砂上のファンファーレ

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 168
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344019614

作品紹介・あらすじ

いつの間にか蝕まれていた一家の理想。誰もがそれに気づかないふりをしていた-。家族って何だ?次々と襲い掛かる、それぞれの現実。

感想・レビュー・書評

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  • ぎりぎりのバランスの上に成り立つ家族。
    一見平和な関係を装っているけれど、
    誰もが自分を優先し、
    他の家族の気持ちや状況を受け止めたり、理解しようとはしない。
    ひとたび事が起きれば、脆くも崩れてしまいそうだ。
    現実の世の中では珍しくないかもしれないけれど、
    活字で読んでしまうと、重たくじっとりとした空気に包まれる。

    最近記憶があいまいにになっていることを不安に思う母親の様子が急変し、受診したところ命に係わる病気であることが判明する。
    借金を抱え、それでもなお生活を切り詰めるなり努力をして自分たちの力で解決しようとはしない両親を心の中で疎ましく思うことにいら立つ長男・浩介。
    調子良く、何事にも真剣に生きようとしないことを選んだ次男・俊平。

    それぞれに言い分はあるけれど、それを主張しているうちは決して解決には向かわない。
    アラームが鳴り響くような家族の危機の中で、思いのほか俊平が底地からを発揮し、母親を治療することが出来る医者を探しだす。

    頼りない父親だけれど、

    「もしも人生をやり直すことができるとして、それでもどの時点にも戻りたくないと思うのは、果たして負け惜しみなのだろうか」(P185)

    これ、私も同感です。
    あぁ、ドラえもんが今ここにいてくれたら、時間をさかのぼってやり直したいと思うことがない訳ではない。
    けれど、やっぱり思い直す。
    今味わっているシアワセや楽しみを思えば、過去に戻り、時間のレールを切り替え、現在に戻ってこられなくなるのはさびしい。
    きついこともあるけれど、それでも今の自分を肯定したい。
    結構楽しくやっていると思うから。

  • 母が脳腫瘍で倒れた。頼りない父、真面目なだけの兄、フラフラした今どきの弟、彼らの前に露呈する多額の借金。そこからの、家族の再生の物語。

    すごーく良かったです。
    嫌な気持ちになったりイライラしたり、前半は読みながら複雑な気持ちになりましたが、俊平の章からは一気に明るくなり、後半は、何度も目頭を熱くしていました。

    幸せかどうかは死ぬ時にならないと分からない、と言う母玲子の言葉にしみじみ感じるものがありました。
    何があっても家族が笑い合えれば、最後は幸せだったねと終えられるのだろうなと思いました。

  • 六十歳を過ぎ、異常に物忘れが激しくなった母、多額のローン、生活破綻、読み始めてあれよあれよと人生下り坂のパターンのストーリーに家族もバラバラになっていくのか・・・と、ドキドキしながら読ませて頂きました。
    読んでる最中に頭痛がより酷くなり、自分も他人事ではなく脳外科の検査も必要かなと思いつつも読了。
    やはり、救ってくれるのは、家族なんですね!流石の長男の浩介、頼りないと思っていた弟の俊平が、凄く頼りになり自然と我が子に照らし合わせながら応援してた。
    苦労の連続のお母さんの玲子さん、病気に負けずにずっとお幸せに!

  • 登場人物に甘いお話は好きではないけど
    これはよかった


    家族をテーマに
    各々の視点で書かれる作品はよくあるし
    これもそういうよくある話ではあるけど
    読後感があったかいのと
    弟が好みなので高得点

    キャラクターがダメなとこもあるけど魅力的
    魅力的なキャラクターを書ける人は
    目新しい設定を書かなくても
    いいお話が書けると思う

    これからの期待もこめて
    星は4つ

  • 週刊ブックレビューで紹介されていたので、図書館で借りました。
    夜中に一気読み。面白かった。

  • 半分まで読んで、あまりに状況が重すぎて断念。どうにも救われなそうな空気感に負けてしまった。文章もテンポも悪くなかったけど、最後まで読もうという気力が保てなかった。

  • <選んだ理由>
    twitterにて。元さわや書店の伊藤清彦さんのツイートより。

  • 家族構成が自分と同じなので読んでみた。
    何処の家庭にも山や谷があり、乗り越える問題があるだろう。とてもシリアスなのだが、所々クスリとしてしまう場面もあった。
    最後の章が雑な気がした。

  • 物忘れを気にし始めた後、徐々に言動がおかしくなっていく還暦過ぎたばかりの母。検査の結果、癌が脳に転移、1週間の命と診断される。病魔との戦いの始まりと同時に両親の驚くほどの借金を見つけ、呆然とする兄弟。妻との板挟みに苦しむ兄と諦めずに医者を探す弟。壊れていく母と頼りない父。どん底の未来を変えたのは、生真面目でシッカリ者だけど、メンタルの弱い兄と、お調子者でだらしないけど、ピンチを切り抜ける力のある弟の真逆の兄弟だった。こんな息子がいる両親は幸せ者だ。自分の事しか考えず、夫を苦しませる長男の嫁だけは好きになれなかった。

  • 映画を先に観ていた。

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著者プロフィール

早見 和真(はやみ かずまさ)
1977年、神奈川県生まれ。國學院大學文学部在学中にライターとして活動。全国紙新聞社に就職する予定が度重なる留年で内定取り消しに。出版社編集者から小説執筆を勧められ、書き上げた作品『ひゃくはち』で2008年作家デビューするに至る。同作は映画化、コミック化されベストセラーとなる。
2014年、『ぼくたちの家族』が映画化、2015年、『イノセント・デイズ』が第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞、テレビドラマ化され代表作となる。ほか、『スリーピング・ブッダ』『東京ドーン』『6 シックス』『ポンチョに夜明けの風はらませて』『小説王』『神様たちのいた街で』などがある。

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