第五番

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 379
レビュー : 77
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021273

作品紹介・あらすじ

私立医学部の雄・創陵大学皮膚科の准教授・菅井憲弘のもとに送られてきた患者の病変は、これまで見たことのないものだった。表面には赤黒いシイタケ状の肉腫。エイズ患者が発症する皮膚がんの一種「カポジ肉腫」と似ていたが、ウイルスがまったく別ものだった。やがて腫瘍が骨を溶かし、数日で全身に転移、意識障害を起こして死に至った。エイズの、がんの特効薬がまったく効かない。さらに数カ月のうちに日本列島で患者が同時多発。が、国も医療界もまったく手だてがなく、日本人を恐怖のどん底に陥れた-。その名は、「新型カポジ肉腫」。

感想・レビュー・書評

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  • 「無痛」の続編。なかなか描写がグロテスクで 怖い。
    医者である著者の本音がここそこに描かれている。

    病気を治すのが医者だがこの世から病気がなくなれば医者の仕事は成り立たなくなってしまう。

    日本人の検査好きとクスリ好きはどうにかならないものか。

  • どうやら『無痛』の続編みたい。
    むむ、『無痛』は読んでいないよ。でも、気にしない。

    病気の発生もコントロールできるような時代になったら……。周囲の動きに惑わされて「すぐ治したい、どうにかして欲しい」とパニックになって病院へ行ってしまいそう。
    そんなときこそ一息ついて、慌てずゆっくり様子をみるということも大切なのかもしれない。

  • 日本の医療界や根拠のない健康食品などのブームなどに一石を投じる作品。
    全体に漂う暗い雰囲気とグロさが何かのどに骨が刺さったままのようなスッキリとしない読後感に繋がっている。
    設定は面白く一気に読了した。
    プロフェッサー・ヘブラが指摘する日本人は「守銭奴」ならぬ「守健奴」には頷いてしまうところがある。

    ”人間ドックやメタボリック症候群の健診は、ふつうに考えれば、医療界と政府が結託した陰謀だ。健康な人間まで患者にしてしまうんですから。まさに洗脳です。日本の医療界はそれで大儲けをしているのではありませんか。”

    設定である新型肉腫に罹った人は健康オタクであり、治療によって病状が悪化する一方、田舎の医者嫌いのおばあさんが何もせずに快癒に向かうというのはあまりにも皮肉である。

  • 「破裂」「無痛」に続く、イバラシリーズ(?)第三作。
    前作前々作から更に(色んな意味で)エグさグレードUP。
    なんとか平穏に暮らしていた前作の登場人物たちが、それぞれに禍々しい人物に寄りつかれ、凶悪な事件に巻き込まれていく。
    救いが少ないなぁ…。 巨大な組織を前にすると、ここまで悲惨を極めるか…恐ろしい…。
    医療界の闇(ホントに闇)がここまでエグく描かれている作品も珍しい。
    でも、著者の訴えたい事も随所に散りばめられてる。
    そしてそれがいやらしく感じないのが、いい所。
    いよいよ、完結かな。 
    に、してもすごいわ。

  • 無痛の第二編。
    面白かったけど冗長の感。
    医薬品会社やらWHOやら大学病院の序列やら生々しいところは好き(笑)

  • 『無痛』の続編としての面と、”新型カポジ肉腫”にパニック寸前の日本を描いた面があまり巧く繋がっていない。
    病んだ音楽留学生の話はかなりウェイトを置いて描かれていたが、その必要性があっただろうか。

    プロローグ
    発症
    狂態
    栄光
    暗躍
    炎上
    エピローグ

  • 無痛の続編。無痛・第五番トータル的にドラマの方が面白かったです。字で読んで面白いと感じるのと映像で世界観を出して面白くできるものって違うな。

  • そして日本で突如発生した感染症「新型カポジ肉腫」。
    致死率の高いこの病気を、ある皮膚科医が治療法を確立せんと奮闘し、地位と名誉に飲み込まれ自滅していくさまが良かった。
    見た目で診断できる目をもっている精神科医、無痛病患者イバラ、高嶋菜見子。

    あたりまえに思っていた健康診断、抗生物質のことなど、違う視点で見ることができたのが新鮮だった。
    知らずに読んだのだけど、『無痛』の続編だったらしい。
    『無痛』のネタバレが盛り込まれているので、『無痛』を未読の人は気をつけたほうがいい。
     

  • ネタバレですが。。


    イバラの成長が泣けました。人ってこんなに成長するんだね。。ただ、イバラは薬で操られてなにも覚えてないはずなのに、薬を飲んだ後の行動を予測したなんて...小説、って感じです。
    あと、WHOの犯罪が怖かったです。本当のような気がして、事実と混同してしまいます。

  • 個々の章の完成度はなかなかなのだが、それでも読み終わって、あのシーンいるか?という場面を盛り込み過ぎ。この本、半分くらいの頁数で充分だと思う。映画でも編集が重要だという趣旨のことを聞くけど、この人、編集下手なのではないだろうか? もっとスッキリさせれば名作なのだ。

    医療業界の暗部についてはリアリティがあり怖気を覚えたが、『守健奴』なる言葉で括られる日本人の健康志向が揶揄気味に綴られているのは作者の持論の様に感じられ個人的に違和感があった。日本はそれありきで世界有数の長寿国(長生きが幸福かはさておき)となったのだから。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー。小説に、『破裂』『無痛』『悪意』『芥川症』『いつか、あなたも』『介護士K』、エッセイに『大学病院のウラは墓場』『日本人の死に時』など、医療分野を中心に執筆。

「2019年 『黒医』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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