やわらかな棘

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 197
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018655

感想・レビュー・書評

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  • 弟を亡くした姉の話が、つらすぎてつらすぎて、胸が押しつぶされそうでした。家族、友だち、恋人、夫婦。みんな、やわらかな棘で傷つけあい、ゆるしあいながら、生きているのでしょうね。

  • 好きだった人に復讐したいOL。結婚と仕事に迷う保育士。家族のカタチに戸惑う若い母親。弟を亡くして以来何も食べられなくなった花屋のアルバイト。それぞれが見つけた出口は―――。

    それぞれの章の登場人物が繋がっている、短編のような長編。「ヒヨコと番長」「美しい雨」は特に心にぐっときた。人はみんな棘を持っている。そのやわらかな棘で、人を傷つけたり自分を傷つけたりしてしまう。だけどその痛みを乗り越えて生きて行く。そういう人間の強さを感じられる作品。

  • すごくすごく気に入って、これは自室の本棚に置いておきたいと思い、図書館で借りたけれど、読後改めて本屋さんで買いなおした1冊。
    ”憧れの女の子”が好きで、読んだ朝比奈あすかの2冊目。
    こちらも、ほんとにすごく良かったなぁ♡
    まず、4章全てが関わり合っている、連作小説ってゆうコンセプトが良かった!

    ”まちあわせ”は、今の私にはちょっときつい1冊だったかもしれない・・・
    「怒りより不安を与えたかったなんて嘘ということ。計画もたくらみも、自分を支えるためだけのものだったこと。本当は、ただもう一度比呂人に会いたくてあんなメールを送ったのだということ。飽きられるより嫌われたかった。その代償に私は今、完全に比呂人を失った」、の一文はすごく正直だなぁと思った。女子同士のグループの仲も、すごく絶妙に描かれていた。
    だからこそ、”ヒヨコと番長”では、「足の向かうずっと先に隼人がいる」という終わりでなんだかほっとした。

    いちばん好きだったのは、”美しい雨”。喜多さんが美雨を褒めるシーン。「この子賢いなって思ったわ。あんまりしゃべらないけど、たくさん見てるしちゃんと理解いてる。それに、すごく周りに気を遣ってる。亜季さんはすごくいい母親だと思うよ。そういうの、美雨ちゃんを見てれば誰だって分かるよ」という言葉。それに対して不意に涙があふれそうになる亜季。このシーンがとっても好き。
    きわめつけは、なつこせんせいが美雨に語りかけるシーン。「せんせいにもパパがずっといなかったんだよ。ほんとだよ。せんせいのママとパパ、ばいばいっていってわかれたの。りこんしたの。それだけど、せんせいはけっこんするんだよ。パパがいなくても、ママがいなくても、おおきくなってすきなひとができたら、みんな、けっこんできるんだよ」というシーンで、ぐっときた。

    それからそれから、眠りについた娘に語りかけるラストシーン。
    「いつの日かあなたにも、泣きじゃくる日がくるかもしれない。どうしようもなく、ふるえる日がくるかもしれない。誰かを憎んだり、失くしたり叶わなかったり裏切られたり傷つけられたりして、このまま世界が終わってしまえばよいと本気で願う日がくるかもしれない。
    その時あたしが、あなたの横に居られることを、今から祈ろう。あたしがあなたのために一日でも永く生きられることを。健康でいられることを。あたしが、あなたへ吹きつける風を、少しでも和らげてあげられるよう。そして、求められた時には、『なりふり構わずに』あなたを守れる強い自分であるように。あなたのぶんも、あたしが祈る。だから、今は安心しておやすみ。
    雨の朝生まれた、あたしだけのこども、美雨。」

    落ち着いた頃に、また読みたいな♡♡

  • 良かったです。心理描写が巧みで共感する部分も多かったです。第2章『ヒヨコと番長」が秀逸でした。

  • 恋人に浮気され捨てられた晴美、浮気相手の双子の姉で幼稚園に勤めるアフロの奈津子、幼稚園児の美雨と若いシングルマザーでなりふり構わなくなれない亜季、弟を亡くし花屋で働く布由子の少しずつ繋がった物語がほろ苦い。美雨目線の子供が子供であるだけで不思議な感じと、少しの描写で際立つ摂食障害の異様さが印象的。

  • 180219
    ちょっとずつ繋がっている話。

  • 内容も文章も後味も悪く無いんだけど、もう一癖あるぐらいが好みかな。
    なんとなく、既視感がある。
    あと2、3作読んで、この人しか書けない、という作品に当たってみたいなぁ。

  • あたしの知らないうちに、美雨はあたしの思いつかないことを、いろいろ考えるようになった。
    ー[美しい雨]亜季

  • 弟が死んだその日から、私はものが食べられなくなった。
    勤めている花屋の店主の井上さんは、いつも休憩時間にお菓子を出してくれる。
    決して、私が手をつけないと知っているのに。
    大好きな弟が自らの命を絶った夜、私は不倫相手からの電話を待っていた(「春待ち」)。
    忘れられない4つの記憶を巡る連作群像劇。
    (アマゾンより引用)

    オムニバス形式の短編集。
    最初の話に出てくる(最初だけじゃないけど)男がヤな感じ(´・ω・`)
    それに加えてその母親もすご~くヤな感じ(´・□・)ア-

  • まあまあおもしろかった。
    よくあるのが親友四人組の女子が主役になる感じの連作だけど、これは次だれかなーって楽しみと、主役の次の章で幸せっぽいところがわかったりして、じゃあ最後の章の人はいつ幸せになるのかと思ったけど、いい終わり方でした。

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著者プロフィール

1976年生まれ。2000年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞。著書に『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『天使はここに』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人間タワー』などがある。

「2018年 『みなさんの爆弾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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