- 本 ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018839
感想・レビュー・書評
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短編が3作品入った、気軽に読める湊かなえさんワールドでした。
そこまで重くはないけど湊かなえさんワールドを読みたい時にはぴったりだと思います。
手紙のやり取りだけでお話ができていて、おもしろいスタイルだなと思いました。
一通一通の手紙で少しずつ真相が明らかになっていくところが、ドキドキ感をあおり、どんどん読み進めてしまいました。さすが湊かなえさんワールドでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やはり短編は苦手だ。急に話が落とされるのが苦手なのか、肝心の部分は読者に任せる感じが苦手なのか。
けれど、どの作品もとても勉強になった。 -
『告白』で、これ以上ないというくらい秀逸なタイトルを冠した各章の構成の見事さ、
心理の最深部にまで踏み込んで抉り出すような冴えた筆致に目を瞠ったけれど
私の脆弱な精神ではついていけないなぁと思ってしまった湊かなえさん。
この『往復書簡』は他の作品に較べると、心温まるエピソードも救いもあるとの評判に
「今度こそ好きになれるかも?!」と勇気を振り絞って挑戦したのですが。。。
どうしてどうして。
遠くも近くもない絶妙な距離から、人間を残酷なまでに観察する視線も
登場人物のなにげないひと言からじわじわ滲み出る毒も
語られるエピソードが一見優しげに見えるだけに、かえって深々と胸を刺します。
1篇めの『十年後の卒業文集』では、
「文章の上手さに定評のある湊さんなのに、どうしちゃったの?」と
どうしようもなくざわざわした違和感を抱かせる、
冒頭での「~わね」・「~なの」・「~かしら」連発の、
昭和初期を思わせるような不自然な文体こそが謎解きの要となっていたり
「楽しい青春時代でしたね」というありきたりなひと言で、
冷え冷えとした余韻を生んでしまうあたりに凄味を感じたけれど
2篇めの『二十年後の宿題』では、
次々明かされる残酷な真実にクラクラしながらも、最後の手紙にほっとして
「大場くん、梨恵さんと結ばれたのね、よかったよかった」と思った次の瞬間
「え?これって。。。大場くんの文章じゃないし!」と愕然とし、
気を抜いた分、冷水(しかも真水ではなく泥水)を浴びせられた気分になって
3篇めの『十五年後の補習』では
主人公のふたりにとっては愛に満ちていて美しいけれど
時効では拭いきれない罪を抱えた結末が、どうにも割り切れなくて
湊かなえさんは凄くて、達者で、素晴らしいけどやっぱり、
「同じクラスにいても、きっと友達にはなれないクラスメイト」
のような作家さんなのよ、と自分に言い聞かせるのでした。 -
ある意味面白いが、なんとなく設定的に無理があるような気がしてならない。
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「十年後の卒業文集」 「二十年後の宿題」 「十五年後の補習」
と3つの独立したお話。
題名どおり、手紙のやり取りのみで語られている小説。
読者も返信までの心の動きを推察しながら、淡々と流れ行く時間をページをめくりながら共有できる醍醐味もある。
また、ひとつの物事・事件を各々がどう言った捉え方をしているかを、手紙が、徐々に外堀から埋めてくれる気がした。
特に「十五年後の補習」は、手紙の持つタイムラグや味わい深さが伝わり、返信が届くたびに、状況は一転し、心を揺さぶられた。
大切な人には、手紙で伝える機会も持ってみたい!と思わせてくれた。
湊かなえさんの本の中では、私はこれが一番! -
手紙にすることで直接言えないことも言えたりするけど、反対に成り変わったりも出来るからこういうミステリが出来るのだなと。
最後のが一番気持ちよく読めた。 -
手紙のやり取りの中で進むミステリー。最後の「十五年後の補習」は切ない気持ちで読みました。
幼い時、道ゆく人がそれぞれ自分の視点と思考を持って存在していることが妙に奇妙に思えていました。そんな一人一人がそれぞれの視点とストーリーを交錯させていくお話。楽しかったです。 -
すいすい読めて、とても面白かった。
三遍からなる小説。
最後の十五年後の補習は、素敵な話で進んでいったがいつ、いつもの湊かなえの胸くそ展開になるのか警戒してしまったが、そのまま素敵に終わった笑 -
手紙のやり取りを読みながら、過去の事件を客観的に想像していく、変わった作りのミステリー。
相変わらず頭を使わせてくれる。
面白く読めました。 -
手紙のやりとりだけで物語が進んでいくのが新鮮で面白かった
短い話が3編だったのでさくさく読めました
どの話もすごく引き込まれて、人間の繊細かつどろっとした部分が溢れててすごく好き、、湊かなえ先生、、って気持ちです
なんだか私も大切な人に手紙が書きたくなりました
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