逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録

著者 :
  • 幻冬舎
2.88
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本棚登録 : 773
レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344019416

作品紹介・あらすじ

2007年、千葉県市川市のマンションで英会話講師が殺害された事件で殺人と強姦致死の罪で起訴されている著者が、事件の後、2009年11月に逮捕されるまでの約2年7カ月の間、どこにいて、どのような生活をし、何を考えてきたかまとめたものである。

感想・レビュー・書評

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  • おいおい、幻冬者さんよ、こんな本よくOK出したなぁ。終始気持ち悪い。結局、なぜリンゼイさんを殺害したのかが全く触れられてないので、彼が逃げている理由も分からず、単に怖いから、つかまりたく無いから逃げてるって、ものすごく利己的な理由で、本にする理由なんなの?と思いました。
    なんか海を見つめたり、お遍路さんになったりとセンチメンタルになったりするも、整形したり、逃げまわったりと、反省や謝罪の念が薄っぺらくしか感じられない。
    なんでこの本出したんだろう??

  • 外界との間にもはや二度と超えられない深い溝ができたときに、その向こう側(だが実際には自分が存在しているこの世界)がどのように見えるか、という感覚が描写されており、興味深い。断片的な浮遊感、というかうまくいえないが、まばゆさと暗さ。ある種の精神的な病になるとこのように外界が見えるのかもしれない。いや、結構面白い本だったよ。

  • まだ拘置所にいる人がこういう出版物を出せる事がとても意外だった。
    そして図書館にこの本が置いてあり、思わず手に取ってみた。
    やっぱり犯人という立場の人の心境ってどうなんだろうって思ったし。

    逃亡してしまった事はとても残念。
    早く自主すれば良かったのに。
    どう評価していいのかわからない。

    ただ、イラストや字はうまい人だ。
    自分の感情が激し過ぎ、抑える事が出来なかった為に・・・

  • なかなか読まされる本でした。
    やっぱりこの人頭いいんだな。
    『ライ麦畑でつかまえて』がすきなんて、あまりにらしくて妙に納得しちゃうよ。

    人間追い詰められたらなんでもできるな。
    なんか社会の裏側を見た気がした。


    これを出版するまでに、どれだけの労力がかかったんだろう。
    でも、それをしてまでこの本を出した意味って何だろう。
    よくわからなかった。

  • 駄作。
    なんか子供の日記みたいに感じたのですが…。
    話題の事件のことなので関心があって読んでみました。

  • 立ち読みメモ。ブックオフで完読してしまった…

    逃げ出してすぐに、鼻の形を変えるべく、
    じぶんで針でブスッと指して自前整形手術を試みてるところにまずはびっくり。
    農薬を見かけて、飲んで死ぬべきか迷ったりとか、そういう迷いの描写はところどころみられるのに、鼻に針とか、下唇をはさみで切ったりとか、ほくろをはさみで切り取ったりとかは、なんの迷いもなく、あっさり描写されてる。
    痛かった、痛みの記述がなく、ただ、血が出たことしか書かれてない。なんだろうこれは、、、

    あとは、感謝の気持ちというのがじぶんにはわからない。
    という記述が繰り返しでてくるのが目を引いた。
    さいごに贖罪の言葉とともにかかれてる。
    感謝の気持ちというのがわかるなら、じぶんはこんな犯罪を犯さなかっただろうということ。

    もうひとつ、捕まったときに母親が確か、生きてたことを意外がってた。潔癖性だから、外で寝起きなんてあり得ない、そんなことするくらいなら自殺してるだろうと。
    なのに、外で寝起の描写は、けっこうあっさり。
    寝てるところを人に見られないように気をつけてた様子は伺えるけど、ホームレスがいておかしくない場所では平気だったみたいだし。
    それはあっさり受け入れたようだけどそれより、女装して逃げてる可能性があると報道されたことへの爆発しそうな怒りがけっこう唐突で意外だった。じぶんは性的倒錯者ではない!と激しい語り口で書かれてて、性的マイノリティへの差別感情が強くうかがえた。
    というか、、、マジョリティであることへの執着心、かな。これはわたしたちの世代でたしかに強い気がする。勝ち組であること。
    1980年代とくに後半以降の世代は、オタク忌避みたいな意識すらみられないかんじするからな。


    心理学なんて学んでないけど、心理学的に興味をもたされる内容だった。ひとの内面からの生々しい言葉を見る機会ってそんなにないな、そういえば。
    腕と脚がもぎとられて首吊りの状態になってる死体をみかけたときの描写のあっさりさ。
    ラブホテルの矢を放つ騎士のネオンが、ほんとうに矢を放ったところが、幻想的でもなく淡々と、
    そう見えていることが語られるところとか、犯罪を犯して逃亡中でも、きれいな夕日を毎日みれることを楽しみにしてたりとか、文学作品を繰り返し読んでたり、ちょっと文系的な感性が節々に垣間見られて、ふしぎに思えてくる。

    いちばんすきな樹木がクスノキで、クスノキの葉を揉んだときの
    匂いが好き、とか、島のなりたちをサンゴから考えたりとか、学んだ分野はほんとうに興味があったんだなと思わされる。

    一般人。よんだら、じぶんが犯罪を犯す幻想がみえてしまうのではないか、その幻想に
    ひっぱられそうで少しこわい、と思いながら読み始めたけど、
    年齢はたしか同じなのに感覚がちがいすぎて、その心配はなかった。

    でもこんな、違う感覚をもつ人たちが世の中にはたくさんいるのだと思ったら途方にくれそうな思い。
    感性の多様性を知った。

    • 読み書き堂さん
      わたしは書店員なので、立ち読み完読は歓迎しかねるが(苦笑)
      立ち読みでここまできちんと感想を書けることに感心する。

      同年齢である著者...
      わたしは書店員なので、立ち読み完読は歓迎しかねるが(苦笑)
      立ち読みでここまできちんと感想を書けることに感心する。

      同年齢である著者への好奇心なのか、その感覚を丁寧に追っていく読み方が素直。

      この本に対しては、「期待はずれ」や「著者、出版社にむけた怒り」を表明するレビュアーが多い中で、安易な批判に走らない、好感のもてるレビュー。
      2013/06/11
  • リンゼイさん事件の市橋達也の逃亡記。

    市橋達也は頭がいいし、運もいい。全体を通してそう思った。

    事件を起こすまで働いたこともなかった根っからのおぼっちゃんが、事件を起こし逃亡し、働きながらも成長していったように見えた。

    最後に「自分にはチャンスがいっぱいあった。けれど、それを活かすことができなかった」とあった。
    アスベストの回収やら、人間とは思われないような仕事をしている人たちと働いて恵まれた自分の環境にやっと気づいたんだよね。

    最悪にも私は、市橋達也の顔が好みで背も高くて顔も小さくて、この人普通に生活してたらいいことあっただろうにって、指名手配された時に思った。
    だから市橋達也に興味があった。

    事件の動機は全く書かれていないから、後味が悪い。
    けれど、ゲイだとか女装しているだとか間違ったマスコミ報道に対しては、ものすごい勢いで否定している。それもかなり印象に残った。

    • ゆうさんさん
      彼に対する印象は同じです。私も外見が好みでした。だから中身を知りたかったのでコレを買いました。
      彼に対する印象は同じです。私も外見が好みでした。だから中身を知りたかったのでコレを買いました。
      2011/02/17
  • 逮捕されるまでの逃亡生活しか書かれていないので、なぜ事件を起こしたかという核心は分からない。ただし、市橋達也の虚実感はよく伝わってきた。中身はほとんどないが。絵は結構うまい。

    女装や自殺説は事実と異なっていたらしい。逃亡者はよく歩くなあ。

    「よく泣くことは心身がすっきりするからいいと思っていたが、泣くことに意味や理由をつけて、実は自分のことをいいヤツだと思っていた。『クロコダイルの涙』は『うそつきの涙』と自分の正体が分かった」「誰からも好かれることはできなかったけれど、誰からも憎まれることはできた」というくだりは、共感でき、切なかった。

  • 出版に関しての是非というのは確かにあるし、発売当日に購入するミーハーな自分もどうかと思うのですが、それはそれとしてノンフィクションとして読んでみました。


    文章自体は、ここは編集者が手を入れたかな?というところはあるものの、基本的には市橋容疑者が書いたんだろうなぁと思いました。
    全体的に文が短く、ブツブツと切れる感じがして、リズム感はあまりない文でしたが、読みにくいほどではありません。


    で、肝心の内容ですが・・・。
    率直な感想は「生への執着がすごいなぁ」ということです。
    正直に言って、ここまでして逃げたいか?と思いました。
    結局のところ、自由への渇望が、彼をここまで逃走させたのでしょうか?

    はじめのうちは防犯カメラがあるからという理由で、駅の改札口に近づくのも敬遠していたのに、そのうち高速バスや新幹線にも乗って、挙句の果てに一人でディズニーランドにまで行っていたのは驚きです。

    テレビでは離島でのサバイバル生活を中心にセンセーショナルな報道がされていますが、それは一部で、あとの残りは逃亡生活の間どのようにしていたかということが淡々とつづられています。

    彼が凶悪な殺人者ということを忘れて本に没頭すれば、逃亡劇としては結構楽しめます。



    最後に、亡くなったリンゼイさんのご冥福をお祈り申し上げます。

  • 市橋達也さんには、一度だけ、お会いしたことがあると思う。私が大学空手部に所属していた時である。

    そんな縁もあって、この本を手にした。読後感は、素晴らしい、としか言いようがない。

    夏目漱石の『坑夫』やドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいたとあるが、まさしく、それらの小説の主人公のような展開で、市橋さんは生きてきたのである。

    こんな文才があるのに、どうしてリンゼイさんを殺してしまったのか、それがよくわからない。市橋さんは、自身のことに対して、感謝を知らなかったから、という。でも、本当に、感謝を知らなかったなら、そのような言葉が出てくるとは思えない。

    逃げるということが、どれほど大変なことかという緊迫感もひしひしと伝わってくる。整形を試みたり、電車やフェリーに乗ったり、島で生活したり、危険な仕事をしたり。市橋さんは、そのような体験をすることで、何か得るものがあっただろうか。孤独を感じたことはなかったのか。

    苦しかったと思う。でも、苦しむことで、喜びを得てしまうこともいけないと思う。人を殺めたことにはちがいないのだから。

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