どうしても嫌いな人: す-ちゃんの決心

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年8月1日発売)
3.88
  • (171)
  • (237)
  • (180)
  • (26)
  • (5)
本棚登録 : 1736
感想 : 266
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018761

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R2.8.19 読了。

     すーちゃんの漫画版。読み始めから「それ、わかる。」と頷いてしまった。どうして嫌いな人のことばかり考えてしまうのか?職場に会社の上司の知り合いの人が入ってきて、職場内を仕切りたがる勘違いさんが居たりとか。
    漫画だから読みやすかった。益田ミリさんのこういう事柄を題材にする視点が好きです。

  • すごいなぁ。
    こんな気持ちを漫画で表現できるなんて。

    どうしても嫌いな人。
    いない人はいないのでは?

    嫌いー気になる、自分と引き合う
       相手が自分を認めない。
       変に気になる、惹き合う部分が見たくない嫌
       なところ。
       
    私は今きらいというか気になるのは
    悪気はないけど人を傷つける人、そのことにも本人は気がついてない。
    悪気がないからこそ始末に負えない。
    しかしかくいう私めも、今でいう繊細、ナイーブ
    感受性が高い。HAR?だっけ?「どうも間違いみたい、思い出さない」
    だからこそ感じすぎる自分に非があるのかもと思うが。流行りの「?」繊細さん。

    結局自分が感じ過ぎて勝手に傷つき
    嫌いというか
    遠のきたくなる〜

    よく表現されてる、
    すーちゃん、毎日こういう人に会うのはつらいよね。
    すーちゃんが取った対策は?

  • この本を何の気なしに読みだしたら、「嫌いな人」問題が勃発した今日この頃。

    最近は在宅ワークのせいか極端に人に合わない生活をしているので、ご無沙汰な悩みだったのですが、ありますよねぇ。

    結局のところ、悩みの原因はこういう事なのかと思いました。

    ”嫌いな人のいいところを探したり、嫌いな人を好きになろうとがんばったり、それができないと自分が悪いみたいに思えて、また苦しくなる”(抜粋)

    わざわざ自分の時間を割いて、嫌いな人のことを考える。
    しかも、なぜ嫌いな人のためにこちらが何かしようとしないといけないのか。
    めっちゃ時間がもったいない事をしてるんですよね。
    これほどバカらしいことはないと、最近気づきました。

    この悩みに関しては、いくつか本を読んで学んだ事があるので、備忘録として書いておこうと思います。
    嫌いな人に関してはマニュアル化するのがいいですね。
    (考える時間を短縮する)

    1)嫌いな人を嫌いだということを認める
     (どんなに努力しても無理なモノは無理です)

    2)嫌いな人と接する時は、常識的な態度で最低限の接点に抑えて対応。(感情は持たない。作業として対応)

    3)2)もむずかしい場合は、嫌いな人と接する時に使う言葉をいくつか用意して、それだけ使う。(さしすせそ、が便利)

    4)2)も3)も無理!な場合は、こちらも相当思うところがある人物なので、逃げる。

    生きているとイロイロありますが、ストレスの原因からは距離を置きたいものです。
    時間は有限ですからね!
    有効に使っていきたいですよね。

  • うわー!
    すごい、よくわかる。

    私も今は特に嫌いな人いないけど
    ここにくるまではさんざん悩んできたから。

    ただ今ひとつ思うのは、
    向井さんも木村さんも
    すーちゃんやあかねちゃんに
    自分がこんなに嫌われているなんて
    ちっとも気が付かないのでしょう。

    実は私も向井さんと木村さんみたいなところあって
    相手が怒ったところを見て
    初めて気づいたことがある、
    困った人でした。

    なんらかの形で気づかせるっていう方法もあるかなあ。
    それも面倒なことですけどね。
    結局とりあえず「人の振り見て我が振り直せ」

  • すーちゃんの本を読むと、自分の感情に向き合うことが足りないな…と思わされる。感情の奥底を自分自身で見つめて、答えを出せたなら、どんな結果でも「逃げた」のではなく「決めた」になる。

  • 何が羨ましいってこの「お母さん」。
    みんなこんなに心広いものなのかしら?理想を描いているのかな?
    娘に「それでよか」。そして、困っていたら「帰ってくる?」それも「帰ってきなさい」ではないところが素晴らしい。
    このお母さんの一言で、すーちゃんはすべてリセットできると思う。
    嫌な奴に媚びながら続く毎日。生きていたら絶対ある「生きづらい期間」。自分で終止符が打てて、逃げられるなら、逃げていいんだよ。その勇気を認めてくれるお母さんの一言が羨ましい巻でした。

  • 誰にでもこんなこと、あるのかなあ。
    タイムリーで、読めてよかったと思えた優しいコミックエッセイ。
    なんとか気持ちを切り替えて、嫌いな人を、嫌いという気持ちを、我慢する自分を受け入れ、認めようとしてきたすーちゃん。
    疲れ切って、どうにもならなくなる前に、決断する。
    p132ページからの独白に、泣けそうな思いと、勇気をもらえた。
    「いいじゃん、後のことなんて。先のことの方が、今のあたしには大事なんじゃない?」
    「逃げ場がないなら、その部屋にいてはダメなんだ」
    「もういいのだ。あそこから逃げるあたしは、正しいんだ」
    自分を、自分の気持ちを、守るのは、自分。自分の声を聞けるのも、自分。
    また忘れた頃にパラパラと読み返したい。
    それにしても、絶妙に嫌な感じの人を描くの、上手いなあ。向井さんも、木村さんも、私もイヤ。

  • 初めてのすーちゃんシリーズでした。コミックです。

    タイトルからもわかるように、すーちゃんには「どうしても嫌いな人」がいて、だから痛いといえば痛い話なのだけど、なんか、気持ちが落ち着く内容になっているのが不思議です。


    すーちゃんは、九州から出て来て1人暮らしをしながら働いている36歳の女の子。独身、彼氏なし、でもそこは寂しくはない。

    仕事はカフェの雇われ店長さんで、彼女の仕事ぶりを見ると、職場というものの全体の把握ができている、うん、かなり優秀な人のようなんだけど・・・。
    そうなんだよね、どこにでもチリっといやな思いをさせる人っているわけで、彼女の場合、それはカフェチェーンの社長さんの姪であり、今はすーちゃんの部下として働いている人。

    確信犯なのか、悪気なくなのか、(どっちでも同じくらいイヤだけど)確かにこの人とは一緒に働きたくないなぁ、と思ってしまう。
    そして、すーちゃんは、

    その人のことを思い出すだけで心の中がざわざわしてくる。
    ざわざわしてキリキリする。
    嫌いだったら思い出さなきゃいいんだけど なぜか、好きな人より嫌いな人のことを思い出してしまう。
    ・・・なんでだ? 

    と自問自答してしまう。

    また、

    (ちょっとしたことで楽しくなっていても)
    あれ?私、なんか忘れてる って心の中が なにか を探し始め
    そうだった、私、今、嫌いな人がいるんだった、と苦しくなる

    なんて、あぁ、わかるよぉ~~~~!と。

    そして、すーちゃんはどうするか。
    うん、それが一番よかったんじゃないの?という解決方法で活路を見出し、
    そんな折に田舎から出てきたお母さんとおしゃべりするページには、
    しんみりと温かい気持ちになれました。

    従姉妹のあかねちゃん(30歳)の結婚話にも、あれこれ思うことが多かったし、
    あかねちゃんの気持ちがよくわかるし。

    表紙の、箱に入った一個だけのケーキもいいなぁ。

    このシリーズ、遡って最初から読んでみたいと思います。(*^_^*)

    • シンさん
      じゅんさん、御無沙汰しています。
      この書評にひかれ、読んでみました。
      ああ、そうだよなあ、と共感しっぱなし。
      ささいなことなんですよね...
      じゅんさん、御無沙汰しています。
      この書評にひかれ、読んでみました。
      ああ、そうだよなあ、と共感しっぱなし。
      ささいなことなんですよね。 ほんとささいなこと。
      「そこまで気にすることでもないし 」
      「もっと大変な人だっているんだから」
      と言い聞かせてみるけれど、
      今、ここにある嫌な気持ちは動かしようがない。
      画風だけ見るとあまりそんな気がしないけど、
      実際はたいへん理性的な漫画ですよね。

      巧いなあ、と思ったのは、最初、嫌いな人がいる、とだけすーちゃんに言わせて、仕事風景を少し描いてから「それはこいつだ!」と特定するところ。
      この間があるから読者はすーちゃんの「嫌い」という感情に肩入れすることができる。

      自己分析が鋭いですよね。
      負の感情が積み重なって「嫌いな人を慕っている人も嫌い」になる、
      それは自分が認められていないような気がするからだ、
      という指摘には思わずドキッとしてしまいました。
      ああ、こういうところから派閥って生まれるんだろうなあ……。
      あかねちゃんの「ちょっとみず6文字みずください6文字」なんかも藝が細かいですよね。

      最終的にすーちゃんは仕事を辞め、あかねちゃんは恋人に意見を通す。
      このささやかなハッピーエンドにすかっとしました。
      このくらいの決断ですらできないことも現実には多々あるし、
      いつのまにか自分の方が誰かにとっての「どうしても嫌いな人」になっているかもしれない。

      自らを省みる、まさに「自省」という言葉がふさわしい本でした。
      益田ミリさん、長くつきあえる作家になりそうです。
      すてきな本の御紹介、ありがとうございました。

      ところで、先日吉田伸子さんのツイッター(Y田N子名義)を見ていたら
      「水無月ちゃん」という呼びかけに目がとまりました。
      えっ、水無月さんって昔ノンフィクション談話室で『イギリス人はおかしい』の書評を書いていたあの水無月さん?と思って探ってみたら、やっぱりそうでした。
      いまは東京で医師になるための勉強をしているんですね。すごいなあ。
      新潟のお母様のことも時々書いてらっしゃいますが、なかなかユニークな方のようですね。
      どんな方なのでしょう。一度お会いしてみたいな……

      などとしらじらしいことはさておいて
      (でも本当にびっくりしました)
      このように不定期ではありますが、これからもよろしくお願いします。
      2013/12/23
    • じゅんさん
      シンさん
      嬉しいコメント、どうもありがとうございます!

      すーちゃん、読んでくださってありがとうございます。
      私にとっても初めての...
      シンさん
      嬉しいコメント、どうもありがとうございます!

      すーちゃん、読んでくださってありがとうございます。
      私にとっても初めてのミリさんだったので、
      とても印象深い作品です。
      そっか、去年の秋だったんですね。
      あれから随分ミリさんを追っかけて読みました。
      時に“めんどくさい女の子”だったりもするミリさんですが、
      それだけに、うんうん、わかる!と
      頷けるところがいっぱい。

      シンさんのコメントにも、そうそう、そうなのよ!!
      と同意しまくりでした。(#^.^#)

      で、水無月も見つけてくださってありがとうございます。
      談話室以来、たくさんの皆様から可愛がっていただいて
      ツイッターでやり取りさせてもらっていたり、
      本屋大賞の授賞式の時には室長様がたにお会いしたり、
      またその二次会では長老みさわさんやマー坊さんと毎年、わいわいおしゃべりするのが
      私も水無月もホントに楽しみなんですよ。

      水無月のツイッターは私へのメール替わりに見にきていいよ、と言われているので
      しょっちゅう覗きに行ってます。
      東京で何をしているのかよくわかり、
      とても面白いです。

      そうそう、今年の夏に帰省した際、
      私の誕生日にとミニブーケをくれたのですが、
      その時に撮った私のすっぴん写真がアップされてます。
      非常にお恥ずかしいものですけど、シンさんには見てもらいたい気もしますのでよかったら探してやってください。

      今、ちょっと気持ちが感想文の方向に行かない時期のようでこちらはご無沙汰しておりました。

      シンさんのレビューも読ませていただきましたが、
      コメントなしでゴメンなさい。

      少し早いですが、どうぞよいお年を!(#^.^#)
      またよろしくお願いします。
      2013/12/24
  • 過去シリーズも読みましたが、その上で…

    すーちゃんが過去作品の中で頑張っていた姿が印象に残っていたので、最後いきなり有給入れて出勤しなくなったり、碌に引き継ぎもしないで辞めていく、その展開は想定外でした。
    『それほどまでにイヤになっていた』ともとれるかもしれないけど、私的にはがっかり感の方が強かったです。30代でお店を任せられる人のやる事とは正直思えなかった…まぁフィクションですが(笑)
    やっぱり世の中逃げるが勝ち、なのかなぁって気もしてしまって…

    そういった点で、読後感はあまり良くなかったです。

  • 益田ミリさんの書くものはなんだかじぶんに合わないかんじで、積極的に読みたくなる作家さんじゃなかったけど。

    図書館でたまたまこれが並んでる棚で本探ししてて、タイトルに惹かれておもわず手にとってた。
    それで中をペラ読みして、そのまま借りた。

    ちょうどわたし、おんなじ悩みに苦しんでたときだったから。

    「どうしても嫌いな人」

    主人公は職場に「どうしても嫌いな人」ができちゃって、じぶんの中に湧くモヤモヤに悩むお話。

    わー、って声あげちゃうぐらい、わたしの悩みと似てた。

    人を猛烈に嫌うほど他人に強い関心ももてない感覚が働かなくて、いろいろわたしもじぶんに湧いてくる濁った霧みたいなのがなんなのかずっと答えを探してて、でもあるとき諦めて認めるしかなかった瞬間。

    「わたし、あの人がきらい」

    そんな瞬間を経験した。
    それでさらにまた悩んだ。

    「きらい」が結論でいいのって?

    だから?
    だったら。
    わたしは、どうしたいの?

    って。

    人は変えれない。
    だから、わたしが変わろう。

    って、努力もした。
    いろんな心理学の本も読んだ。
    アドラーも読んだ。

    でも、相手は変わらなくて、わたしの意識をいろいろ変えても状況はわたしに苦しいものになるばかりで。

    あー!
    あんな人!
    だーいっきらいっっ!

    って、だれもいないところで、一度、おもいっきり叫んだ。

    あの人が、わたし、きらい。

    って認めるしかなかった二度目。

    それで、わたしが選んだ選択は、じぶんの評判なんてどうでもいいから、その人から逃げることだった。

    かんぜんな無縁になる。
    そう決めた瞬間、そうしてなにがわるいんだーっ!、ってまた叫びたくなって、いいよいいよ逃げちゃいなよ、ってじぶんをじぶんで慰めて励まして。

    それで、逃げた。

    この本のレビューで、たたかって欲しかった、みたいな感想も見たけど。

    この本の主人公も「脱走」を選んでる。
    わたしはじぶんの選択のあとでこれを読んだから、なんか泣きたくなった。


    [引用]
    嫌いな人のいいところを探したり

    嫌いな人を好きになろうとがんばったり

    それができないと
    自分が悪いみたいに思えて

    また苦しくなる

    逃げ場がないなら
    その部屋にいてはダメなんだ

    このさい
    脱走しかあるまい
    [/引用]


    わたしが悩みつづけてきたのとおなじ経緯が描かれてた。

    主人公は、そういう選択をしたじぶんはただしいんだ、と納得させて、つぎに進みだすの。

    わたしも、おなじ。


    [引用]
    「立つ鳥跡を濁さず」って言うけど

    あたしゃ
    鳥じゃないし~
    [/引用]


    うん。
    わたしも、鳥じゃないから、きれいに逃げれない。

    でも、いいや。
    それでいいや。

    って、こころが晴れやかになった本だった。

    いいタイミングで、わたしはこの本を読んだ。

    この本を描いた益田ミリさんに、ありがとう、って言いたい。

    本との出会いは、人生にはだいじで、ときには宝物。
    この本とはそんな出会いだったの、あのときあの本棚で。

全266件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

益田ミリの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
夏川 草介
伊坂 幸太郎
吉田 修一
益田 ミリ
伊坂 幸太郎
益田 ミリ
久住 昌之
益田 ミリ
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×