フリーター、家を買う。

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 8256
感想 : 1314
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017221

作品紹介・あらすじ

「母さん死ぬな-」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。

感想・レビュー・書評

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  • 面白くてあっという間に読めました。

    25歳、フリーター、ダメ人間。ホントにダメ人間。
    そんな主人公と壊れかかったその家族の再生物語

    ホントは真面目で良いヤツじゃん。心温まる話

  • 宗教みたいなモーレツ社風に馴染めず、新卒で入った会社を3ヶ月で辞めた誠治。

    その堪え性のない性格を見抜かれて再就職もうまくいかない。
    次第に最初の焦燥感も薄れ、バイトも転々と変え、気楽なフリーター生活へと墜ちる一方・・・

    そんな誠治が母の重篤なうつ病を機に、家族のあり方や仕事について真剣に考えるよう変わっていく。

    これ、ドラマが放送されたときは全然観ていなくて何で家を買うの?と思ってたけど、母のうつ病の原因が町内村八分(イジメ)だったからなのか。
    唯一の理解者だった亜矢子が嫁いでから、家の男たちは夫も子も揃って鈍感で関心も薄く・・・しかも息子はフリーター。。。
    そんな中で追い詰められていった寿美子。

    後ろめたさや小さなプライドから妻の異変を認めず、なかなか病院にも連れて行かず、薬の指示すら手抜きする誠一。
    事の深刻さを理解しようともせず、逆ギレする誠一に失望する姉弟。
    あぁこの家族は崩壊寸前だ、読むの辛すぎる!と思ったけれど、さすが有川さん。ダメ親父ではあるけど、、誠一を見切らないで良かった!!

    後半の恋愛要素は不要だった気もするのですが、もしかしたら続編を視野に入れての展開かな?

  • 今更なんて、ないんだなぁ。

    プライドだけ高くて、中途半端で適当で。
    ちょっとバイトして、文句だけは一人前で、親のすねかじって。
    ダメフリーターだった誠治。
    そんなとき、母が重度の精神病になる。
    母の変化にも気付けなかった。
    誠治が一念発起して、それから。

    ばらばらだった家族がだんだんまとまって。
    バイトを続けて、正社員になって、がむしゃらに頑張って。
    若者の成長がまぶしいわー。

    「君の名残を」は長編すぎて、3日間かけてぐずぐずと読んでたけど、
    これは2時間であっという間に読めた。
    私はやっぱ、こういう読書のが合ってるな~なんて思った(笑)
    最初暗い空気で始まるけど、前向きで読後感爽やか。
    お父さんの就活指導がなかなかためになる。
    そして、読みながら、なんかじんわりときた。
    お母さんに、ありがとう、といいたくなった。

    ちなみに、タイトルはちょっと誤導ですよね(笑)
    (307頁)

  • 家族の絆やダメ男くんの成長がテーマですが、根底は、人間、諦めさえしなければ、どっからでも間に合うし、どうとでもやり直しが効くんだってことだと思います。
    勇気を貰える作品だと思います。
    有川作品にしては、ラブ要素控えめですが、そっちは今後(きっとあると信じて)に期待してます。
    ドラマもとても素敵でしたが、原作とはキャラクターの設定とか、少し違ってましたね。

  • 就職先を3ヵ月で辞めて以来、自堕落気儘に親の脛を齧って暮らす“甘ったれ"25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。本当にやりたい仕事って?自問しながら主人公が成長する過程と、壊れかけた家族の再生を描く、愛と勇気と希望が結晶となったベストセラー長編小説。
    Amazon より

    こんな重い話とは思っていなかった.できすぎ感は否めないが、そこは小説.家族のあり方を考えるきっかけになる小説.

  • 弱い自分と向き合うこと
    それはとても大変で逃げ出したくなることだけどそうすることでちょっとだけ強くなって先へ進めるようになれたり、他人の弱さにも気付けて優しくなれたりする
    とても辛く悲しい出来事がきっかけではあっても『間に合った』主人公に対して自分は?とも思うんだけど…思うは思うんだけど
    逃げちゃうな〜

  • 有川浩の作品を読むのは初めてである。
    ありかわ ひろと読み、女性だったのですね。

  • 面白すぎるー!

    怠惰な無気力ニートに近い25歳が、母の病気を期に成長していく!というストーリー。
    自分と重なり合う部分も多くて、情けなさも感じるけど。
    鬱病と向き合うことは本当に根気が必要。わかる。
    人との温かさ、存分に感じ取れる作品です。

  • ドラマを見ていなかったので先入観なく読めた。
    就職しても3ヶ月で辞めてしまうような誠治が母の鬱病をきっかけに、心を入れ替え成長していく姿に共感。
    バラバラだった家族が少しづつ繋がっていくのをみると やっぱり家族っていいなぁと思える。誠治ってよくできた息子だな~

    • まろんさん
      はじめまして。フォローしていただいてありがとうございます!まろんです。

      本棚を見せていただいたら、好きな作家さんがほとんど一緒で
      うれしく...
      はじめまして。フォローしていただいてありがとうございます!まろんです。

      本棚を見せていただいたら、好きな作家さんがほとんど一緒で
      うれしくて35件のレビューを、一気読みしてしまいました(*^_^*)

      この本は、絵に描いたようなダメダメくんだった
      誠治の
      成長ぶりがうれしい作品でしたね!
      後に新入社員の採用を任される誠治が
      過去の「ダメだった自分」を基準に選考を重ねるところでは
      うんうん!ほんとに成長したねぇ!
      と、完全に親戚のおばちゃん目線で感動してました。

      私は、張り切って読み聞かせに熱をいれすぎて
      娘を読書嫌いにしてしまいましたが、
      nobo0803さんのお子さんは、お母さんと本の感想を和やかに話し合うような
      素敵なお子さんに育ってられて、うらやましいです!

      本棚もレビューも楽しみにしていますので、今後ともよろしくお願いします♪
      2012/06/01
  • 有川作品の中で、今のところベスト。
    恋愛要素が薄く、その分家族・現代社会の問題・そして人間の内面に、より深く切り込めたところが大きかった。なので、個人の趣向の結果ともいえるが、人間くささがとても良く、間違いなく評価されるべき作品。

    また、最後に後日談(書き下ろし)がある。有川さんのファンとしては、お馴染みの書き下ろし、これがなかったらちょっと物足りなかったところだけれど、あったので嬉しい。本書は単行本なので、連載中の読者以外は皆読める。だから、不満は全くないということになりますね。恋愛要素の薄い本作でも、後日談はお馴染みの糖度、しかも「傍観者」として主人公以外の視点であり、またその人物なりの反省なりがあるので、有川特有のベタ甘に耐性が無い人でも楽しめる、または楽しみを見出せるオマケだと思います。(ベタ甘というほどでもないですしね、今回は)。

    で、誠(父)の、最低→人間くさい、という主人公の成長などによる変わりようがすごく面白かったです。読書最中のメモから引用しますが、拙い言葉ではありますが、
     ――罪というか、誰にでも欠点はあるけれど、そういうことは全ての人が日々を過ごす(雑事をこなす、人間は生活しなければならないので)そのうえで許される、忘れられるものではあるのだと思った。腹が立ったら、切ればいい、などと簡単には割り切れない、人間関係は続けなければいけないのだし。
     ――しかし、罪は罪で、人にはどうしても許せない、譲れない、ということもある。(母を放置した父を許さない、とか、最低ないじめをしたご近所さんを許さないとか)それを根にもつ、こだわってしまうのは、度が過ぎなければ仕方がない、人間らしくてむしろ良い。

    私は小学時代イジメを受けたので、ご近所さんの行為・言葉はリアルでしたねえ。幸い家族などのお陰で救われましたけど、もしもこんなに理解のない父だったらどうだったんだろう、と想像すると恐ろしくてほんとこの父ちゃん最低だな、と思って、でも有川特有のユーモアで、読むのが辛いほどではなかったので、それも評価のうちの一つに入れましょうか。

    人間は何度でもやり直せるとか、私コミニケーションも苦手なんですが、懸命にやればきっと認めてくれる人がいるんだろうなぁとか(履歴書のくだりで強く)、あと上の後日談で思ったのは、武と真奈美はお互いに尊敬し合っていて、考えてみると有川女史の書く恋愛中の男女、もしくは友人同士って互いに尊敬し合ってるので、そういう関係を築けるよう、私も努力しなくちゃなということで、タイトルに期待したとおりこの本は、元気をもらえる・やる気が出る本ということになります。人との出会いのように、当たり外れもある「本」というツールですが、この本には本当に出会えてよかったと感じます。
    長文ご高覧いただき有難うございました。

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著者プロフィール

有川浩(ありかわ・ひろ)
高知県生まれ。二〇〇四年『塩の街』で電撃小説大賞大賞を受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊三部作」、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』など著書多数。

「2017年 『ニャンニャンにゃんそろじー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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