人生なんて無意味だ

  • 幻冬舎 (2011年11月22日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784344020979

感想・レビュー・書評

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  • 人生は無意味だ。

    ピエールの言葉には様々な意味が内包されているように感じられる。
    確かに私たちが生きねばならぬ、明確な目的はない。しかし生きている。生きているのは楽しい、楽しく生きたいと願うからだ。
    ではそれの基準は何なのか。それぞれのハッキリとした自己を見つける。子どもに読ませたい。

  • 「ニヒリズム」という言葉がある。ちゃんと訳せば「虚無主義」。実際に使うときには「世の中のすべてが意味がないとカッコつけること」みたいな意味だ。◆生まれてきたのもただの偶然。死ぬのもそう。がんばって勉強しても病気になるかもしれないし、偏差値最低でも幸せな人生かもしれない。それが現実。それでも僕たちは、人生に意味を見出して生きていこうとしている。◆例えば、みんなで文化祭の出し物を決める相談をしているとき、一人だけ教室の隅の棚の上に座っているヤツが、「何をやったって、どうせくだらねえよ」などと言ったら、それがニヒリズムの考え方だ。みんなが何かに懸命になっているとき、そういう考えは、やる気を削いでしまう。それどころか、みんなを完全にやり込めてしまうかもしれない。ニヒリズムは、最強なのだ。なぜなら、私たちの人生には、確かめることのできる意味なんて実は一つもないからだ。◆この本の登場人物ピエールは、ニヒリズムの権化(ごんげ)。通学路の途中にある木の上から、毎日他の子供たちに、「何もかも無意味だ」と声を浴びせ続ける。他の子供たちはみんなで、人生に意味があることを証明しようとする。そのためにみんながそれぞれ一番大切なものを「意味の山」に差し出していく。しかし、その結果……。◆世界十六か国で翻訳され、学校の授業の副読本に採用もされているベストセラーの日本語訳。衝撃の強さを覚悟して、しっかり読んでほしい。(K)

    紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2012年2月号掲載

  • 人生に意味のあるものなんてあるのだろうか。

    ショッキングな本である。クラスの一人・ピエールが「意味のあるものなんて何もないよ」と教室を出て行き、それ以降学校に来ず、毎日人生を否定している。語り手の「私」ことアグネスたちクラスのメンバーは、どうにかしてピエールを否定し、自分たちのことを肯定させたい。そこで彼らがとった手段は。

    他人の「意味あるもの」を無意味と言うなかれ。他人が何を言おうと、自分にとって意味があるかどうかを決めるのは、自分でなくてはいけない。メディアやほかの誰かにゆだねてはいけない。また、人は「意味あるもの」のために生きている。それがほかの人にとってどれだけ無意味であっても。だから、誰かの「意味あるもの」を傷つけたり、取り上げたりする行為は、許されない。それは悲劇につながる大きな怒りを生みだす。ピエールとアグネスと、その同級生たちが引き起こしたような怒りと悲しみの事件。

    「意味あるもの」を自分だけの評価として見出したとき、他の人やメディアに影響されたのではない「意味あるもの」を得たとき、そしてそれを守るためには、痛みが伴う。最後にアグネスが見つけた「意味」は、大きな痛みを伴うものだった。

  • 中高生向け。
    人生に意味は特にないと思うが、声高に人に向かってお前たちの人生に意味はないという必要はない。人生に意味があると考えたい年頃なのか、中高生にはそんな虚無的な考え方はしないだろうという著者の考えなのか、人生に意味はないといわれた主人公たちの行動はエスカレートしていき、衝撃の展開に。
    中高生はこれを読んで、人生に意味があると考えるのか、意味がないと言う方が格好いいと思うのか(斜に構えるのか)、わからないから考えようと思うのか。既に夢を持っていてそれに向かって邁進していて、当然意味がある、又はそんなことは考えるまでもないと思っている人が一番幸せだろうが。

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 )

  • 意味のあるモノ。その本質とは一体何なのか?
    答えのないものに対して自分の持つ意味への価値観をもう一度考えさせる作品だった。
    意味があると思えるのは本当は自分の中の自分であり、結局意味のないモノなのかもしれない。
    そして人は自分の価値観を批判される事で自分自身の事を肯定してきた軸を粉々に壊され踏みにじられる感覚に陥る。そこには言葉では表現出来ない個人の生き様そして人生観が明らかに記されている。

  • 姜尚中の「続・悩む力」で紹介されていたので読んでみたが、、、読む価値を見いだせなかった。

    意味不明すぎる

  • なんだかは説明できないのだけれど、それが意味のある何かであることを私は知っている。そして、意味をいいかげんに扱ったりしてはいけないことも私は知っている(200頁)――幼い頃、強い好奇心をもって「無意味」を辞書で調べた。そこには「意味のないこと」とあった。意味のないことを表す「無意味」という言葉に「意味のないこと」という意味があることを知った時、本当に意味のないことなどないのではないか、と感じたのを思い出した。意味は相対的。ピエールにとっての人生は無意味だったろうが、ピエールの人生は無意味ではなかった。

  • ニヒリズムというが、東洋思想の国では普通の話なので。
    終わらない日常をただただ生きる無常観は、早い段階で得ているわけで。いみがない前提から始まっている。
    と、大人になってからは自然なんだが、やはり思春期に意味のなさはつらかったのだろうか?たぶんつらかった。忘れている。
    それでも、その時でも、意味がないという前提があったと思う。それは日本の風土かもしれない

  • 感想を書くのが嫌になるほど衝撃的な内容だった。
    日本の中高生がこの本を読んで、何かを感じ取れるものなのかどうかが気になった。
    私が年を取って感じたり、想像する心が無くなったということか。

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