- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344021440
作品紹介・あらすじ
高さ15メートルの津波、大量の放射性物質漏出、全電源喪失…。すべての危機は警告され、握り潰された。執念の独自取材衝撃の新事実!原発報道の雄・東京新聞の大反響連載、ついに単行本化。
感想・レビュー・書評
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学生時代に読んだ宮部みゆきさんの同名の小説では、『レベル7まで進めば、もう戻れない』という言葉が書かれていたように記憶している。福島原発事故のルポルタージュである、本書を読んでいる途中に、何度この言葉が脳裏に浮かんでは消えたことか。
第1章の『福島原発の1週間』は比類ないほどの緊迫感がみなぎる。淡々としたドキュメントは日本の存続がかかった激しい現場だった。
同じ時間を三重県で過ごしていた私にも強く伝わってくる。
風向きと逆の方向に逃げるしかないとラジオがアナウンスを繰り返す。
絶望的な状況の中でアンパンマンのマーチが流される。その時、進行する事態と向かい合っていた人々の様子が伝わってくる。
迫力のあるルポルタージュが読めることはルポ好きにとって幸せなことだと思うが、最悪の事故をテーマに読むことは不幸なことだったんだと思う。
最終章『X年の廃炉』を読むころには、『もう戻れない』の思いは頭の中でぐるぐる回っているだけではなく、口をついて外に飛び出す。 -
東2法経図・6F開架:543A/To46r//K
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事故から1年間の様子と原発推進の歴史。
さらっと読めるが、読み応えのある内容。 -
新聞社による信頼性が高い情報がまとめられた一冊。
安全指針が、対策を実施しないための口実として利用され、事故後は「想定外」「責任無し」の根拠とされた。 -
現場の混乱ぶりに
緊張しながら読んだ。
かなり分厚い本。
隅々まで読んだ。
おそろしすぎる現実だった。
フクイチは
収束してなんかいないのに
再稼働に動く・・・。
また同じ事故がおこったら
どうなるのか… -
章によるが、段落とかの繋がりが悪くて読みにくい。事前知識がないと読むの大変だと思う。情報資料としては役立つと思う。良い所もいくつかあったけど、読み終わって時間が経ってしまって忘れてしまった。
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科学的な根拠に基づいた説得力のある訴えで警鐘は鳴らされていたのにも関わらず中途半端にされた安全対策の結果が福島原発事故、と殊更に感じた。新聞連載時にも読んでいたけど、まとめて読むことによって新たに感じることもあった。「福島原発の一週間」「汚染水との闘い」「想定外への分岐点」「「国策」推進の陰で」「安全神話の源流」「X年の廃炉」