絢爛たる悪運 岸信介伝

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 84
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022386

作品紹介・あらすじ

長州の政治家血族として生を享け、帝大卒業後は少壮官僚の力を発揮し、39歳で満州経営に乗り出す。A級戦犯容疑で巣鴨プリズン拘留後、無罪放免されると、一気に政治の世界を上り詰めた。保守合同後、59歳で自民党初代幹事長に、翌年第56代首相に就任。60年安保改定にひとりで立ち向かった。口癖は「金は濾過して使え」。家族には決して怒らない優しい素顔と、一方で上長を斬り捨てる一面も見せる。情と合理性としたたかさを併せ持った、昭和の傑物政治家の全て。

感想・レビュー・書評

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  • 読むとすぐ眠くなる本で、最後まで読むのがつらかった。義務的にやっと読了。安倍晋三さんもあちこちで登場。

  • 昭和の怪物、岸信介の評伝。巣鴨を出獄し、そのまま、弟である佐藤栄作さんの大臣官邸に転げ込み、煙草を一服するところや、戦犯として護送される大阪駅頭で、佐藤夫人に泣いて励まされる場面等、本当に秀逸ですね。

  • 本作のほうが先に上梓されてますが、笹川良一氏の評伝に引き続き、著者の作は2冊目。
    現代の政治家にはない、大物っぷりのエピソードが楽しめました。頁数は少ないけれど、政府視点の安保改定の話も興味深く。
    今抱えている政治問題も四半世紀すぎれば、どのような視点で語られるのでしょうかねぇ。とか考えたりして。

  • カテゴリは、政治というより、現代史?伝記?
    ①安保新条約が自然承認となる夜。
     弟佐藤栄作と二人で。
     「情けあるなら今宵来い、明日の朝なら誰も来る」
    ②P423
     かつてアメリカを敵に闘った側がいまはアメリカとの二国間条約を締結し、大統領を招聘する立場に立っている。反対運動の先頭に立っている文化人、学者、学生たちは「反米」「反安保」だと言い、中ソ共産圏に与せよと叫んでいる。学者、文化人の多くは対英米戦争開始のころは、親英米派だったのではなかったか。「戦後の民主主義というモノはいったいナンだったのかね。GHQの遺産が反米になったんだから、ボクはね、マッカーサーに責任を取ってもらいたいね」
     ※日本人だけか、大衆というものはそういう性格のものなのだろうか。
    ③一国を担うということは、悪役を引き受けるということだ。

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著者プロフィール

工藤美代子(くどう・みよこ)
昭和25(1950)年東京生まれ。ノンフィクション作家。旧チェコスロヴァキア・カレル大学を経て、同48年からカナダに移住し、バンクーバーのコロンビア・カレッジ卒業。『工藤写真館の昭和』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。そのほか『国母の気品 貞明皇后の生涯』『香淳皇后と激動の昭和』『美智子皇后の真実』『美智子さま その勁き声』など著書多数。

「2021年 『女性皇族の結婚とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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