日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (118ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020375

作品紹介・あらすじ

紫式部、藤原道長、菅原孝標女、鴨長明…古典の有名人9人のおもしろエピソードが楽しめる教養コミック。

感想・レビュー・書評

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  • 『日本人の知らない日本語』での人気コンビ蛇蔵&海野凪子が日本古典文学の作者を親しみやすく紹介。
    清少納言が仕えていた「中宮定子」を「なかみや・さだこ」と読んでいた基本的教養が全く無い私でも、古典文学に興味が湧く好印象なコミック。

    中でも興味が湧いたのが紫式部と菅原孝標女と兼好。
    紫式部はぶっちゃけ性格があまりよろしくなさそうなところがシンパシー。
    いろいろ考えすぎて結局自己完結して被害者意識を抱いているところなんか(←この本の中での著者たちの想像ですが)身に覚えがありすぎる。
    会ったことも無いという清少納言への複雑な思いも、分かるような気がする。
    もしかしたら、そうなりたくてもなれない存在。精神的な目の上のたんこぶだったのかな、と想像してしまう。
    この本には「政治的な立場が言わせた悪口だったのかも」と書いてあるけれど。
    菅原孝標女の元祖!オタク女性なところもまるで昔の自分を見るようで、嬉し恥ずかし。
    兼好は憧れるな。コウイウヒトニワタシハナリタイ。

    今まではつまらん教科書の上の登場人物だったのが、急に面白いエンタメ小説の主人公たちになったような。
    まだ、自分と同じ血と肉を持った人間だったとは実感できないけれど、読む前より確実に身近に思える。

    情報量も絵柄もすっきりとしていて初心者にはもってこいの本。

  • 日本文学の古典は読みたいと思ったことがないし、おそらく今後も腰を据えて読むことはないでしょう。
    日本史もあまり学んでこなかったので、1000年前の日本の様子はどんなだったのかもイメージできません。

    文学作品から、何を考え日々暮らしていたのか、仕事・食事・娯楽・価値観など当時の雰囲気を感じることができるのでは、と思います。
    でも、実話っぽい話も大分盛られていたり、都合のいいように歪曲されているに違いないと疑ってしまいます。

    本書は、私みたいな「古典など知らなくてもいいわ!」という人に、作品の内容でなく作者のキャラを紹介することで興味を持って貰うための本です。
    作者は、身分が高く裕福で権力のある人達ばかりですから、庶民の姿は遠目にしか見えてこないのではと想像できます。

    読み終わり、本書の狙い通りに少し刺激を受けたので、Webを検索して以下のページを覗いてみました。

    「おはなしのくにクラシック」
    https://www.nhk.or.jp/school/kokugo/classic/

    今も昔も人間って本質的にあまり変わってないなと思います。

  • こちらの書はコミックエッセイと例えれば良いでしょうか? また、難しい漢字(漢文)にはフリガナがふられているので比較的、読みやすいと思われます。
    トップバッターは女流作家から始まり他にも有名な学問の神様、陰陽師、番外編、古典や四コマ漫画などもあります。面白く為になる1冊!

  • コミックだからを前提にして わかりやすいというより
    おもしろいというか 。思ってた人と違うと思うのは ありだなと。これはこれで いいとします。

  • 人気コミックエッセイ『日本人が知らない日本語』の著者である蛇蔵さん・海野凪子さんコンビによる日本文学コミックエッセイ

    あとがきに、日本語学校で教えている凪子さんが授業の中でも日本文学について話すことがある、ただし受験に出るわけではないから私(凪子さん)が面白いと思ったところを紹介するということを聞いた蛇蔵さんが互いに古典文学の面白いと思ったところを話し合ってできたのがこの本だと書いています。

    そのため、古典文学について網羅しているわけではなく、お二人が面白いと感じたところをつまみ食い的に紹介されています。
    授業の中では暗記事項と紹介されがちな古典文学ですが、この本を読んでいると、当時生きていた人たちの考えや思いが生き生きとして伝わってきて、親しみが湧いてきます。

    二人の着眼点でネタが見つけられているので『日本人が知らない日本語』シリーズが楽しめた方なら、きっとこの本も楽しめるのではないでしょうか。

  • 中学生時代、高校時代に、学校の授業で触れた古典は、非常にとっつきにくい印象を与えるものであったし、何が面白いねん、という感想であった。
    しかし、この本においては、古典文学に登場する人物や作者にスポットを当て、分かりやすい漫画で、コミカルに、紹介する。清少納言や菅原孝標女、兼好の話が、特に面白かったかな。
    これって今も言えることだなあとか、逆に、とんでもないことする人だなあとか、登場する人物や作品に、親近感や面白みを感じる。
    とっつきにくい印象のあった古典の世界だが、この本は、その世界を知る良いきっかけを作ってくれた。

  • 『日本人の知らない日本語』のスピンオフ。枕草子、源氏物語、更級日記などのエッセンスと作者のエピソードに触れられた。原典にも手を伸ばしてみたくなった。

  • 20210315 読了
    覚書
    一章 清少納言 言いたい放題
    二章 紫式部  ぐるぐる悩む
    三章 藤原道真 男の夢コンプリート
    四章 安倍晴明 伝説になった高級公務員
    五章 源頼光  イケメン戦隊の司令官
    六章 菅原考標女 夢見るオタク少女
    七章 鴨長明 家に執着する男
    八章 兼好 脱・フリーランサー
    九章 番外編ヤマトタケル 暴走する悲劇

    「日本人の知らない日本語」シリーズの名コンビ
    蛇蔵&海野凪子の古典本。
    お友達の子供たちに贈るため再読。
    古典の堅苦しさにムッとした学生時代…でも、
    絵仏師吉秀と平家物語は大好きだったw
    とっかかりやすいので読む年代層は幅広し。

  • コミック寄りと思いますが一応(?)ジャンルは文学。
    キャラの会話や行動や残した文章・歌などが現代風に超意訳されています。そういう意味では親しみやすいのでは。
    そしてそのキャラに著者がところどころ突っ込んでいるところも面白い。
    きちんと取り上げるキャラの周辺人間関係図が掲載されているところがいいですね。
    気軽に読める文学コミックです。

    • nejidonさん
      はじめまして。
      フォローと花マル、ありがとうございます。
      この本は私も持っています。面白いですよね。
      中学生たちに読み聞かせする時の参...
      はじめまして。
      フォローと花マル、ありがとうございます。
      この本は私も持っています。面白いですよね。
      中学生たちに読み聞かせする時の参考本にしています、こっそり(笑)
      鴨長明が特に面白かったような記憶があります。
      また楽しい本に出会ったら教えてくださいね。
      よろしくお願いします。
      2016/07/30
  • 『日本人の知らない日本語』でスマッシュヒットを飛ばした蛇蔵&海野凪子のコンビの新シリーズ。

    『日本人の知らない日本語』は日本語教室を舞台に、外国人の面白エピソードと日本語の蘊蓄が学べる、一粒で二度美味しい作品だった。また、時流にもマッチしていて、当時は「海外の反応」系のブログが流行していたのも、ヒットの要因になったと思う。日本人が「外人からこう観られている」話が好きというのも一因だろうけれど。


    このコンビはとにかくエピソードの語り方が上手くて、漫画の画も洗練されている。ただ、さすがに『日本人の知らない日本語』は海野さんの日本語教師エピソードが底をついた感があって、これからどうするのだろうと思っていたのだけれど、まさか日本文学をフューチャーする方向に行くとは思わなかった。


    そして、この方向転換は、新しい金鉱になるのでは? と期待を持たせるものだと思う。日本文学という1000年以上もの歴史を持つジャンルの、面白いエピソードをいろいろと紹介できるのだから、ネタ的には無尽蔵と言ってもいい。それに、二人の語り口は普段馴染みのないものを紹介する、という部分で才能が十二分に発揮できると思うからだ。


    今回は、1巻目なので、源氏物語や枕草子など、有名どころをとりあえず紹介という感じか。徒然草を四コマ漫画にしたのは上手いし、歴史上の人物の血が通っている感も心地よい。1巻目の手応えとしては最高じゃないかと。これから、もっとマニアックでもっと面白い日本文学の世界を紹介してほしいと思った。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「もっとマニアックでもっと面白い日本文学の世界を」
      それは面白そうですね!、、、しかし続編出るのかなぁ~(本業?の「問題集」は年末に出ました...
      「もっとマニアックでもっと面白い日本文学の世界を」
      それは面白そうですね!、、、しかし続編出るのかなぁ~(本業?の「問題集」は年末に出ましたけど)
      2013/02/27
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