13歳の進路

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018037

作品紹介・あらすじ

高校、大学、高専、大検、通信教育、奨学金、専門学校、職業訓練など。村上龍があなたに送る、夢と勇気の進路ガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/737511

  • 『13歳のハローワーク』という本とセットで買いました。“ハローワーク”は世の中にどんな仕事があるのかを紹介するいわば職業図鑑。職業が教科別に配置されており、教科についての興味から職業を引くという謂わば職業事典とでもいった風采でした。

    ・・・
    一方、本作『13歳の進路』は一般的ではないかもしれないけど役に立つ道筋、の紹介とでも言ったものといえるかと思います。

    前提にあるのは、多くの子供たちが一般的的な中学卒業後、普通科の高校へ進学、そして大学へ進み、就活を経て就職というものです。ただしこのマジョリティたちは、一部のトップティアのタレント以外は差別化が難しく、レッドオーシャンでの厳しい戦いを強いられるという見込みがありそうです。故に、世の中がかつてなく厳しい状況(非正規ばかりであったり、私のように全く出世しないとか泣)であることを認識し、(風見鶏のごとく)時流の有利不利を選ぶのではなく、自分にあう「生き延びる」方法を模索してほしいということのようです。

    もっと簡単に言うと、一般的でなくてもしっかり生きていけるし生きていってほしい、ゆえにこれを参考にでもして、と言っているように感じました。

    そういうわけでか、高校、高専、フリースクール、大検、大学、職業能力開発校、奨学金、自衛隊等々の説明が縷々され、その活動内容や得られる資格等がまとめられております。高校の紹介もありますが、普通科はほんのわずかで、農業科、水産科、商業科、工業科、福祉科、看護科とか所謂実学の紹介に力が入っている印象です。

    職業能力開発校、私は全然知らなかったです。公立高校と同等以下の学費で自動車整備やエンジニアリング等が学べるらしい。こういう進路は確かにもっと知られてもよいと思います。

    ・・・
    それから、営業・販売がどういう仕事か、というエッセイ集が巻末にまとまっていました。なかなか面白い。全16社のトップが自社や自分の営業について語っています。営業・販売というのは営利活動で必要不可欠の機能ですし、多くの人が望む望まない?にもかかわらずつく可能性が高い職種です。きっとこの特集は、若者が世を「生き抜く」ための村上氏一流の老婆心の発露であるととらえました。

    印象的なのはティア(葬儀屋)の富安氏のパート。営業・販売でもっとも大事なことは「その扱っている商品(サービス)にほれ込むことです。」 まあ確かにそうだよなあ。ただ、現実にほれ込むほどの商品やサービスに出会うことは稀であったり、人事や経理などの本部業務を希望したら、営業配属・ガーン、みたいなこともあるので難しいところだなあ、と感じました。喧嘩を売りたいわけではないのですが、正論過ぎて参考にならないかもしれない泣。

    ・・・
    でも、読んでいてじわじわ感じてくるのは、やっぱり中高生はそんなに進路を簡単に決められないし、親としても決めさせ難いなあ、という思いです。

    私もキャリアについては真摯に何十年も悩んできました。今もよく分かりません。ましてや子供という他人を前に、その将来を固定的に追い込んでしまうとしたら恐怖感しか感じません。

    むしろですよ、キャリアの入り口だけでなく、その展開や(今はやりの)リスキリングなどについてもモデルケースを展示した方が、若者の将来展望の一助になるのでは、と感じました。いくつかのモデルケースを示すことで、読者は着せ替え人形のようにキャリアの組み立てみたいなものを頭でシミュレーションできるかもしれないと思いました。

    かくいう私も哲学科→証券システムSE→証券会社営業→海外で銀行勤務、と微妙なキャリアですが何とか生きてきました。歩みの過程で得たシステム開発スキル(コーディング)や金融会計知識は今でも役に立っています。ま、キャリア双六的には成功しませんでしたが、楽しい人生は送れています。

    ・・・
    ということで、謂わば進路に関するオルタナティブの紹介とでも言った作品でした。

    本来は、中高生の子どもたちに自分たちにの進路についてより具体性を持たせようという思いで購入したのですが、読んでいるうちそういう気持ちはなえてきました。

    あと、オルタナティブ進路という観点から言えば、海外青年協力隊、ワーキングホリデーなどが取り上げられてもよかったように思います。

    悩める中高生やその親は、得るものがあると思います。読んで余計にわからなくなる場合もあるかもしれませんが笑

  • 平成30年8月の特集「進路を考える」

  • <閲覧スタッフより>
    ミリオンセラーとなった『13歳のハローワーク』の続編です。今回は子どもたちの進路ガイドとなっております。また、特別編では「営業・販売とはどういう仕事か」というキーワードで企業人の特別エッセイが収録されています。中学生から大学生まで必読の書です!

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    所在記号:366.29||ムラ
    資料番号:20095543
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  • 進路を決めるためにはとても役に立つ本だと思う。

    いまどき、何も考えずに進学してしまうケースは少なくないと思う。
    (実際私はそうだった。)
    この本を読んだら高校は義務教育でないことや、
    全日制高校以外に何があるのか、
    そもそも自分は何になりたいのか。
    そんなことを考えるきっかけに為り得る本だと思う。

    もっと早くにこの本と出会っていれば、という思いと、
    中学卒業後の進路を今でさえ何も知らなかった自分を見つめ直すことが出来た。

    今からでも、ぜひ、18歳以下の子供は読んでみて損はないと思う。

  • 進路とか、夢とか、漠然なら分かるけど、意外に詳しいことを知らなかったり、わからなくても聞けなかったりする。
    かっこ悪いし、なんか恥ずかしいって思いがち。とくに13歳っていう年頃はさ。
    すべての進路に悩んでる人に、13歳のハローワークとた ともにおすすめしたいです。
    きっと道がひらける。それもひとつだけではなく、あれもこれもやってみたいって思えるのでは、

  • カンブリア宮殿でやたらと13歳のハローワークが話題に登るので、ついでに読んでみた。
    内容はさておき、巻末に営業の仕事について色々な人が寄稿していた。
    村上龍がインタビューすればもっと面白い内容になっただろうに、紙面の都合上短い文章を依頼されたのか。
    とにかくつまらなかった。
    もっと面白い人生観や職業観をいくらでも書けるだろうに、その辺は物書きとの差なのかと思われた。
    そんな一冊。

  • じっくり、読んでみます。

  • ふーむ
    日本なやさしいと思うよ
    ある程度

  • 100418 by 朝日 with 『…ハローワーク』
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    125,128,
    137,140,144,149,153,163,167,171,175,

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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