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本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784344018853
感想・レビュー・書評
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自分が思っているよりも世の中や世間は自分に親切に出来ていないし
何かにつけて期待しない方がいいに決まっているのも分かっている。
同じ目標や夢があっても、頑張ってあがいてみても
結局はその一握り、いや
ほんの一つまみくらいの人しか達成できない。
努力しても結果が必ずしも、ついてくるとは限らないから。
今自分が住んでいる日本という島国は、空気を読んでナンボだし
同調してナンボって感じが当たり前にあるのも分かる。
環境と教育が人を変えるというけれど
そもそも遺伝子がそうさせているという。
人間って、やれ勝ち組だの負け組だの順列をつけて
何千年何万年経とうが、人間は狩りをするし弱いものを排除する弱肉強食であると。
本の中で「伽藍を捨ててバザールへ行け」というすごく大事な一文が出てくる。
確かに今の環境で何も変わらない・変えられないのであれば
自分に合った環境を自分の手で探すしかない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
橘さんの本の中でとても読みやすくわかりやすかった。
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岡田斗司夫さんが「影響を受けた」と公言する橘玲さんの本を初めて手に取った。震災前の本なので流石に目新しい主張はないが、「日本人ならではの認知バイアス」が数多く説かれている。この「自分で築いた自分を閉じ込める檻」から解き放たれるためには、まず知ることが一歩目だ。橘玲さんの「(日本人)」という本も読んでみたくなった。
本書で紹介されていた山岸俊男さんの「安心社会から信頼社会へ(99年)」と、ジェイコブズさんの「市場の倫理、統治の倫理(03年)」は00年代に何度も読んだ。BtoBプラットフォームを志向するならバイブル的存在だ。「市場の倫理(あるいは信頼社会)」を実現するために今でも血肉になっている。 -
経済小説作家の著者による、風変わりな“自己啓発書”。「風変わり」というのは、本書が既成の自己啓発書に対する根源的批判を土台に書かれているからだ。
「あとがき」には、次のようにある。
《この本は、自己啓発のイデオロギーへの違和感から生まれた。
能力に恵まれた一部のひとたちが、その能力を活かして成功を目指すのになんの文句もない。でもぼくは自分が落ちこぼれだということをずっと自覚してきたから、「努力によって能力を開発しよう」といわれるとものすごく腹が立つ。その一方で、「能力がなくても生きる権利がある」とナイーヴにいうこともできない。いくら権利があったって、お金が稼げなければ生きていけないのだから。》
この短い一節の中に、本書の立ち位置が言い尽くされている。
少し前の「勝間和代対香山リカ」論争の読み解きから始まる本書は、脳科学や進化心理学、遺伝学、動物行動学など、さまざまな学問の知見を自在に駆使して、自己啓発イデオロギー(能力は開発できる・わたしは変われる・他人を操れる・幸福になれる)の「間違い」を完膚なきまでに論破していく。能力は増強できないし、わたしは変えられないという、身も蓋もない話がさまざまな角度から論証されていくのだ。
といっても、自己啓発書をバッサバッサとやっつけていくような、下品で威勢のよい本ではない。著者の語り口はウイットに富み、すこぶる知的で上品。本書自体が現代社会論として価値をもっている。
著者は経済の専門家ではあっても科学者ではないから、本書で開陳されるさまざまな科学的知見は、ありていに言ってほかの本からの受け売りだ。
しかし、地の文に引用を織り込んでいくやり方がすごくうまいので、「人のフンドシで相撲をとっている」感じがしない。積み重ねた受け売りを、著者独自の見識として構築し直しているのだ。そのうまさたるや、凡百の自己啓発書とは別次元にある感じ。
能力は増強できないし、わたしは変えられない。よって、「わたしは変われる」を前提に幸福を約束する自己啓発書の内容も、眉ツバと言わざるを得ない。
……と、そこで終わってしまったら夢も希望もない本になってしまうが、本書は最後に“いまの自分のままで幸せをつかむ方途”を教えてくれる。
《残酷な世界を生き延びるための成功哲学は、たった二行に要約できる。
伽藍を捨ててバザールに向かえ。
恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。》
「はじめに」で提示されたそんな言葉の謎解きは、終盤――4章の最後と終章でなされている。意味については、本書を読まれたし。
既成の自己啓発書のようにやるべきことを具体的に指南してくれる本ではないが、私は十分啓発された。“グローバル時代の幸福論”としても面白く読める。 -
いやはや。おもしろすぎる。
この橘玲。ただ者ではない。
沢山の本をベースにして、論理を展開する。
本の紹介のまとめ方が じつに シャープなのだ。
「この世界が残酷だと言うことを、ぼくは知っている。
国家は市場に対してあまりにも無力で、
希望は永遠に失われたままだ。」
①能力は開発できる。→開発できない。
勝間は言う「やれば出来る」「努力すれば報われる」
→自己啓発ブーム。
→無限の能力、無限の可能性。→学習と訓練。
インディペンデントな生き方が必要。
「経済的独立がなければ、自由もない」
Think and Grow Rich
②私は変われる。→私は変われない。
③他人を操れる。
④幸福になれる。
勝間は言う「努力をすると、より簡単に幸せになれる。」
→努力しないのは自分の責任である。
「仲間との競争に勝って異性を獲得し、
自分の遺伝子を残そうと思えば、
もっと得意なものに資源を集中するのが、最適な戦略なのだ。」
「伽藍を捨ててバザールに向かえ。」
「恐竜の尻尾の中にアタマを探せ。」
適者生存の競争原理。
敗者は淘汰される運命にあり、社会が不平等なのは、
当たり前で、努力しない貧者を救済することは有害である。
努力しない者に生きていく資格はない。
運動能力が、遺伝的な要因は認めるが、
知能が、遺伝できまると言うのは不平等を容認する。
知能(IQ)は、70%は遺伝によって決まる。
知能は 記憶力と概念理解にわけられる。
犯罪が 遺伝するのではなく、
ヒトが犯罪者になるのは、環境のセイである。
グローバル化では、格差社会の到来が不可避である。
シンボリックアナリスティックサービス
(クリエイティブクラス)が20%の富裕層に。
インパースンサービス
ルーティンプロダクションサービス
手持ちの資本を総動員し、市場を活用して
「利益」を最大化する複雑なゲーム。
人種や国籍、性別、宗教や思想信条、容姿や家柄、出自で評価しない。
学歴、資格、職歴(経験)で評価する。
人的資本を介して教育と富が直結することで「自己啓発」の終わりなき競争。
マクドナルドは、空腹から満腹に移動するために利用できる最適な方法。
量と時間が重視される。意外な驚きがどこにもない。
快適性の秘密がある。合理的なシステムは、快適。
仕事がマニュアル化されていないと、個々の判断に責任が発生する。
能力主義と合理化(マクドナルド化)が、合体する。
好きなことに夢中になれるように遺伝的にプログラムされている。
好きな事が市場で高く評価されているわけではない。
好きな事を仕事にすれば成功できるなんて保証はない。
権力ゲームは、集団の中で一番になること。
爱(生殖)と友情(仲間)が大事。それから、貨幣が加わった。
返報性の掟ー何かしてもらったらお返ししなければならない。
贈与と返報性。そして マイナスの贈与が復讐。
一貫性がないと信用できないことで、社会的価値をなくす。
そのために、一貫性の罠に落ちる。
抗争の目的は、武力によって叩き潰すことではなく、
抗争しないことである。
心とは、相手の気持ちを知るためのシミュレーション装置。
生き延びること。社会秩序を保つこと。楽しむこと。
「評判を獲得」ゲームには、金銭の介在によって機能しなくなる。
幸福になるためには、快楽だけでは足りない。
「幸福とは旅の目的ではない。旅の方法である。」
ふーむ。おもろいね。
努力しても、変われないことが 重要なのだ。 -
超面白かった…!自己啓発本のように自分は変えられない…それでもこの世界をどう生きるのかを学べる。情報量が多いけど見解が面白く読みますい◎分厚いのにすぐ読み終えた。
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努力すれば報われるというのは幻想。勝間vs香山論争や、今までの実験や実証例をもとに書いていた。結論としては、この世が残酷だということはわかっていただろうということ。でもお金があればあるほど幸せでもないのだから、自分の好きなことを見つけてそれなりに生きろってことかな。
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分かったような分からないような・・・まー、兎に角悩んでもしようがないので明日も会社に行こう。
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巷にあふれる自己啓発本は「やればできる」と読者に努力を促すが、成功に達する(お金を稼ぐ力を得る)には才能(恐らく努力できる才能も含まれる)が必要で、それほど簡単なことではない。能力主義の世の中では、仕事ができる人ほど収入が多いのは当然のことだが、誰もが勝間和代のようにはなれない。生きていくうえでお金は必ず必要だが、お金持ちが必ずしも幸せではない。勝間和代の「やればできる」といったイデオロギーに対して、香山リカは精神科医の立場から、「勝間和代の本を読んで精神的に病んでいく人たちがいる」ことを指摘する。では、才能の無い人間がどうすれば幸せになれるかといった切り口で、いたって単純な「好きなことを仕事にする」、「フリーエージェントになる」、「マイクロ法人を設立する」といった事が紹介されている本です。
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1回読んだだけでは、理解しきれないな。
この人、いろんな分野からのアプローチをしていて、すげーなと単純に思いました。
カツマーを取り上げたと思ったら、遺伝子の話。
そこから、伊坂孝太郎の重力ピエロの話まででてきて、幅が広いうえ、その取り上げている内容も深いなーという印象。
「伽藍を捨ててバザールに向かえ」
というのが結論らしいのだが、
イメージでは
伽藍⇒仏道修行に入っている人
バザール⇒バーゲンセール
仏道修行からバーゲンセールに向かえ??
なんのこっちゃ?と思いながら読んでおりました。
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