けむたい後輩

著者 : 柚木麻子
  • 幻冬舎 (2012年2月24日発売)
3.47
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  • レビュー :178
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021396

作品紹介・あらすじ

大学で元詩人の先輩・栞子に出会い、心酔していく真実子。親友を栞子に取られたようで美里は面白くない。一方、栞子の恋人・蓮見教授は美里の美貌に心を奪われて-。女子大で入り交じる、三者三様のプライドとコンプレックス。

けむたい後輩の感想・レビュー・書評

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  • この作家初めて読んだ。出てくる登場人物が、設定的には非現実的な感じなのに、やることなすこと、妙にリアル。特に女性は、自分でも目をそらしたいような嫌な面がそれぞれの人らしく書かれていて、嫌なんだけど共感できる。
    主役のセリフではないけど…「形にする根気もなければ、伝えたいこともないんでしょ。勝負に出ないのは、何が何でも負けたくないからでしょ?」ってのが刺さってきた。ちょっと昔の自分を思い出して、胸が痛い。

  • 相変わらず、ファッションブランドや、横浜界隈のお店などの名前がカタログのように並べ立てられ、しかもちょっと古い。
    昭和の香りがしました。
    真実子はたしかにけむたい後輩。こんな人に慕われた栞子はいい迷惑、人生の進路をなにがしか狂わされたことでしょう。
    最後の豹変っぷりはもはや同一人物とは思えないほどでした。

  • あれ、読んだことあるの? と思ったけど、途中まで読んで図書館に返却したことがあるみたいだった。記憶力が……。
    まじ、けむたい後輩。
    慕われるのは悪い気はしないと思うけど、こうもべったりだとね〜。しかし、あれもこれも興味が湧くとのめり込んで、それで標準よりもできが良いってなんなんだ真実子は。羨ましいわ。
    最後に「あらすじは見習いが書いてくるべき」と言いたいことが言えて良かったよね。どっちもそれなりにガマンしていることがあったということかぁ。

  • 若干遅いとは思いますが、この作品でわたしは柚木さんのファンになることが確定いたしました!
    最初に読んだ「BUTTER」で圧倒され、次に手に取った「王女の帰還」で若干肩透かしをくらいつつも、さらに読んだ「ナイルパーチの女子会」「本屋さんのダイアナ」で私の中の評価がうなぎ上りになり、ついにこの「けむたい後輩」で私が死ぬまで読み続けたい作家さん認定!
    おめでとう!柚木さん!パチパチパチ☆

    強い女性、しなやかな女性を描ける作家さんはたくさんいてみんな大好き。
    でも、女性のカッコ悪さ、ずるさをズキズキ突き刺さるほどに書けて、かつ、その底に流れるまっすぐさ、たくましさをここまで書ける方をほかに知りません。

    栞子さんや「本屋さんのダイアナ」の杏ちゃんはイタイ、確かにイタイ。でも、真実子やダイアナにはない人生の奥深さというか人間らしさ、残念な感じの機微がものすごく味わい深いです。でも一方で真実子やダイアナのまっすぐさもまぶしく読んでいてすがすがしい。
    その両方とも、ネガティブな感情になることなく、素直に読んでいけるところが本当に大好き。

    ぜひこれからもたくさん読みたい作家さんです。
    応援しようっと!
    直木賞とれるといいな。

  • 最近、柚木さんの小説を何冊か続けて読んでいるけれど
    どうも、これは私にはあわなかった。
    途中で読むの止めようと思って
    ふとレビューをみると、結構よい評価。
    頑張って読み進めたらいいことあるかも、と
    思ったけれど。

    誰にも共感できないし、イライラしてしまいました。
    最後そうきましたか!とちょっとスッキリしたけれど、唐突かな。

  • 再読。図書館で一回借りたけど何回も読みたくて買ってしまった本です。
    栞子先輩ちょっと頭にくるときありますけど気持ちがわからなくもないですね。複雑です。
    真実子もキャラのせいかなかなか憎めません。
    美里はひたすら真っ直ぐで憧れですね。
    栞子さんみたいな女性はよくいそうですよね。リアルすぎます。
    終盤にいくまでイライラが多い話ですけど最後の真実子のセリフにスカッとしますね。急に態度を豹変させるのが腑に落ちない。
    でもあんな短期間に真実子はどう成長したのか気になります。

  • 気取ってかっこつけて自分に酔いしれている栞子はすごく嫌いなタイプ。かっこ悪い。その女を崇拝する真美子もこの上なくうっとうしい。栞子に群がる男たちも見ているだけで不愉快。
    非常に残念ながらこの作品は受け入れられなかった。どの登場人物にも全然共感出来ない。
    ただ、最後にようやく真美子が栞子にしっぺ返しする場面は胸がすっとした。
    多分作者は、最後のセリフのために長い長い嫌な場面を重ねてきたんだろうなあ。

  • 柚木さんが描く女性の気持ちは正直で残酷。あえてオブラートに包まない、きれいな盛り付けにしていない。“そのまま”の気持ちが胸にグサッとくる。

  • この人の作品のおもしろみというのは、登場人物たちのディスタンクシオン(差異化・卓越化)にあると思う。『終点のあの子』にしてもそうだったけれど、作品の舞台を小田急沿線や東急沿線、それも本作でいえば横浜山手に置いていること、その上学校という空間の中においていることは、この作品の基調と分かちがたく結び付いているように思える。

    主人公のあこがれの「先輩」は、才能と権威ある親のもとに育ち、けれどもその親に見合うだけの才能が自身にはないことを理解して、いわば状況を逆手にとるかたちで前衛芸術家や異端の哲学者風のシニシズムのポーズをとることを習慣化してしまった人間。主人公の親友は、友人がそのメンバーであるところの富裕層社会にあって、自身が不相応な人間であることを認識しており、生まれ持った容姿と人一倍の努力によって上昇しようとしている人間で自らの立ち位置を自覚した努力家。そして主人公はといえば病弱で底抜けのお人好し、人間づきあいに不慣れな資産家の令嬢。

    おもしろいのはこの主人公がお話の進行とともに大いに化けて、ノブレスオブリージュのことば通りに(現代風にしかるべき努力はしつつも)「天性の才能」をそこここで開花させつつ、神出鬼没に登場人物たちのあいだを行き来することで、彼らのこころを乱したり、励ましたりの活躍をするところ。そうして物語が展開していく過程で、「先輩」やその彼氏たちはこの作品において、いうなれば「ずるい方法」で卓越化を遂行した者たちとして弾劾されていくのである。

  • なんとなく独特な女の世界。
    栞子(またこの名前がなんと体を表していることか!)の救いのなさ、真実子(この名付けもなかなか秀逸かも)凶暴なまでの無垢さ。
    近づきたくない世界かもしれない。
    また、ここに出てくる男たちも・・・

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