心の野球: 超効率的努力のススメ

著者 :
  • 幻冬舎
4.05
  • (82)
  • (68)
  • (50)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 618
感想 : 96
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018242

作品紹介・あらすじ

がむしゃらな努力は無駄だ。一心不乱に根性だけで練習に没頭したことは一度もなかった。やるべきことを精査し効率性を重視しながら、練習を積み重ねていた-。日々、闘う全ての男たちに捧ぐ、努力の天才が辿りついた「成長の法則」。そして、はじめて言及する盟友・清原和博との関係と、引退の真相。小さな大エースの全思考全感覚を凝縮。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 元巨人のエース、桑田さんの著書です。僕が野球をしていた時代は、桑田と清原、KKコンビの時代でした。桑田さんの芸術的な投球フォーム。体全体を使ったプレイスタイルは、いつも参考にしていました。その桑田さんが、どういう思いで野球に取り組んでいたのかが分かり感無量です。

    素晴らしい指導者、同じ野球選手で素晴らしい仲間達、そして家族。たくさんの人達の支えがあって、ここまでやって来れた感謝がたくさん記されています。それらどのエピソードも読んでいても、胸が熱くなるようなエピソードばかり。たくさんの人たちが桑田さんを成長させていくのが分りました。

    そして、常に感謝の気持ちを持ち、投げる玉すべてにありがとうの気持ちを込めていたこと。野球選手としてだけでなく、1人の人間として、1人の男として、どうあるべきなのかを常に問いかけ、生き方をとても大事にしていたこと。結果やお金等、目に見えるものだけでなく、気持ちや思いを大切にし、胸を張れるぐらい努力を積み重ね、この世に生かされていることに感謝し、精一杯生きることが人間の本来の姿であり、その姿勢で望むことが「心の野球」です。

    不自由なく当たり前のように毎日を過ごしてしまっていることが、世界をおかしくしているのでしょう。常に感謝の気持ちを持ち、ありがとうの気持ちで生きることが、自分を幸せにしてくれます。そんな人が増えることが、この日本を良くしてくんだと確信しました。

    第18章に書いてある、「僕がいつか監督を務めることになったら、この心の野球を実践していきたい」これが実現しなければいけない時が、日本の野球界にきているように思います。野球の神様が桑田さんに微笑み、その日がくるのを楽しみに待ちたいと思います。

  • 最近は野球の試合を観戦しませんが、数十年程前はテレビでずっと見ていました。高校野球で印象に残っているのは1年生で夏の高校野球を全国制覇した桑田と清原です。彼等も昨年(2012)プロ野球から引退したようで、一つの時代が終わった感があります。

    この本はその桑田氏によって書かれた本で、話題になったこともあり気になっていたのですが、図書館の返却棚にあったので目についたので借りて読むことにしました。

    最近、大阪桜ノ宮高校のスポーツ部において体罰を苦にした自殺事件があり、今年(2013)の体育科の入試を中止する等、社会問題となっています。桑田氏はこの本の中で「(私も経験しましたが)昔スポーツ部で流行していた厳しい訓練はあまり意味がない」ということを、高校時代から自ら訴えてきた体験も踏まえて、強調されています。

    初めて知りましたが、桑田氏は大リーグで挑戦した後にプロ野球選手をやめた後に、大学院(それも私の後輩になる早稲田)に進学して勉強しているのですね。在学中には準硬式野球のOB戦で「4番ピッチャー」として出たこともあったようで、その活躍は見てみたいものでした。

    彼は最近、東大の野球部の特別コーチに就任したそうです、彼の論文の成果を活かして、東大が更新中の30年連続の最下位を脱出して、新しい野球道を全国に示してほしいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・プロ野球選手になっても無茶な努力(1000本ノック、素振り、300球を3日連続投げる等)はしなかった、そのかわり23年間、毎日毎日、1日10-15分の小さな努力を続けてきた(p6)

    ・一番大事なのは、超効率的に、そして超合理的に練習し、努力すること、無駄な努力をする必要は一切ないと実感している(p7)

    ・努力は、量ではなく質である、短時間で、効率的・合理的に積み重ねてこそ成果がある、そして「表の努力」と「裏の努力」を両立できてこそ、努力は報われる(p12)

    ・人の見えないところで善い行いをすることは、運とツキと縁を貯金してくれていると信じている(p24)

    ・勉強で大切なのは、100点をとることでなく、50点でもよいが、次に51点以上を目指すという姿勢である(p34)

    ・ボーイズリーグの子供たちには、「挨拶」「返事」「道具」の3つに関して厳しく指導している(p35)

    ・自分の希望が通らなくても、それはそれで神様が与えてくれた「試練」なんだと思う(p56)

    ・人生は自分の目で見て、触れて、体験し、自分なりに咀嚼すること(p64)

    ・怒った出来事は一つでも、考え方によってその同じ出来事がいろんな重さに変わる、だからこそ考え方というのは大切だし、ときには物事を冷静に見ることも大事(p72)

    ・何事も、バランスが大事、トレーニング・休養・栄養補給、野球・勉強・遊び、走攻守のバランス(p108)

    ・怒るのと、叱るは別物、強く意識して指導してほしい、叱ることは指導になるが、怒ることは感情に任せているに過ぎない(p111)

    ・「してあげた」とは決して思わないようにする、「させていただいた」と思う、そういう心を大事にして生きていきたい(p168)

    ・どんなものでは本物に触れる、経験する、自分の目で見ることで、自分の人生を豊かにしてくれる、それは必ず、野球にも影響してくると考える(p223)

    ・勝ったとしても、きちんとしたプロセスを経てなければ価値がない、たとえ負けたとしても大事なのは、そこからどうやって起き上がるか(p242)

    ・人間にとって最も大事なのは、お金や権力みたいなものではなくて、心なんだということを、野球によって導かれた(p277)

    2013年1月27日作成

  • 野球経験がなくても、すべてのスポーツそして生き方に共通する本。
    勝利至上主義のスポーツ界や儲け至上主義のビジネス界に異論を唱え、真の努力のありかたを痛感させられる。
    「努力は楽しくないといけない」まさに停滞しがちな今の時代の道しるべだ。

  • 平易な言葉で、人生において大事なことが書いてあります。

    桑田選手は、すごい選手とは思っていましたが、プロ入りするときも色々あって、その後もマスコミに騒がれたりして…というイメージをずっと持っていました。
    しかし、この本を読んで、人間としても一流の選手だったのだと思いました。

    実践できているかと言えばまだまだですが、私も生きていく心構えとしてこの本に書かれていることと同じことを目標にしていたので、すっと心に入りました。

    プロフェッショナルとして自分のできることをこつこつとやっていこう、
    頑張ろうと思わせてくれる本です。
    オススメです。

  • M本さんにお勧めいただいたこの本、読んでいます。
    実は私自身ある意味桑田真澄投手のファンでしたので大変に興味深く。
    桑田投手といっても私より下の世代はだんだんとその現役時代を知らなくなってきている訳ですが、この本、若い人たちにこそ読んで欲しいですね…

    一流とは「努力」を続けられる人のことであることがよく分かります。
    ただ、その「努力」とは単なるがむしゃらなものではなく、考えながら努力すべきであることが分かります。
    そして、技倆さえ磨けば良いというものではなく、もっと大切なことがあることが分かります。

    改めて桑田真澄さんの凄さを思い知らされました。
    当たり前ですが…

    「一流」とはこういう人を言うのだと思います…
    素晴らしい本です。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    読了。

    昨日、読み終えるのを待ちきれずに中途半端な感想を書いてしまいましたが、読み終えて改めて感じるのは、桑田真澄という投手、やはりただものではない。(^^

    現役時代から、いろいろと言われていた部分もある彼のある意味ファンでしたが、私がなぜ彼が好きなのか改めて分かった気がします。

    野次が嫌い。多勢でひとりをいじめるものだから

    技術だけではなく心や姿勢を大切にする

    精神論も大切。但し科学的な裏付けも大切。身体を壊してしまうようながむしゃらなしごきには徹底して反対

    人が見ているとか関係なく、自分が決めたことはこつこつと続ける努力を継続できる自分自身へのこだわり
    etc.

    徹底して、自分にも他人にもフェアなんですね、桑田真澄さんという人は。

    野球選手としては決して恵まれた身体ではないにも関わらず、いろいろ言われながらもジャイアンツの18番というエースナンバーを背負い、それに値する選手であろうと自分を決して甘やかすことのなかった(著書でも触れていますが、世間知らず過ぎて不動産で騙されて多額の借金を背負ったりされたりしたこともあった訳ですが)彼に心から敬意を表します。

    あ、清原選手への想いを綴られた部分は感涙ものです。清原君がいたから自分はここまで来れた、と…

  • 野球に興味はないけれど、タイトル名を見て思わず購入。
    とても真面目な方だったと知り、書かれていた事を心のメモった。何事にも、謙虚さ、心が大事だと、とても勉強になった。

  • 甲子園の季節だし、先週の出張の際、移動中にこちらを読んだ。
    一番好きな野球選手は野茂英雄。
    次は誰かなと考えると彼が浮かぶ。好き嫌いが分かれると思うけど、彼の野球に対する姿勢が好きです。
    私は実際に野球をしたことがないから、書いていることに対してそうだよねと力強く頷けないのがもどかしい。でも、努力の方向性に日々検討を重ねる様や信念を貫き通す様は納得できる。
    高校時代、ティーバッティングで投げる時にあまりに下手くそで、壁に向かって投げる練習をしていたけど全く上達しなかった。恐らく努力の仕方を間違えていた。部員に教えてもらうべきだった。

  • 桑田選手が恵まれたとしたらそこはやはりコツコツと工夫し続ける努力という才能かなと思ったり。元々気も強いんだろうけど、それをコントロールして夢の実現に使ったからこそあれだけの投手だったのかなと思う。学ぶ姿勢、やり抜いて形にする姿勢は素晴らしいと思いました。

  • 桑田による自己肯定本。
    やっぱり、何か好きになれない。

全96件中 1 - 10件を表示

桑田真澄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×