ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件

著者 :
  • 幻冬舎
3.35
  • (46)
  • (142)
  • (203)
  • (40)
  • (19)
本棚登録 : 1217
感想 : 203
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020320

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これはひどい。

    話は少し無茶があるが、「風吹けば桶屋が儲かる」を基にした

    よく考えられているお話だと思います。

    しかし、主人公がひどすぎる。

    ドSとかそういうことではなく、これはただの性格が悪い女。

    特に

    ブスは救いようのない哀れな生き物。

    私のような女(美人)がおいしいとこを根こそぎ独占して

    ブスと私(美人)に見向きもされない男を不幸にしている。

    美人はちやほやされて嫉妬することがないから醜い心をもつ必要がない。

    それゆえ顔が美しい女は心が醜くなりようがない。

    ブスはその逆。

    ブスと私たち(美人)は同格に扱うべきじゃない。

    住む世界も人生のクオリティもちがうし、そもそも同じ生き物ですらない。

    「金持ちはケチ」とか「美人は性格が悪い」というのは

    美点をもたない浅ましい人間の偏見。

    このくだりにはもう絶句。

    「ブスと美人は同じ生き物ではない」発言には開いた口がふさがらない。

    それまでもドSというよりただの性格悪い女という感じではあったけど、

    ここまで来るとちょっと・・・。

    あと、死体が見たくて刑事になったという理由は別にいい。

    モラル的にどうなの?とか検死官か法医学者になれば?

    とは思うけど、まぁフィクションだし・・・。

    趣味に対しても趣味は個人で楽しむものだからそれもよしとしよう。

    でも、犯人が分かっても死体が見たいという理由で逮捕せず、

    犯行(罪)を重ねさせ、

    コレクションにしたいという理由で

    被害者の歯や爪を盗んで現場を荒らすのは

    いくらフィクションでも許せない。

    しかも父親が偉いということを武器として平気で振り回し、

    自分の不正を握りつぶす主人公はいかがなものかと思う。

    話は無差別のような10人がどうつながるかというのが

    読んでいて面白かった。

    よく考えられているだけに残念。

    自分が女だからこんなに主人公に嫌悪感を抱くのでしょうか?

  • 「バッカじゃないの!!」が口癖の黒井マヤ(超美人)。彼女の父親は警察庁次長で同僚全員が彼女に粗相がないよう気遣う。コンビを組んだのが彼女より階級が下であるがイケメンの代官山(通称・お代官様)。数回発生するガソリンでの放火事件。被害者の共通点はとある幼児の転落死。この転落死に少しでも関係する者を犯人は排除し、さらに犯人の自殺で幕引き。死の連鎖はお見事!!。タイトルどおり風が吹けば・・・バタフライ・エフェクトと言うんですね。黒井マヤのツンデレはメロメロになりますね。でも、あまりドSではないのが残念。

  • 殺人現場フリークの女刑事。
    解決する気がない刑事という意外な設定の主人公。
    真相は中々面白く、楽しかった。

  • 1冊通しのミステリーは読みなれていないため、話しが進むと最初のほうに登場するエピソードの内容を忘れかけてしまいそうになりましたが、最後にはそれらがすべてつながり、事件の全貌が明かされる流れはちょっぴり気持ちよかったです。ただその面白さが最後の最後まで読み進めないと手に入らないのがちょっともどかしいというか・・・(なかなか先の見えない展開なだけに)。
    それと刑事ものだけに事件のインパクトがキャラのインパクトに勝ってしまっている点がちょっと気になるといえば気になります。ドSのマヤを以てしても、読後感はやっぱり事件の内容のほうが記憶に残ってしまっており、もっとキャラが前面に出てきても良いように思いました。とはいえ終盤、マヤの推理力(作中で本人は否定していましたが)が発揮されるシーンはなかなかよかったです。

  • 連続する放火殺人事件に挑む二人の刑事のお話。

    所轄の刑事・代官山脩介とコンビを組むことになった本部の刑事・黒井マヤ。

    彼女は警察庁次長の愛娘で、ホラー映画などオカルトをこよなく愛する変わり者。

    焼き殺すことに固執した殺人は、悪意のバトンをリレーするかのように次々と発生するが、今ひとつ被害者同士を結ぶ線が見えてこない。

    マヤは一人推理を働かせ、本筋を見つけたようにも見えるが多くを語らない。

    連続する殺人事件には、連鎖する因果が関係していた。


    最初、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということで誰が得をするのか?と推理しながら読んでいたのですが、まんまと外された感じです。

    オチもしっかり付いて、後味スッキリなんですが、どうしても「ドS」要素の必要性があったのかなぁと思ってしまいました。

  • 前にダヴィンチで見て、チェックしていたのだけど、ようやく読んだ。面白いし、オチはいい!
    ただ、とにかく大勢死ぬ。金田一少年か?被害者全員、モラルが良くないのが救い。
    続編は読みたいけど、同じのを読み直すかって言われると、そうでもないかなぁ…

  • (内容)
    「死体が見たいから、刑事になったに決まってるでしょ!」
    『死亡フラグが立ちました!』の著者、待望のユーモア・ミステリ!
    静岡県浜松市で、生きたまま次々と焼き殺されるという残虐な連続放火殺人事件が起こる。中部警察の代官山脩介らは、事件解決に奔走するが、その捜査本部に県警から一人の女がやってきた。黒井マヤ、25歳、すこぶる美人。一瞬見ほれる脩介だったが、マヤは一筋縄ではいかないどんでもない女刑事だった!サディスティックでワガママ放題なマヤは、相棒になった修介を罵倒しまくり、殺人現場では「死体に萌える」ばかりで、本気で真犯人を見つけようとしない。さらに、事件の被害者は、元ヤクザ、詐欺師、OL、主婦、歯科医など様々で、何の共通点もなく、捜査は難航する。そんな中、脩介はマヤの奇行に振り回されながらも、被害者の間で受け渡される「悪意のバトン」の存在に気づくのだが――。傑作ユーモア・ミステリ!

  • 浜松市で、生きたまま次々と焼き殺されるという
    残忍な連続放火殺人事件が起こる。
    中部警察の代官山脩介らは、事件解決に奔走するが、
    その捜査本部に県警から一人の女がやって来た。
    黒井マヤ、25歳。日本人形を思わせるとびきり美人。
    だが、マヤは一筋縄ではいかないとんでもない女刑事だった…。


    事件が次々と起こり、それに比例し登場人物も多くなる。
    捜査が進まないのに事件ばかりがどんどん起こるので
    頭の中が謎で一杯…。
    事件の被害者は、元ヤクザ・詐欺師・OL・主婦・歯科医等
    様々で、何の共通点もなく捜査は難航する。

    作中では『バタフライ・エフェクト』と紹介されてる
    蝶の羽ばたきが巡り巡って地球の裏側でハリケーンを起こす。
    サブタイトルに『風が吹けば桶屋が儲かる殺人』とあるように、
    ひとつの事を要因として次々と事が起きる…。
    着眼点は面白いって思った。

    主人公のマヤは確かに、口が悪くって相棒になった脩介を
    罵倒しまくるけど、ドSじゃなくって猟奇マニア…。
    興味が殺人現場でその為に、捜一の刑事になってる。
    被害者を痛ましく思う気配も窺えず
    焼死体を瞳をキラキラさせて見詰める。
    死体から落ちてる爪や歯をこっそりコレクション
    犯人が捕まれば、殺人事件が起こらないから
    真相を口にしない…。
    えーーーっ、そんな刑事って…。
    う~ん、マヤにも共感出来ないし、
    猟奇マニアが嫌だと思いながらも、美人だから惹かれてる脩介も…。

    ミステリーって言うよりコミカルな刑事のお話だった。

  • ドラマとは別物

    事件を解決する気があるのか分からない主人公の推理を、相棒が推理するというちょっと変わった設定です

    時系列がバラバラでやや思考を振り回されますが、ちゃんとつながるところは良くできています
    時系列をあえて明確にしていないのでしょう

    現実にこんな人間がいたらたまりませんが、あくまでエンターテインメントとして

  • 連続放火殺人事件の捜査が難航する中、次の被害者となる一定の法則が浮かび上がる。まるで悪意のバトンを渡すかのように、前被害者のストレスのはけ口となった人物が殺されているのだ。
    美人だが高飛車な若い女上司と組まされた顔だけが取り柄(?)の『代官山』は、事件の真相に辿りつく事ができるのか?


    ぶっ飛び過ぎたキャラと、ウケを狙ったような文章はあまり好みではないけれど、謎解き自体は面白いと思う。
    被害者が多いのに、読むのに間を空けてしまったので、今殺されたのが誰だか分からなくなってしまって困った。

全203件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1969年、静岡県生まれ。第8回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉として『死亡フラグが立ちました! 』(宝島社)で2010年デビュー。
他の著書に「ドS刑事」シリーズ(幻冬舎)、「山手線探偵」シリーズ(ポプラ社)、「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ(新潮社)など多数。

「2023年 『全裸刑事チャーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

七尾与史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×