僕らのご飯は明日で待ってる

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 407
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021709

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わったところで涙が出た。ほっこり幸せな気持ち。私も未来の旦那さんとこうありたいな、と思った。小春の言葉がいちいち好きで、「キャベジン飲んだらよかったのにね」はなかなかに堪らなかった。

    愛、という感じがした。

    瀬尾まいこさんの本は2冊目で、やっぱり好きな作家さんだと感じる。

    葉山イエスと上村小春の恋の話。

  • 瀬尾まいこの作品は、一般的に不幸と言われることが起きていても登場人物が一見、淡々としているので悲壮感が薄くて明るく読める。でもその出来事にダメージを受けていないわけじゃなくて、その人の生き方、考え方に大きく影響していることが言葉の端々から読み取れる。
    身近な人の死を乗り越えた主人公が、病気の人を励ましている姿は頼もしかった。「もしかしたら、あの中でだって得たものもあったのかなと最近思うんだ。もし兄貴のことがあって、少しでも今、小春に手を差しのべることができてるのなら、わずかだけどよかったって思える」
    以下は、好きになるのが怖いの例えで笑った会話。
    「すごいおいしいステーキを食べたとするじゃん。もう滅多に食べられないくらいのすごいやつ。おいしくて幸せなんだけど、食べたらなくなってしまう」
    「そんなの当たり前じゃない。食べても食べてもなくならないステーキなんて、一種の嫌がらせでしょ。」

  • なかなか我が道をいく上村さん。
    唐突に振られて、直後にいかにもかわいい彼女ができたのにも関わらず、やはり上村さんを忘れられず、彼女と別れて上村さんに思いを伝える葉山くん。ひょうひょうとした二人の会話。こういう恋人同士もいるんだなと思った。そして、結婚までする。入院生活中のあれこれでタイトルの意味がわかった。

  • 幼い頃に兄を亡くし、友達付き合いをせずに黄昏れた日々を送る男子高校生と、そんな彼に好意を持つ女子高生。彼女も幼い頃、親に見捨てられた過去を持つ。こんな2人が、付き合いだしてからの日々が、作者ならではの優しい感覚で描かれる。
    黄昏れてる彼、あっけらかんとしたセリフをポンポン吐く彼女。共に根っこの部分が「良い人」だからなのか、2人の物語を読んでて、読み終えて、清々しい気持ちになれる。

  • 恋愛小説なのに全然甘くない。読みやすい。登場人物の気持ちの変化がリアルって言うか普通にありそうで好き。

  • やっぱり瀬尾まいこさんは読みやすいなぁと思いました。会話が心地良くてするする入ってきました。青春ものでもあり家族ものでもあり。互いの足りないところを補い合うような関係がすてきだなと思いました。最後の章がいちばんずしんと響きました。ちょっと泣いてしまった…

  • 瀬尾さんのお話はだんだん読んでいっています。
    切な楽しいお話が好きです。悪い人が出てこなくて、ドラマチックなことも起こらないけど、面白く読めます。
    今回の2人はお互い家庭環境に色々あり、離れたり近づくけど、気持ちは寄り添っている優しい2人です。淡々とした会話のラリーにほのぼのしました。

  • いつもの瀬尾さんの感じではなく、少し重めの部分もあるお話でした。全体に静かなんだけど、息づいている話。ただ、求めていたのとは少し違ったかな。

  • 葉山くんと上村さんのお話。いや、葉山くんの青春時代の1ページともいうべきか。家族事情とか、仲良くなったら話してもらえると期待した葉山くんの気持ちも分からなくない。この二人は、これからも二人三脚で生きていくんだろうな。

  • 兄を亡くして人生に希望なんて見出せなくて
    暗い性格マックスだった葉山を
    さりげなく明るい世界へと導いてくれたのは同級生の上村さんだった。

    高3の冬に付き合うことになった2人。
    それぞれ短大と大学に進学してからも付き合いは
    順調に見えたが、突然上村さんから別れを告げられ
    別の子と付き合ったりもした葉山。

    タイに行ったり、一緒にケンタを食べたり
    すれ違って見えてきたもの。

    一見サバサバしてなんの悩みもなさそうな上村さんだけど
    祖母の言うことに忠実で、
    本当な葉山のことが大好きなのに別れたりして、
    幼稚で無知で、それが痛々しいくらい健気だなあ。

    大切な人が1人いるだけで、十分十分。幸せ幸せ。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

瀬尾まいこの作品

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