- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344022102
作品紹介・あらすじ
殺したいほどの姉がいたから私は幸福だった。四月一日に生まれた、双子の姉妹、よしえとときえ。嘘をついてばかりの人生だけど、あのことだけは、絶対に知られてはいけない-。『夜にはずっと深い夜を』でその才能を絶賛された奇才の女芸人が紡ぐ、さらなる傑作。
感想・レビュー・書評
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前作『夜にはずっと深い夜を』では
バラバラのピースに過ぎなかった物語を、
今作はメビウスの輪のような構成に仕上げた作品。
前作も面白かったけど、今作はそれを上回る出来だと思う。
すべての物語が連なっているようなタイプの小説は
今までに何度も読んだことはあるけど、
ここまで各短編のスタイルが違うのは初めてかも。
完成度が高い。
「←ラブレター」が特に気に入った。
「縦読み」ならぬ「横読み」のアイデアが好き。
何気ない文章の中に狂気じみた想いをつめこんで。
手紙での独白スタイルに江戸川乱歩の「人間椅子」を連想させた。
「カルテ」もいいなあ。構成が素晴らしい。
「チェックメイト」は終わりという意味に加えて、
詰み→罪とかけてあるのかな。
あと、124ページの自画自賛に笑ってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の双子を、一応中心に据えて、その周囲の人間のおかしさをえがいている作品。肝心の双子設定を活かしきれていない感はあるけど、それぞれのエピソードは面白い。会話や長台詞のリズム感にひきこまれたけど、描写は些か雑に感じた。エピソードだけじゃなく内面も読みたかった。
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女性芸人 鳥居みゆきさんの小説集。
いやぁ~ この文章力にびっくりしました!
シュールで不気味な世界観なんだけど
ひきこまれました。
この人 すごい作家さんになりそう!! -
タイトルに惹かれて手に取ったらまさかの鳥居みゆき…
オムニバス?の短編集。一度ネットで短編の一つを読んでコリャすげーと思ったが、この本もドギツイ話だった。
オーケンに通じるものがあるよね。オーケンのがまだ夢があるかな。
芸人としてはカケラも面白いと思ったことはないけど確かに多彩の人だなあ。 -
一つ一つは本当に短い掌編。だからさらさらと気を抜いて読んでいたら途中で壮絶な後悔をすることに!一度戻ってじっくりと読み直し、読後さらにループして二周目。今度は散らばった小さなつながりにドキドキしながら堪能しました。前作で感じた飛び抜けた才能を思ってかなりハードルを上げて読み始めたのに、読み終わってみると今回も緻密に計算されていることに脱帽するばかりです。読み返すたびに違って感じる、彼女らしいシュールさと得体のしれない怖さ。彼女でなければ表せないであろうこの世界観をまた是非お願いしたいです。
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連絡帳のところがすきだった。まえのと違って一貫したストーリーになってておもしろい。時間軸がごちゃごちゃしたり双子だからどっちのことだかわかんなくなる混乱が鳥居みゆきっぽい。
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鳥居みゆきの小説第二弾。
彼女のコント同様、不条理な世界観を小説の中で表現してる。
わかりにくい箇所もあるし、あえて突き放してる感もあるけれど、全体的に面白かった。 -
図書館 14.10.15
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不思議な鳥居みゆきパラレルワールドに迷い込んだ感じ。主人公の一生の話、会話口調で進むので、時々来れった誰のこと?・・と見失ったりしたが、怖いけどおもしろいと思う。
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私にはよくわからなかった。
他人からどう見られるのかを重要視することも
他人のために生きようとすることも
そのような生態があることはわかるけれど
結局は因果応酬なのではないか。
ということで、200ページもかけて読まなくてもよかった気がする。
あ、ドグラ・マグラを少し思い出したな。。。
払ってもいい金額:200円