フリーター、家を買う。

著者 :
  • 幻冬舎
4.00
  • (964)
  • (1526)
  • (772)
  • (77)
  • (13)
本棚登録 : 7717
レビュー : 1285
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017221

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ココロの病。そういうテーマの本って、それこそ腐るほどあるんだけど、こういう「明るい中に暗い」のも、面白いな、という率直な感想。

    自分はその病気と長く関わってきて、考え始めると大江健三郎とか、吉本隆昭とか、哲学書に手を出してしまったりする。つまり、「暗い中に一筋の光」みたいな。

    でも、結構行くところまで行ってしまった「そういう病気」の解決策って、そんなドロドロした内面性なんかじゃなく、生きろ!薬飲め!って素直にしかってくれる人に恵まれることだったりする。実際、そういう病院の医者も関係者もそうだ。体育会系な、さわやかで、理系で実際的。
    そういうことを知ってかしらずか、健気な看病の様子が描かれていて、読後感が何ともさわやかでいい。
    「重篤な状態」である寿美子がしっかり家事もできてしまうところがちょっと疑問だが。まあ、いいとする。
    そして第二のテーマ。フレッシュマンとしての仕事術。
    これも、下手な就活本より分かりやすく面白いんじゃないか、というのが私感。

    読んでいてわくわく、読後はスポーツドリンクを飲んだ後のようだ。早期離職率がめちゃくちゃ高い、等身大の若者の気持ちを知るためにも有効な一冊。

    こういう「どぽっぷ」なものって、「軽すぎる」という批判が少なからずあるけど、軽いのが嫌いなら選ぶなよ、と思う。装丁も流通量もTV化の事実も物語ってるんだから。そういう人は文句を言わず哲学書でも読んでください。そういう本は装丁がたいてい抽象画めいていたりします。

  • 家族の崩壊と再生を描いた作品でいろいろ考えてさせられた。「間に合う」という事が大切と実感…社会、家族、健康など崩壊しつつある中で間に合えばいいんだけど。先週読んだ「青い鳥」の吃音の教師も「間に合って良かった」と言ってた。そして「そばにいてくれる誰か」がいる事!僕は間に合うのだろうか…

  • 単なるフリーター青年の一念発起ものだったら、ありきたりな感じの作品になってしまいそうなのだが、母親がうつ病になった設定を加える事で話に重みを加えてると思う。

    メインはフリーター青年の奮闘なんだけど、母親のうつ病をきっかけに再びつながる家族の絆の方が重要な要素になっている気がする。それはそれで訴えるものが十分にあるんだけど、それならタイトルはもっと違うものでもいいかなって思う。

    一番最後の主人公と後輩2人との間の微妙な関係を描いたストーリーは口直しのデザートみたいな感じだと思う。何も進まないように見えるんだけど本当は進めたい、そんなじれったいけど見守ってあげたいってとこなのかな。

    タイトルとしては??だけど、内容はまずまずといった感じだと思う。

  • 主人公の誠治がほんとダメ男で、前半が辛く苦しい分後半の成長していく姿を見るのが気持ち良かった。
    誠一にはイライラさせられっぱなし。
    でもこういう人いるよなぁ。
    チャンスはどこに転がってるかわからないと思わせてくれる一冊。
    就活中の人にぜひ読んでもらいたい。

  • 若者の単なる独り立ちの話かと思ったが、家族との関係が鮮明に描写されていた。父親の人間臭さが妙に気に入った。母親の状態を受容して行く主人公の心の過程が、もう少し丁寧に描かれていたらと思う。巻末の番外編にはやられた。有川作品は脇役の方が魅力的に見えてしまうのは何故だろう。

  • まさか、タイトルからあの内容になるとは想像つきませんでした。

    元々はとある都内OL向けなサイトで連載されていたものを書籍化したとのこと。
    にしては、OLさんなんて出てこないし、オシャレな話これっぽっちもないし。
    あとがきにも書かれてましたが、原稿依頼のオーダーから考えると、どうしてこういう内容になったんだと苦笑いです。

    でも、今の私にとってはこの本がこういう内容で良かったです。
    読み終えたら、自然と涙が出てきました。
    今の私が置かれてる状況とシンクロできる部分が多く、「あー、こんな私でも救われる日がいつかは来ると信じることができるのか」と思わせてくれたから。

    人間、楽な方にダメな方に転がるのは簡単です。
    そこで、自分を可哀想がったり、同じような人とキズナという幻想の傷をなめあったりするのも、その方が楽だから。
    けど、それで本当にいいのか?と、考えさせてくれるチャンスをくれました。

    誰が言ったか忘れましたが、「自分が必要としてるときにはそれにふさわしい本が手元にくるものだ」と。
    この本は私にとってはまさにそのとおりでした。

    そして、有川作品には欠かせない要素の恋愛話もきちんと織り込み済みで大満足です。
    トキメキはいくつになっても女には必要なのですから。

  • ねーさんも千葉さんも男前すぎて、惚れます.
    二人とも男性陣ほっぽりだして意気投合しそう.
    仕事の話っておもしろいけど、仕事面では悪人がまったく出てこないなぁ. 近所の悪魔のおばはんがいるからだろうけど.
    それで★一個減. 仕事でも「こいつはー」ってやつ居るモンね.

  • 有川さんの小説は好きなんだけど、かなりの違和感を持った。

    前半と後半で主人公が別人になった印象。
    魅かれている風でもない後輩のなだめ方はこれでいいのか?
    しかも フリーター、家を買ってないですよね?

  • お姉さんがカッコイイ!!

  • 過去作品より恋愛要素が少ない感じです。
    読みながら、前半は出だしから引きつけられるつくりで、いい意味で今までの作品とは違う感じです。
    ただ、後半ちょっと勢いが無くなります。

    一番引っかかったのは有川浩さん得意の恋愛要素が上手くかかれていないこと。
    恋愛関係の人物の描写が足りない感じがします。
    共感できなくてなんだか気持ち悪い。
    展開に気持ちがついていけない部分があり、すごく残念でした。

    ならいっそ話の恋愛部分がはじめから全部なかった方がよかったです。

全1285件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

フリーター、家を買う。のその他の作品

有川浩の作品

ツイートする