置きグミという発想は素敵で、同時に一番、らしい気もしています)

  • 2日程で読了。鳥居さんのキャラクターが伴って成立する作品だと思います。この世界観を鳥居さんが執筆されてる様子を想像すると感情に響く感じがします。唯一の不満は赤背景に小さな黒字で書かれているページが見にくすぎて、ちゃんと読めなかった所でしょうか。

  • ハードカバーで小さめで
    黒だったり赤だったり挿絵だったり
    とても素敵でした。

    ただ、僕には教養が足りず
    ほとんど意味のわからない。
    頭の中をただ見ている感じでした。
    連想言葉の連続?って感じで
    テンポがとても早くついていけない。。。

  • 購入時に読んで以来の再読。およそ12年振り。
    内容のほとんどは忘れてしまっていたけれど、冒頭の線路への置き石の代わりに置きグミ、グミを置くという一節だけは、なぜか覚えていた。
    香りだけが残るんですよ。

  • 鳥居みゆきさんのウィキペディアを見て小説を書いていると知ったので読んでみました。妄想日記とか、どうやって思いつくのだろうと思うのですが、ネタ動画を見ていてもちゃんと見るとしっかり構成されていることがわかるので、もう一度しっかり読んでみたいと思いました。より深く理解できるかもしれません。

  • 一日がずっと夜だったらいいのに。
    そしたらずっと真っ暗。
    でも夜にはずっとずっと深い夜をください。
    (P.26)

  • 図書館

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著者プロフィール

1981年生まれ。秋田県生まれ、埼玉育ち。
BSフジ「東北魂TV」などのバラエティ番組やライブで活躍するほか、
TV東京系「アイドル×戦士ミラクルちゅーんず!」「Vivienne武装JET」「全員死刑」などドラマ・映画にも多数出演。
著書には「夜にはずっと深い夜を」「余った傘はありません」がある。
歯科助手の経験も。

「2017年 『やねの上の乳歯ちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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