アダルト・エデュケーション

  • 幻冬舎 (2010年7月21日発売)
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本 ・本 (308ページ) / ISBN・EAN: 9784344018631

感想・レビュー・書評

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  • 女性目線の官能的な12編の短編集です。
    表紙がとても綺麗で手に取った感じがよかったので図書館で借りた一冊。正直、内容は性愛描写(でも、さすが女性作家、美しい表現に長けている)が多く生々しい女性の欲望や抑制された感情がどの主人公にもあって、同姓として共感というよりはドキドキざわざわの心境に陥ってしまった。女という生き物をある意味、野晒しにしたような作品集。濃厚だったのは確か。(3・6)

  • タイトルの通り、官能的。「天使の卵」「おいしいコーヒーの入れ方」の村山さんと思って読んだら赤面します。「GINGER」で連載されていたということは、ターゲットはアラサーの働く女性たちか。

    内容はアブノーマル寄り・・・かな。。罪の意識とか背徳感をあぶり出す意味で必要な描写かもですが、、江國香織さんの「デューク」アダルト版みたいな話は想像したらなんとも…。

  • トーサクの世界!
    一言で言えば、倒錯性愛短編集。アブノーマルと言えばアブノーマルなんだが、こういろんな愛の形があるならば、じゃあ、ノーマルって何?
    ノーマルって、スタンダードってことだよね?スタンダードって、最大公約数ってことだよね?最大公約数ってことは、それが普通ってことだよね?本当にそうなのか?そもそも、普通はあるのか?
    ってなことを考えさせられる1冊でした。
    村山さんの他の本も読んでみたくなりました。

  • 女性目線の性描写の短編集。男として嫌悪感を抱くことなく興味深く読み進めました。

  • 12人の女性の視点から描く、リアルな性愛の物語。様々な愛のかたち。

    村山氏のこういう作品は初めてだったけど、どれも繊細な女性の情感たっぷりで共感できる所も多々あり。

    如何せん女性がそういう欲望を露わにするのはいただけないとする社会だけれど、わたしはもっとオープンにして良いと思うし、この作品を通して村山氏もそう言ってるように見えた。

    一番気に入った作品は「哀しい生きもの LIFE」。咲子さんの気持ちがわかりすぎてつらかったり…。
    中でも以下の文章はたまらなかった。

    「バリエーションなんて、要らない。いっそのこと一つしかなくたっていい。私はただ、惚れた男にたっぷりと抱いてもらいたいだけ。そうすることで、愛されていると実感させてほしいだけ。」

    「どうせ哀しくなるだけとわかっていても、だから私たちはまた交わろうとするのだ。」

    真理、だと思った。

  • 130324*読了
    ダブルファンタジーに続き、わたしが読む、村山さんの二つ目の官能小説。
    村山さんの小説は、決してただの官能ではない。どちらかというと、誰しもの心の中にある、誰に言えないやわらかくて繊細な部分を映しだす鏡のような小説だと思う。
    本当に今でも、ピュアなラブストーリーといえば村山さん!というイメージがあるので、信じられないけれど、同じ小説家がこんなにも幅広い領域を描けるのことってなかなかないだろうなぁーと感服です。

  • 作家は12のタイプの異なる恋愛を描いている。その道のエキスパートと思われたくないと後書きで書かれているけれど、経験なしでここまで書けるのだろうかと思ってしまう。

    恋愛はいくつになってもあこがれるものだと思う。でも私の年齢でしかも結婚して、子供もいて、もう作家の描くような恋愛は不可能だ。だから、せめて恋愛小説を読むことで空想の世界に入り込んで自由な恋愛を楽しむことは素敵だなと思う。

    夫婦の関係(または恋人)を続けるには体と心のバランスがうまく取れることが重要だなと思う。

  •  性に関する様々な思いが入った12の短編でした。
    村山由佳って短編出したことあったっけ?
    少なくとも私は読むの初めてだったな。
    「それでも歩き続ける」がドラマ化されそうな印象を持ちました。
    「言葉はいらない」が小説ならではのおもしろさを感じた。
    文字だからやれるトリックというか。

    全体的には、やっぱりこの人は長編がいいなというのが感想。
    短編だと全体的に物足りないものばかりでした。
    なので星三つ。

  • あきらかに女性向け官能小説短編集だけれど、そこにあるのは欠落感だった。どんなに求めても手に入らない夢、今が終われば消えてしまう幸福…。うまくいくはずのない人、うまくいきようもない人を一時的にでも求めてしまうのは、相手の魅力でもきっと性的な一致でもなくて、それが主人公の精神的な支えになるからではないだろうか、…と、この本を通じて思った。
    一番のお気に入りは不死鳥の羽ばたき(Independence)。彼氏の嫌がるタトゥーを足と胸にいれる話だけれど、そこには大切に扱われても満足できないことより相手は嫌がるだろうが自分のしたいことを、たとえそこに痛みが伴っても実行する主人公がいて。それがかっこよいんだけど、戻れないと嘆きつつ明日に希望を捜す姿はちょっぴりせつない。
    後の作品になるほど、欠落感は孤独を生み、主人公の覚悟に繋がる。ただの描写じゃなく、生き方を見つめ直す主人公像はムラヤマ節だなぁと、そしてそういう主人公像を魅力的だと思う僕は次の新作にまた思いを馳せている。

  • 色々な恋愛の短編集。
    人を好きになる様は人其々で、気持ちも其々。
    こんな恋愛もあるのかと・・・・。ちょっと悲しい気持ちになる作品が多かったです。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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