告発の虚塔

  • 幻冬舎 (2011年1月25日発売)
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  • 本 ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344019393

感想・レビュー・書評

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  • 2015.08.24
    巨大銀行の合併に伴いその利権争いの犠牲となって潰されてしまう企業に対して、内部の人間が銀行本来の目的を取り戻すためにトップの刷新に向けて戦っていく。久しぶりの江上剛の作品。面白かった。

  • 3行が合併して誕生した、ミズナミフィナンシャルグループだが、派閥争いにより、上手くまわってない。美人TV記者が、身体を張ってスキャンダルを招く。そこには復讐があった。ドロドロとした銀行の派閥争い、大手メガバンクにも今でも色々とシコリがあるのだろう。最後は3社長が退任ではなく、相談役に収まって終結したのだが、まあ、実際もこんなものなのかもしれない。

  • 「組織への忠誠と信の経営改革の狭間で揺れる、若き広報部員を、前代未聞の頭取のスキャンダルが襲う。それを期に泥沼化する派閥抗争の果てに、彼が見たものは。欲望、嫉妬、裏切りが渦巻く企業小説。」
    政治とか、経済とか苦手なくせに、池井戸潤にはまってからは、その系統ばかり読んでいる(笑)派閥抗争とか、企業、銀行、登場人物どおしの関係、マスコミとの関係とか、全体的なストーリーは、面白い。しかし、登場人物の性格の描き方が、「ん?」という感じ。「途中でキャラ変わってない?」とか、「本当にあんたは、こいつを敵視してるの?」と、思った場面があった。最後は、「すっきり爽快」とはいかなかったけど、そこがまた、変に現実的というか、説得力があるというか…。

  • <作品紹介>
    合併後の深刻な派閥抗争が続くミズナミフィナンシャルグループ(MFG)の広報部員・関口裕也はプレスパーティで、かつての恋人・木之内香織と再会する。香織は大東テレビの敏腕記者として鳴らし、MFG傘下のミズナミホールセールバンク(MWB)の藤野頭取とも昵懇の間柄。藤野から一介の行員としか認識されていない裕也は軽い嫉妬を覚えた。折しも、写真週刊誌が藤野のスキャンダルを掴んだとの情報がもたらされる。裏取りに走る裕也は、やがて藤野の思わぬ素行を確認する…。貸し渋り・貸しはがし。密告者探し。情報操作…。欲望、嫉妬、裏切りが渦巻く超リアル企業小説。

  • 社内を正すためにマスコミを使うというのは
    賛成できない

  • 告発の虚塔 江上 剛

    みずほ銀行の確執をモチーフとした小説。
    元第一勧業の江上氏ならでは。

    モチーフは良いが、あまりひねりがなかったので
    意外性がなかった。

    そこそこ楽しめたがそれ以上でもそれ以下でもなかった。

  • 【告発の虚塔】 江上剛さん

    興産銀行、扶桑銀行、大洋栄和銀行の三つの銀行が
    各々の生き残りをかけて選んだ方法がが三行合併という
    手段だった。ココにメガバンク・ミズホフィナンシャル
    グループが誕生した。

    金融グローバル化の波を乗り切るために誕生した
    MFGであるが、カラーの違う三行の統合は、内部に
    各行の権力争いという火種を抱えての発進だった。

    社長と頭取の派閥争いで行内改革は一向に進まない。
    そして、派閥争いの余波は融資先の企業にまで及び
    ついには自殺未遂者まで出るコトになった。

    ミズホフィナンシャルグループ広報部員・関口裕也は
    行内の現状を憂い、ついに自らが積極的に行内改革へ
    かかわっていく決意をする。



    銀行を題材にした作品はこの手の物語が多いですが
    現実にもこういうコトはよくあるコトなのだろうかと
    いつも思いながら読んでます。

    強引で野心家の頭取と、頭取を追い落とす策謀を
    めぐらす社長、銀行の都合で貸し渋り、貸しはがしに
    遭い前期最高利益を出したにもかかわらず黒字倒産を
    余儀なくされた若手実業家、そして実業家である兄の
    敵討ちを決意する美人のテレビ記者。

    最後まで面白く読み進められました。まる。

  • ・みずほ銀行っぽい巨大銀行が出てきて何告発するんだろワクワクするな、と思ったけど読んでみると超くだらない内容。微妙に貸し剥がしとかのネタは出てくるけど、結局は派閥抗争と年寄りの不倫と復讐のために敵に抱かれる女とか陳腐な事柄ばっかり。ラストもがっかりしたなあ。
    ・市民センター図書室で最後に借りた一冊。。。

  • モデルは「みずほ銀行」。
    合併銀行の人事抗争と、頭取のスキャンダル。
    主人公は若手広報部員、これに貸し渋り貸しはがしで倒産した兄の復讐を図る女性テレビ記者が絡む。

  • みずほコーポ銀の頭取スキャンダル(そう言えばありましたね)と製紙会社のTBOを題材にした小説。
    底が浅い。登場人物もありきたりで深みが無い(わざと?)。ある意味読者を馬鹿にしているのでは?と思わせるほど、登場人物が馬鹿(こんな部長が大勢いるなんでお伽噺か?)。という訳で、実際の話を題材にしているのに現実感が希薄。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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