フリーター、家を買う。

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 7717
レビュー : 1284
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017221

感想・レビュー・書評

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  • 「フリーターの人にはあまり触れないようにしよう」という世間の暗黙の了解に反し、むしろ真剣にフリーターに関わっていこうとした作品で好感が持てた。フリーターの誠治を取り巻く家族の描写や本人の感情の表し方がとてもリアリティがあった。フリーターは目を背けられない問題だし、誰もがなる可能性がある世の中だからこそこの作品の存在意義は大きい。

  • 「奮起する」や「就職する」を章に分けた上で「家を買う」という当初の目標や意義が失われず貫き通されたことが爽快で、好印象だった。病気、人格、環境のどうしても変わることの出来ない限界性の中でさてどう歩を進めていくかといった具体的なプロセスの透明性が輝く。それは主人公の武誠治をはじめとしたバックグラウンドを抱えた人物達の記録でもあり、土木・建築・医療といった法人格や、原付で移動できる範囲のひとつの町から成る共同体などバックグラウンドそれ自体の在り方や性質を問い問われる物語との有機的な接続をもたらしてくれる。

    救いがあるかのどうか、と二元論的にジャッジを図ることは却って日常に潜む美麗とはいえないまでも様々の彩りを見えなくさせてしまう。理詰めであれこれと難癖を付けられる読者の立場を、物語の中の懊悩たちは何度も奪い、何度も考えさせてくれた。あの悩み、いま家のどの辺に仕舞われて私のことを待ち侘び鳴き声をあげているのだろう。

  • 有川浩の読書が続いたが、これは母親の家に寄った際に読み終えておもしろかったからということでもらって読んだもの。
    とんでもなく暗い過酷なシチュエーションで始まり、それに対処しなければならない主人公がどうしようもない性格で、読んでいてはらはらさせられたが、その主人公がたくましく成長していくという物語としての「王道」。
    有川浩の他の本同様、キャラクタがどれも非常に個性的でおもしろい。一番個性に欠けるのが主人公とも言えるかも。
    読後感も非常に良くて、実に楽しめるエンターテイメントでありながら、就活の実情だとか土木関係の仕事の仕組みだとかの社会的な知識も得られる美味しい本。

  • ドラマでみたこの話が小説だと知らず、今更読みました。
    誠治の心の変化の細かな所や、誠一の虚勢を張ってる所が特によく表現されていて良かったです。
    亜矢子がキツくかつ正しく強い様にも惹かれました。

  • ドラマを見てたこともあり、さらっと読めました。内容が、うつ病、パラサイト、家族、親子とすごく考えさせられる一冊です。父の誠一と分かり合える瞬間がとてもリアルに描かれていて、感動しました。
    かなり斜め読みしましたが、おすすめの一冊です。

  • ドラマ観てなかったので、出発点かと思って読み始めたらよもや到達点だったとは。一人のやる気のない青年の成長っぷりが楽しいです。というかおっさん方が素敵すぎ。重いテーマを含みながらも不快感を持たせず、イラっと思う端からスキっとさせてくれる内容に、思わず引き込まれてました。読後の爽快感が素敵な一冊です。

  • いい人間しか出てこない世界
    有川浩はいつもそうだけど
    水戸黄門的安心感はやはりある
    正義は必ず勝つのです

    精神の病気や就職問題を軸にした家族のお話
    もっと荒んだ雰囲気があったらいいなとオモウ
    でもやっぱり有川浩だし
    このくらいライトにくるだろうなと思ってもいた
    ライトに扱われるのがいやな人は読まないほうがいいと思う
    しかし有川浩だし

    有川浩というブランドが確立していて
    それはすばらしいとオモウ
    情景を簡単に思い起こさせる文章力はとても高い

    この作家にしてはいまいちだったけど
    抜群の安定感で星は3つ

  • ドラマは観たことあったけど、原作の方が良かった。ストレス感じずさくさく読めてスッキリしてほっこりする。でも最後の恋愛要素は個人的に無かった方が良かったな。お母さんの笑顔で終わって欲しかった。

  • こういう主人公の話って
    今まで読んだ事なかったかも。

    面白くて
    一気読みでした。

    人間。
    何がきっかけで変わるか。
    変われるのか。


    大事だなぁ。

  • 作者繋がりで読んでみました。
    私はドラマの方を先に見ていましたが、少しかじっただけにも関わらずドラマと原作が違う、というより別物になってることにビックリしました。
    最初は小説内の人物もドラマの俳優さんたちのシーンが思い浮かんでいて煩わしい状態でしたが、ページを進める毎に徐々に小説内の「誠治」や「寿美子」として頭に浮かび始めました。
    最初の誠治のダメっぷりは私も痛感してしまうくらいでしたが、そこからの伸びっぷりは私の理想でもありました。よく言う「明日から本気出す」の「明日」を「今日」に変えて頑張ったのがこの主人公なんだろうなあって。例えば誠一とかの他の登場人物とかもそうなんですけどね。
    後半からの誠治の真面目っぷりは、最初のダメっぷりに共感していた人間を振り落としそうにもなりますが、逆に自分たちも本気を出したら誠治みたいになれる、という自信がつくのではないでしょうか(もちろん自分が本当に頑張らなければいけませんが)。そうすればきっと、誠治とその家族と共に綺麗にラストを迎えられると思います。

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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