もういちど生まれる

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1660
レビュー : 295
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021051

感想・レビュー・書評

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  • 焦り、嫉妬、劣等感、羨望、ぐちゃぐちゃの感覚をそのまま文章にしているところがすごい。
    特に「もういちど生まれる」の梢が双子の姉にコンプレックスを抱くというのは、共感する部分が多かった。
    画家は、一番そのときに向き合いたいと思ったものを描く。という言葉が心に残った。

  • えらくギャルっちい描写続いて止めようかと思ったけど、群像劇だから追って追って最後まで読みました。『何者』もそうだったけど、何者かになりたくてもがいてる若者書かせるとリアル、てか切実。若いときにしか感じられないもの残してってほしい。

  • 「何者」を先に読んでいたから気づけた。本書を書いている時には既に「何者」が朝井氏の頭にあったんだなということが。
    大学キャンパスには「自分は人とは違う、自分の世界を持っているっていう顔をして歩いている人。自分は何者かになれると思っている人々。」が沢山いるという表現が、言い方を変えて何度か出てくる。そのことに気づいて何だか妙に得した気持ちになってしまった。

    それから、本書のように少しずつ細かい部分部分(時系列や登場人物やセリフ)が繋がっている、ちょっと謎解きみたいなタイプの話が私は割と好きだ。
    途中で頭がこんがらがってきて、人物相関図を自分で書いちゃったけど。

    全体的に同じ表現が多すぎるところと、今はいいけど20年後に読んだら全くなんのことだかわからないだろうなと思われる表現(固有名詞など)が多いことはちょっと残念だった。
    今現在の大学生の、旬で普通で他愛もない会話を自然に表現するからこうなるのだけれど、20年後に読んだ世代から「古い」「これ何のこと?」と思われてしまうことを想像すると悲しいから。

    最近の若者言葉は子供達に聞くけれど、うちの大学生達は「M字バング」を知らなかった。自分で調べてみて、ああ、うちの大学生達はお洒落じゃないもんなあと納得した次第。

  • 19から20歳の若者が主人公の短編集。
    中学校までは義務教育、高校でもまだ進学とか部活とか同じ目標を持って過ごす、でも高校卒業したら社会に向かってよーいドンが始まる。
    ゆるい大学生活の中でもすごいなって思う人がいて、周りに比べて何も考えてない自分に、夢に届きそうにない自分に、焦り、失望し、挫折し、妥協し、それでも挑戦する。
    あの時代があって今がある・・っていうほど頑張ってなかったし立派な大人にもなれてないけど、なんかわかるって気持ちを拾われたような感じがする。
    おもしろかった!出勤前に執筆なんてかっこよすぎるよ、朝井リョウ。

  • 桐島でも感じたが、繊細で些細な感情の揺れを描くな・・・と。単なる大学生の日常を綴った小説や惚れた腫れたの恋愛小説でもなく、学生が持つ不安定な時期を瑞々しく描き出している。独特の感覚で読めたな。

  • 小説で直接線を引いて書き込みしたのははじめてだと思う。
    直木賞作品は複数読んだけど、受賞に納得したのはこれが一番。

    ・世の中の大学生には「キラキラした」人と、それになりたくてもなりきれない人がいる。
    その描写が生々しかった。と同時に、「もういちど生まれる」のラストシーンがとてもぐっときた。
    筆者はなぜ女子大生の描写がうまいんだろう・・・

    ・「僕は魔法が使えない」「破りたかったもののすべて」が特によかった。
    どちらも向き合うべき「未来」から顔をそらしている。
    その原因ともなる部分の心理描写が、登場人物(ナツ先輩、結実子さん/ナツ、有佐、翔太)とのコントラストを通して鮮明に描かれている。
    こういう20代がどれだけたくさんいるんだろう。

    ・構成が「桐島・・・」と似ている気もした。
    特に「破りたかったもののすべて」のハルと、桐島・・・の菊池は共通する部分があると思う。
    ツーエイトの終わりを繰り返し練習する有佐と、映画撮影に夢中な「ひかりそのもの」の前田も総じて同じ役割があるのではないかと。

  • 桐島は映画しか観てないけど、よくわからなくて、だけど作家として気になって手にとった本。圧倒的な繊細さで、些細な感情の揺れを描くなぁと。ただの恋愛小説でも連作小説でもなく、どの人物ももがいていて、大学生っていう地位に不安を抱いていたり、自らの才能に絶望したり。将来が不安定な時期をうまく切り取っていて、それはその時代を過ごした人間の心でさえ打つ。おもえば、自分はあの頃、何を考えていたんだろう。そんなことを思った。素晴らしい。

  • 「星やどりの声」、「少女は卒業しない」より大分良かった。
    作者と同じ大学・学部在学中の為、描写が頭に浮かびすぎて知り合いの日記を読んでいるみたいだった。汐梨のモデルはもしかしてパン屋のあのお姉さんかも…と思うくらいに。

    思ってたより登場人物がリンクしあっていた。女の子の心理描写の方がリアルなのはなんでだろう。ダンサーが集まる新宿のビル、もし実在するならば行ってみたい。

  • とてもすてき!ブックデザインも、いいなあ、と思っていたらさすがの鈴木成一デザイン室…朝井さんのなにげない一文のきらめきが好きです。

  • もうすぐハタチの登場人物たちは、想像していたハタチとは違った毎日を送っている。もっと大人だと思ってたのに。こんなはずじゃなかったって。でもまぁこんなもんかって。

    想像と違って残念な気持ちやもどかしさや、対象の分からないいら立ち。一方で、そういう時にしか味わうことのできない幸福感や楽しさや、意味不明なハイテンションが折り重なっていて、この時のココロって忙しい。

    驚きなのは、著者自身がまさにこうした時期に身を置きながら、本作品を執筆されたということ。著者が過去を振り返って書いている訳ではなく、ほぼリアルタイムを描いている感じが、すごく胸に響いた作品でした。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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