反アート入門

著者 :
  • 幻冬舎
4.13
  • (45)
  • (55)
  • (22)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 572
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018099

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 難しい。メモを取りながら読むとそれなりに理解できる。

  • ミニマルアートや現代アートの壁を知ることができて満足しました。非常に面白かった。

  • good jobとしかいいようがない。

  • 思ったこと。
    ・近代化っていう言い方があるけれど、それはそもそも、「欧米の近代化」だ。日本は近代化したわけではなく、それまで中国などの文化を輸入していたように、「近代化した欧米文化」を輸入した。近代化というものを考えたら、そもそもそれは欧米文化の背景のもとにあるものなので、近代化を研ぎ澄ませていっても、地元には勝てない。
    しかし、その近代化が生活に大きく染み付いているのも事実。そういう認識をした。

    ・アートであろうがなかろうが、アートと言われるようなものに惹かれた吸引力に習って、楽しめばいい。

    ・だからこそ、歴史を知るのは面白い。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00167961

  • 「アートってなんだろう」と思って読む本。絵とか彫刻とかのアートね。

    たまに美術館に行ってみるのを楽しみにしてる俺は、まさに「アートってなんだろう」と考えるのにいい距離だったのだろう。美術史の勉強をしたこともなければ、美術の本を購読してる訳でもない。そこまでするほどではないが、それでもアートってなんだろうという疑問は持つ。美術史を学びたいのではなく、アートって何か知りたいという純粋な疑問に全力で応えてくれようとした本って感じだ。

    正直そこまで「アートってなんだろう」という疑問に応えてほしいと思ってそういう本を捜し求めてたわけではないが、表紙の絵と、「反」で始まり「入門」終わるタイトルに惹かれて買った。


    アートを理解するには、先人の通った道をもう一度なぞって、今のアートを理解して、その先どうなるのかを考えられるようになることだと思う。でも、美術館で作品を見てると、ピンと来ないものはピンと来ないのに、ある作品にだけ妙に気になるということが何度かあった。そうなるとその作者のことを知りたくなり、その作者の他の作品も見てみたくなる。他の作品を見てもすべてが気になるわけでもないということも知った。アートは歴史を知るとより楽しめるのかもしれないが、本質的にそういうものではない気がしてた。また、作者を知らないとアートを楽しめない訳がないとも思ってた。

    そういう俺の「なんとなく」を踏まえて、アートを語ってくれる本だったので、だいぶありがたかった。


    本書は「入門」と銘打ってるが、一般的な美術の入門書のように歴史を語るのではなく、アートの本質への「入門」というべき内容になっている。「反」としてあるのは、現在のアートに疑問を投げかけて、こうあるものではと語りかける内容になっているためだ。

    美術館に行くようになって、アート関連のマンガも読むようになって知ったことだが、昔は宗教画だけがアートだったという史実だ。この感覚は俺にはさっぱり理解できなかった。本書では、その史実をスタートとして、現在のアートの姿と移り変わりを示した後、後半から本題に入っていく。アートとは何かを語り、その本質がなんなのかを深く突っ込んでいき、最後は精神的な話にまで入っていく。そこまでやるかというくらい、アートを知らない人のためにアートとは何か知らせようとしてる。本来入門書とはこうあるべきだろという内容だ。

    だいぶディープに説明してもらったので、アートとはどんな感じのものなのか雰囲気はつかめた気がする。しかしこの内容は、ちょっとディープ過ぎるよなw多分軽い気持ちで読み始めると、ショックだろうな。本当に「アートってなんなの?」って疑問を持ってないと読めないだろうなw美術史を知りたければその辺の本を読めばいいと言わんばかりw

  • 芸術関連の本をしっかり読んだのは、これが始めてのような気がする。高校の終わりくらいから、近代と呼ばれる時代に関心を持ち始めて、今までいくつかの衝撃的な本にも出会ったけれど、こちらもその一つとなった。同時に、今まで芸術について関心を払って来なかった自分の視野の狭さを思い知らされた。

    人間から芸術を抜き出せばそれは動物となり、芸術から人間を取り去った時に残るのは機械にすぎません。(p.297)

    アートというものは、突き詰めて考えると、ひとりひとりの人間が、いまここに存在しているという驚きそのものなのです。(p.303)

  • 岡本太郎の本を読んでればこんな本はいらない。

  • 神が死んだ後のアート

    ミニマルアート

    ドナルド・ジャッド
    ロバート・ラウシェンバーグ

    表面と枠
    ジャスパー・ジョーンズ
    フランク・ステラ ブラックペインティング

    郊外 サイト、エントロピー
    ロバート・スミッソン

    アンディ・ウォーホール
    人格と作品の逆転

    第二次世界大戦→バウハウス×表現→アメリカ 抽象表現主義

    YBA

    西海岸アート
    チャールズ・マンソン 呪術的
    マイク・ケリー、ポール・マッカーシー、クリス・バーデン、ジム・シャウ(スリフト・ストア・ペインティング)

    もの派 端的にそこに物があり、それ以上でもそれ以下でもない

    フォーマリズムという批評

    民藝 柳宗悦 直観を重視せよ
    工(創作)よりも趣(体験) 水墨画 禅の世界

  • この本を読んだきっかけは忘れましたが、大きな衝撃を受けた一冊です。

    序盤は今までのアートの流れに触れ、後半で椹木さんの主張が述べられています。
    アートの流れをほとんど分かっていなかった私にちょっとだけその世界をのぞくきっかけを与えてくれました。

    印象的だったのはお金とアートの近接性を述べた部分です。
    赤瀬川原平の偽札などの事例をあげながら述べており、新しい見方をえることができたと思います。

    また、終盤のアートの未来に対する希望を述べた部分でハイデガーが紹介されていたことがきっかけでハイデガーについてちょっと勉強しました。
    しかし、ハイデガー関連の本を何冊か読みましたが、なんとなくは理解できたものの人に説明するほどまではいかず。。。
    しかしこれが特定の哲学者について詳しく知ってみようとする初めての経験だったので、良い勉強になりました。


    アートって超面白いかも!!と衝撃を受けた一冊として、印象に残っている本です。

全37件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

椹木 野衣(さわらぎ・のい):1962年生まれ。美術評論家、多摩美術大学美術学部教授。芸術人類学研究所所員。美術評論家連盟会員(常任委員長)。

「2024年 『洲之内徹ベスト・エッセイ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椹木野衣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×