スウィート・ヒアアフター

  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1181
レビュー : 231
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344020931

作品紹介・あらすじ

お腹に棒がささった状態から生還した小夜子は、幽霊が見えるようになってしまった。バーに行ったら、カウンターの端に髪の長い女の人がいる。取り壊し寸前のアパートの前を通ると、二階の角部屋でにこにこしている細く小さい女の子がいる。喪った恋人。元通りにならない頭と体。戻ってこない自分の魂。それでも、小夜子は生き続ける。

感想・レビュー・書評

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  • 背負ったことのある人だけ色がついていて細かく美しく動く。
    私には色がついているのだろうか。
    細かく美しく動いているのだろうか。

  • 懐かしい。初期の頃のばななさんの匂いがする。キッチン、哀しい予感、アムリタ…。あの頃の雰囲気があって、でも以前よりテーマになっている、死を通じての生への向き合い方が、よりニュートラルで、強いものになっている。昔からのばななファンには特にオススメしたい。

  • 「みんな悲しいほどにいろんなことを背負って生きている。鈍くてあまり背負ってない人を見ると一目でわかる。彼らは不思議とロボットみたいに見える。背負ったことのある人だけ色がついていて細かく美しく動く。だから、背負ってしまってよかったな、そう思っていた。わたしは生きている限りは細かく美しく動きたい、そう思っていた。」2011年3月11日の震災後、ばなな氏が全てに向けて書いた作品。肉体的にも精神的にもありえない痛みを背負った主人公…と思っていたが、ありえないことなんて、あるのだろうか、と震災後、思う。そんな気持ちで読みました。

  • それまで、みえなかったのに、精神的なつながりを家族に・かねてからの知り合い(義両親)に・他者にみいだして癒される過程。
    いちど魂を失って、取り戻して。

  • 交通事故で恋人を亡くし、自身も腹部と頭部に傷を負って生死の境をさ迷い、生還した女性が主人公。突然の事故などにより大切な存在を奪われ、見える世界が変わってしまった時、どのようにその状況を受け入れていけばいいのか、誰しもが戸惑い悩み身悶えすると思うけれど、彼女のように優しく時間が流れて行って、暖かい人に恵まれたなら、少しずつ立ち直れるのだろうと思う。誰しもに時間や人が優しいわけではないだろうけど、だからこそこの小説を読んでいる間はこの暖かい光とか空気に包まれて癒されて欲しいと思います。失ってからでは遅い掛け替えのない宝が日常の中に散りばめられているのかもしれない、ということも感じました。

  • よしもとばななという人は、「再生」を描くスペシャリストだ。
    私は大きなものを失なったことはない。
    でもよしもとさんの本をたくさん読んだことで疑似体験をした回数は半端ない。
    この作品は、東日本大震災でいろんなものを失われた方に向けて書かれた本とのこと。
    いつもより、特有のほのぼのグロテスク感(変な言葉ですが…)が少なく、とてもシンプルな小説という印象を受けました。
    大切なひとを事故で失なった。
    私自身も傷を負い苦しかった。
    いっぱいいっぱい泣いた。
    でも今、私はここにいる。
    牛乳をゴクッと飲んでおいしいと思える。
    すっかり変わってしまったけれど、以前の自分に戻りたいとは思わない。
    シンプルなメッセージにいつものようにぐっときました。
    泣かせようとしないから、泣いちゃうんです。

  • ばななさんの本、久しぶりに読んだ。この人の豊かな表現というか、言葉がとても好き。すごくあたたかくなったり、すごく切なくなったり。いっぱいの言葉、でも回りくどくはないんだよな。
    東日本大震災を経て書いた本とのこと。言われないとわからないけど、傷を追って立ち直っていく、確かにここにいる、と自身を認めていく主人公の女性が強く描かれていると感じた。

  • あの世は怖くない。
    あの世はあたたかい。
    あの世の人たちは実はすぐ近くで見守ってくれているのかも。

    あとがきで震災のことに触れられていた。
    この世の人もあの世の人も、きらきらと美しい世界を見てたし、見てるんだ、って、一生懸命小説で伝えようとしてる感じ。
    対向車の過失による交通事故も、突然の地震、津波も自分じゃ防ぎようのないものだから…。

    即死だった恋人と、死の世界から戻ってきた小夜子の、あの世を思ったりこの世を思ったりする物語。

  •  よしもとさんはなんてやさしい物語を書くんだろう。はらはらと涙が出た。

     主人公・小夜子は恋人・洋一と共に交通事故にあってしまう。車に積んでいた鉄の棒が運悪くおなかに刺さってしまい、生死をさまよう小夜子は不思議な体験をして、この世に戻ってくる。

     これは、東日本大震災を経験したあらゆる人に向けて、よしもとばななさんが書いた作品で、読んでいるときは生死にまつわる物語なのかと思っていたけど、言われてみればなるほど、遺された人・不安を抱える人・死んでしまった人の物語だった。

  • やはりばななさんを読むと和む。

    優しい時間達が描かれているからかな。

    あと、ばななさんの本では動物達が幸せそうなのがいいです。

    ほんわかした気持ちになりました。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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