もういちど生まれる

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1664
レビュー : 295
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021051

感想・レビュー・書評

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  • むーん、困ったなあ。ご近所の子のように身びいきしている(何故だ?)朝井リョウ君の新作。黒ーいことを言おうとすると色々ある。なのにどういうわけか魅力的。まったく感想が書きにくい。

    「桐島」のような設定で、どこかでつながっている幾人かにそれぞれスポットが当てられた短篇から構成されている。今度は大学生に当たる年齢なんだが、基本的に「桐島」の高校生と一緒だ。幼い。自分の周囲のせまーい世界の中で「自分の立ち位置」ばっかり気にしている。

    まあ、それが若者には切実なんだから、胸にしみる人も多いだろう。でもさ、人生で大事なのはそんなことじゃないよ、とオバサンは思う。大体登場人物がみんな、人並み以上の容姿の持ち主だっていうのはどうよ。勝手に悩んどきなさい、なぞと言いたくなる。確かにある種の若者の心情をすくい取ってはいるけれど、「あーそう」という感じだ。「中学校の教室的価値観」なんて早いとこ捨てなさいな。

    と、くさしてはみたものの、最初に述べたように妙に惹きつけられるので困っちゃう。真剣だからかなあ。「悩んでるアタシ」に酔ってるっていう感じではないところに、爽やかさを感じるのか?結局「若さ」ってまぶしいなあと思ったりして。なんとも評価に苦しむ一冊。ああ、次作も読みそう。

    • じゅんさん
      おっしゃること、いちいち腑に落ちます。(*^_^*) あまりの幼さに文句タラタラなんだけど、じゃあ読むの止めるか、って言われるともうちょっと...
      おっしゃること、いちいち腑に落ちます。(*^_^*) あまりの幼さに文句タラタラなんだけど、じゃあ読むの止めるか、って言われるともうちょっとだけフォローしたい、と思ってしまう…。
      そうですね、朝井くんの真面目に小説に取り組んでいる姿勢、が好きなんだと思います。
      こんなに頑張って書いているのだから、そのうち大化けする可能性あり??でしょうか。
      2012/01/27
    • たまもひさん
      まったくね、アラばっかり目につくのに何故贔屓したくなるんでしょ。
      何だかわが息子をみているときと似ているような。ああ、若いってバカだなあ、...
      まったくね、アラばっかり目につくのに何故贔屓したくなるんでしょ。
      何だかわが息子をみているときと似ているような。ああ、若いってバカだなあ、でも若いっていいなあと、よく思うのです。(うちのぼんくら息子と一緒にしてゴメンね、朝井君)
      じゅんさんのおっしゃる通り、斜に構えてないところがいいんでしょうね。これからどう変わっていくんでしょうか。
      2012/01/28
  • 5編の短編だが、それぞれの登場人物が相関している。それぞれ面白い物語にはなっているが、記憶には残りそうもなく読み捨て小説のようだ。内容はまだ社会に参加していないモラトリアムの中に存在する学生またはそれに準ずる若者の心理描写の物語である。この間ピアニストの中村紘子が亡くなったが、その夫である庄司薫もこういった学生の話を書いていたなあと懐かしんでしまった物語であった。

  • 大学生の話。
    青春かなーちょっときれいめの青春?
    んーなんとなく自分たちとは違う感じだったので、そこまで感情移入は出来なかったけど、おもしろかったです。
    それとなく登場人物で全部のお話が繋がっているタイプでした。

  • 大学生が繋がって、20歳を生きる短編集。
    大学生は大人なんだけど、心は成長してない自分がいたりする。
    考えて自分の意志で生きていける大学時代は稀有な時間なのだろう。
    いつまでも純粋ではいられないけど、それを追い求める最後の時なのかもしれない。

  • えらくギャルっちい描写続いて止めようかと思ったけど、群像劇だから追って追って最後まで読みました。『何者』もそうだったけど、何者かになりたくてもがいてる若者書かせるとリアル、てか切実。若いときにしか感じられないもの残してってほしい。

  • 「何者」を先に読んでいたから気づけた。本書を書いている時には既に「何者」が朝井氏の頭にあったんだなということが。
    大学キャンパスには「自分は人とは違う、自分の世界を持っているっていう顔をして歩いている人。自分は何者かになれると思っている人々。」が沢山いるという表現が、言い方を変えて何度か出てくる。そのことに気づいて何だか妙に得した気持ちになってしまった。

    それから、本書のように少しずつ細かい部分部分(時系列や登場人物やセリフ)が繋がっている、ちょっと謎解きみたいなタイプの話が私は割と好きだ。
    途中で頭がこんがらがってきて、人物相関図を自分で書いちゃったけど。

    全体的に同じ表現が多すぎるところと、今はいいけど20年後に読んだら全くなんのことだかわからないだろうなと思われる表現(固有名詞など)が多いことはちょっと残念だった。
    今現在の大学生の、旬で普通で他愛もない会話を自然に表現するからこうなるのだけれど、20年後に読んだ世代から「古い」「これ何のこと?」と思われてしまうことを想像すると悲しいから。

    最近の若者言葉は子供達に聞くけれど、うちの大学生達は「M字バング」を知らなかった。自分で調べてみて、ああ、うちの大学生達はお洒落じゃないもんなあと納得した次第。

  • 桐島でも感じたが、繊細で些細な感情の揺れを描くな・・・と。単なる大学生の日常を綴った小説や惚れた腫れたの恋愛小説でもなく、学生が持つ不安定な時期を瑞々しく描き出している。独特の感覚で読めたな。

  • 「星やどりの声」、「少女は卒業しない」より大分良かった。
    作者と同じ大学・学部在学中の為、描写が頭に浮かびすぎて知り合いの日記を読んでいるみたいだった。汐梨のモデルはもしかしてパン屋のあのお姉さんかも…と思うくらいに。

    思ってたより登場人物がリンクしあっていた。女の子の心理描写の方がリアルなのはなんでだろう。ダンサーが集まる新宿のビル、もし実在するならば行ってみたい。

  • とてもすてき!ブックデザインも、いいなあ、と思っていたらさすがの鈴木成一デザイン室…朝井さんのなにげない一文のきらめきが好きです。

  • 大学生が主人公の短編集。
    近づく二十歳に、それぞれの思う理想と現実。
    登場人物につながりがあって面白い。
    『ひーちゃんは線香花火』
    女の子らしい比喩表現。実際の女の子がふと思いつくかわからないけど、すごい表現力だなと思った。
    『燃えるスカートのあの子』
    オチがこうなるかと笑った。
    前の人との接点が見つかると嬉しくなる。
    考えすぎかもしれないけれど、前の人はクラスで目立たない系で魚焼いてて、この話の人は肉を焼いてる。でもじうじう。対比?
    『僕は魔法が使えない』
    結実子つながり。カレーとかなんでも、懐かしの味があるっていいなあ。
    河口湖はきっと次にも出てくるだろうな。
    『もういちど生まれる』
    双子の苦悩、というか。入れ替わるのは面白いと思ったけど、少し物足りない気がする。
    多分、完結しないで時間が流れているからかな。全部、気の済むまでその登場人物のことが知りたい。風人とか。
    『破りたかったもののすべて』
    最後の話にハルを持ってきたのはとても嬉しかった。
    やっぱりみんな悩んでるんだなと思った。
    破った画は、兄貴がまた今のハルを描いて新しくしてくれるといいな。

著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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