- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344021716
作品紹介・あらすじ
恋敵と食べるごはんは、けっこう、美味しい。同じマンションでルームシェアをしている、まひるとわたし。共通点は、同じ男性の愛人であること。大ヒット作『ハニービターハニー』の加藤千恵、初の本格長編小説。
感想・レビュー・書評
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高級マンションでルームシェアをする奏絵とまひる。
2人の共通点は、40代既婚者の愛人であるということ。
非現実的だけど、とても興味深いストーリーでした。
語り手が奏絵のため、有り得ない設定が淡々と語られ、入り込みやすかった。
この環境で、まひるが壊れていくのは当然のこと。
平井は最悪の男だなと嫌悪感を感じます。
奏絵が自分を見失わなくて良かった。
出てくるご飯が、平凡でもどれも美味しそう。
2人とも幸せになれるといいなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
淡く彩られた表紙が可愛い。同じ男に囲われている愛人2人がお互いの関係を知りながらルームシェアをしているというなんとも・・・な設定。細くてお人形のように可愛いまひると、お料理上手で順応性のある奏絵。
平井さんは優しい男なんだろうけど、残酷すぎる人だと思った。彼を好きになりすぎて自分を見失っているまひるの弱さが哀しい。なんとなくだけど中森明菜さんを連想してしまった。 -
よく同棲ものを選んでしまう。女の子同士の同棲もの。
堅実な子と奔放な子で、奔放な子に惹かれるからやっぱり男ってバカなんだと思います。 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
裕福な既婚の男性に拾われ、用意された部家で生活費をもらいながら生活する2名の女の子。大きな事件が起きる訳でもないのに、些細な感情表現の積み重なりで話が進んでいく。
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17/09/25 (66)
読み終わったあとにタイトルを改めて読むとなんだか虚しい気分になる。かなしいとかせつないじゃなくてむなしい。
・まひるはうるんだ目でわたしを見ていた。まひるの顔を見ていると泣きそうになるけれど、視線を外すのはもっといやだった。唇に力を入れて、見つめた。
「奏絵ちゃん」
「うん」
楽しかった、とか、ありがとう、とか言われたら、もう我慢できずに泣いていたと思う。けれどまひるは何も言わなかった。きっと何か言ったら泣いてしまうからだ。(P183) -
表紙がかわいい、すき。出来事は非現実的だけど、なかなか抜け出せないうだっとした気持ちなんかわかるなあ。加藤千恵さんの本、他にも読みたい。
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なんとなくガーリーでかわいい雰囲気の作風なのに、確実に読んでる間ずっと暗いものがあった。
頭の中で本を読んでいたときの情景を思い出すと、あの部屋のことしか思い出せなくて、きっとこの本を読んだ人が実写映画化をするために監督になって映画にしたらみんな同じような作品になると思う、っていうくらい想像しやすい本だった。けど、最後まで何が伝えたかったのかよくわからずぬるーく読んでおわってしまった。
けど、私に影響を与えたことといえば、細かく料理名など書いてあってわたしも料理したくなって、最近料理をはじめました。 -
あまりに現実的で無い設定に、ちょっと浮世離れした内容の本として読むことにした。だが、やはり「妻子ある平井という男性がマンションを所有し、同時に2人の愛人に部屋を与え同居させる(愛人お手当あり)」という姿に、軽い嫌悪感。愛人その1のまひるは正統派な愛人スタイル。愛人お手当でひたすら彼の事を待つタイプ。愛人その2の奏絵は、フリーターとしてかろうじて外界と繋がりを持つ。次第に精神のバランスを崩していくまひる。そんな中でも動じないタフな平井にいらついてしまう。まひると奏絵が「現実」を取り戻せますように。
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ざっくりとしか、読んでいないのだけれど。
タイトルに反してというかタイトル通りにというか、甘くて甘くてでも不穏な。
しかしなかなか良い読後感。 -
加藤千恵初の長編小説ではないだろうか。マンションも男も共有する奏絵とまひるの複雑な関係、ふたりと不倫関係にある平井なんかはどうにもこうにも江國香織の小説に出てきそうな登場人物と設定である。加藤千恵は好きだけど、江國香織と比較してしまうので少し物足りなさを感じる。歌人なので長編小説より短編の方がうまいかなと思う。相変わらず主人公が好きになるのはダメ男なのはもうデフォルトなのね。2012/685
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おうちに住んでる女の子ふたり。
それは彼のおうち。
二人とも彼に、拾われた?
かわいそうに
抜けられない子ぉたちの話。 -
2014.11.5
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不思議な三角?四角関係。
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加藤千恵さんの短編で心ごっそり持っていかれたのを期にすっかりファンに。
愛人二人がひとつ屋根の下で暮らすというちょっと非日常の世界。
だけど、語られている世界は些細な日常的なことだったりする。
大きな進展はないけれど心の交流がほんわかと綴られていて、あたしも自然と優しい気持ちになってました。 -
これといってやまがあるわけじゃない。まひると奏絵ちゃんと平井さんの不思議な同居?愛人?生活で、ただただ好き好き!だったまひるがラスト成長するシーンは素敵だなと思った。
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愛人同士が同じ部屋に住み、食事を通して、なんとなーくお互いを理解?していくようなお話でした。
軽く読みたかったから、これにしたんだけれど…簡単に読め過ぎました。
もう少し、深い感じがあればなーと。 -
普通ではない異常な関係、生活、人生を過ごす3人。しかし、それにもかかわらず物語に起伏を感じられないような語りだった。淡々と進んでいくなかに、読ませる何かがあったと思う。正しい選択と自分の選択が違ったっていい。
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可愛い雰囲気でありつつ、いろいろ考えてる女らしい世界。
もっとどうにかなるかと思った。 -
高級マンションの一室で暮らす、わたし・奏絵とまひる。ふたりの共通点は、同じ男性の愛人であること。
「この日々が永遠じゃないことはわかっている。けれど、永遠なんて、どこにもないのだから、それで構わない」。そう割り切って始めたはずの奇妙な共同生活。
だが、食事をともにする機会を重ねるうち、奏絵は、まひるとの生活を、大切なものへと思い始めている自分に気づく――恋敵と食べるごはんは、どうしてけっこう美味しいんだろう。
私の大好きな作家、加藤千恵の長編小説です。
同じ男性の愛人である二人の女性がルームシェア。とっても奇妙な関係ですが、そこにあるのは愛しくて微笑ましい穏やかな生活。
それでも危ういバランスでしか繋がっていられない二人の心が、丁寧に繊細に描かれていてそれがとても切ないです。
少ない登場人物でもここまで豊かな物語がつくれるんだなぁと思いました。
ドロドロした設定ですが読了後は少し優しい気持ちになれます。