置かれた場所で咲きなさい

  • 幻冬舎 (2012年4月23日発売)
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  • 本 ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344021747

感想・レビュー・書評

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  • Bloom where God has planted you.

    という英詩を、著者は、30代半ばの、心乱れることが多かった時期に、一人の宣教師より頂いたとのこと。
    ここから、本書は始まっています。

    英詩の意味は、「神が植えたところで咲きなさい。」


    著者、渡辺和子さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。

    ---引用開始

    渡辺 和子(わたなべ かずこ、1927年2月11日 - 2016年12月30日)は、キリスト教カトリック修道女 (修道女名:シスター・セント・ジョン)。 学校法人ノートルダム清心学園理事長。北海道旭川市生まれ。

    ---引用終了


    で、本書の章立ては、

    第1章 自分自身に語りかける
    第2章 明日に向かって生きる
    第3章 美しく老いる
    第4章 愛するということ

  • 渡辺和子さんからは生きることについて教えていただきました。

  • ▼感想
    ・渡辺和子さんの書籍は二冊目です。本書は特に第3章の「美しく老いる」が良かったです。ネガティブなイメージがある「老い」に対して、渡辺さんのやさしい文章でネガティブイメージが崩れていく様でした。

    ▼メモ
    ・ところが、私からのほほえみを無視する人たちがいました。そんなあいてに“ いきどおらず、美しいわたしであるために”、私はこう考えることにしたのです。「今のわたしのほほえみは、“ 神さまのポケット”に入ったのだ」と。そう考えて、心の中でにっこり笑うことができるようになりました。美しいわたしであるために、むしろ、ありがたくさえ思えるようになったのです。

  • 道に迷った時や壁にぶち当たった時に、この本を読むと、ヒントになる言葉が見つかります。
    体験をもって綴られた言葉だから心に響きます。

  • いのちは大切だ、いのちを大切に。。
    そんなことを何千何万回言われるより


    “あなたが大切だ”


    と誰かにそう言ってもらえるだけで生きてゆける。



    ふと読む手がとまって考えた。
    たしかにそうだなって、思った。

    存在を認められるだけで、人はもっと強くなれる。

  • 書店でよく見かけたり、実家にもずっとあったのは知っていたのだけれど読んだことはなく、今回縁があったので初めて読んだ。
    心がざわつくことが多い最近なので、落ち着かせて自分を取り戻すのにとても良い本だった。

    著者の渡辺和子さんが二・二六事件の犠牲者のお子さんだとは知らず、びっくりした。幼い頃に目の前で父親を銃殺されるのがどんなにか辛い経験か、胸が痛んだ。
    けれどきっとだからこそ、神と共に生きる決意をし、周囲に愛を伝えるシスターになったのかなとも思う。

    ・境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる
    ・欲望に振り回されてはいけない、自分がして欲しいことを人に与えなさい
    ・存在を認められるだけで、人はもっと強くなれる
    ・思わぬ不幸な出来子供や失敗から、本当に大切なことに気付くことがある
    ・時間の使い方は、そのままいのちの使い方になる
    ・愛は生きる原動力
    ・毎日を「私の一番若い日」として輝いて生きる
    ・一生の終わりに残るものは、我々が集めたものでなく、与えたものだ
    ・謙虚になることが成熟の証
    ・信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておく
    ・「人に迷惑をかけない」から一歩進んで、「手を差し伸べる」気持ちが愛の実践
    ・「ていねいに生きる」とは、与えられた試練さえも両手でいただくこと

  • 上へ咲けないそんな日は、下へ下へと根を太く長く伸ばそうと、そんな気持ちがわかるようになってきた。時間の使い方を大切にしよう(なるべく)。
    (キリスト教徒の教えを根底に書かれていて、私はそうでないのでその辺りはわからないが)

  • <時間の使い方は、そのまま、いのちの使い方なのですよ。置かれたところで咲いていてください。> p13

    「んなこといわれてもなあ……なかなか納得がいくものではないんだよなあ」と思いつつ、そのほかのエッセイも読み進めていきました。著者なりの固有の人生で積み重ねられた体験や経験、学んだ教義や聖書を読み解いて得たもの、好みの詩など、そのようなバックグラウンドから発せられる柔らかくて筋の通った言葉たちと、まず出だしのインプレッションでかみ合わなくとも、読み手としては冷笑的にならずに向かい合うのがフェアだと思ってそうするわけですから、著者の言い分と自分の考えや感じ方との落としどころを考えながらの箇所が数多くでてきます。咀嚼しつつ、自分なりの解釈をしていく。この言葉のこうこうこういう部分だけならわかる、だとか、自分もできそう、だとかいうように。まあそれでも、読み進めるうちに著者との距離感がわかってきますから、そうするとすんなり「そうかぁ」と読むところも多くでてきます。

    <‟あなたが大切だ”、と誰かにいってもらえるだけで、生きて行ける。>(存在を認められるだけで人はもっと強くなれる)p71

    この言葉は、承認されることで自分のいのちを大切にすることができるし、承認することで他者のいのちを大切にすることができる、と言い換えることができます。昨今、人には承認欲求があるなんて言われますけれども、それを否定的にとらえて、承認欲求なんてくだらないだとか、そんなものを求めてくるな、だとかネット世界ではよく言われているのを目のあたりにしたりします。本書の言葉を嚙みしめるならば、いかにネット世界に冷淡なふるまいが多いか、というのが無情にもわかってくると思います。(僕もそれとは別の意味では、きっと冷淡だ、とされる行為をしているとは思うので、そこも反省点なのですが)

    <時間の使い方は、そのままいのちの使い方になる。>(待つことで、心にゆとりができると気づいた時、生きている現在は、より充実したものになる)p79

    これは、時間はいのちと同じようなものなのだから、大事に節約したり無駄にしないようにしたりしなさい、というのではないんです。実はその真逆で、生き急がないで待つことを覚えましょう、というのでした。「待つ」ことができることこそ、待てないことよりも、いのちの使い方としてまっとうだと述べられています。豊かさ、とはおそらく「待てるほう」なのでしょう。

    <信頼は98%。あとの2%は相手が間違った時の許しのために取っておく。>(この世に完璧な人間などいない。心に2%のゆとりがあれば、相手の間違いを許すことができる。>p139

    相手を信じることこそ尊く、他者への全面的な信頼はクリスチャンの基本のようにすら思えるのですが、著者は人生経験を積んで98%がちょうどいい、と考えています。なぜなら、信頼していて、言葉が悪いですが裏切られるときもあります。意図せず失敗したりなどもありますから。そんなときに、100%信じていたら許せなくなってしまう。2%のゆとりこそ、相手を許せる心持ちを生むということでした。

    <「ていねいに生きる」とは、自分に与えられた試練さえも、両手でいただくこと。>(すすんで人のために自我を殺すことが、平和といのちを生み出す)p157

    これは自己犠牲の領域の話です。実は僕はこういうことの多い生活を送っています。それは介護などをしている影響がありますが、それ以上になんとなく自らの性質として平和を生み出そうとする気持ちを持っているっぽいとも思えるのです。でも、そこを指摘しくれたりわかってもらえたりしたことはないですが、まあ、好きでやってるんだよ、といった気持ちでいることがほとんどです。たまに嫌になりますが、そこがたとえばクリスチャンの方々からすれば、まだまだ修養が足りません! となるのかもしれないです。

    というような人生訓が、50項ある本です。ゆったり読むと、安らぎを感じられますね。この時期、あたたかな部屋で、あるいは毛布にくるまるなどあたたかくして本書のページを開くと、心のほうにも遠赤外線のようなぽかぽかさが自然と宿ってくるかもしれません。

  • ゼミの紹介で知った本。
    どんな状況におかれても、その心持ち次第で成長・成功することが出来るという本であり、論文(かなり大変)を書いているときはこの本にとても助けられました(笑)。

  • シスターと言えども人の子。怒りもするし、悩んだりもする。

    年末から、自分という人間の小ささに嫌気がさしたりしていたのだけれど、シスターでもなんでもないのだから多少駄目でもいいか、というような気がしてきた。もちろん主題はそこではないのだけれど。

    「癒す」までは難しくても周りの人を笑顔にできるようにしたいなぁ。今のところは笑顔にしてもらってばかりかも。

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著者プロフィール

1927‐2016年。修道者。9歳の時、二・二六事件で父・渡辺錠太郎を目の前で暗殺される。聖心女子大学、上智大学大学院卒業後、ノートルダム修道女会に入り、アメリカに派遣されてボストン・カレッジ大学院で博士号を取得。その後、36歳の若さでノートルダム清心女子大学学長に就任し、のちに同学園理事長、日本カトリック学校連合会理事長となる。『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎、2012年)は230万部を超えるベストセラーとなる。その他、『面倒だから、しよう』(幻冬舎)、『目に見えないけれど大切なもの』(PHP研究所)、『幸せはあなたの心が決める』(PHP研究所)、『どんな時でも人は笑顔になれる』(PHP研究所)等、数々の名著を世に贈りだした。

「2018年 『あなただけの人生をどう生きるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺和子の作品

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