日本経済大消失 生き残りと復活の新戦略

  • 幻冬舎 (2012年12月3日発売)
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本 ・本 (220ページ) / ISBN・EAN: 9784344022980

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと中身が合っていない。日本経済の本質について鋭く指摘し、その改善案を述べていて勉強になる。

  • 読了。日本経済を支える自動車と家電の比較、アメリカのシェールガス革命、日本のこれからの成長産業として医療・農業・観光を挙げている。中原圭介の本やブログは大ファンだけど、いまいちかな。
     今回この本は図書館で借りて読んだんだけど、誰だか知らないけど図書館の本に書き込みするなよ、線ひくなよ!そういう常識ない人がこの本読んで儲けようとしたって難しいと思うけど。。。

  • 全般的にオリジナリティが全く感じられない。寄せ集めただけの情報なので読む時間もったいない。

  • 本のタイトルから想像した内容とは全く違った。日本の将来に対して、とても期待できる内容だった。その要旨はエピローグにギュッと凝縮して書かれている。まずはエピローグから読み始めて、そうするにはどうしたら良いかと言う視点で、本文を読み進めた方が良いかもしれない。いずれにせよ大変多くの気づきと希望をもらえる本。購入。

  • 日本経済の低迷と、これからの復活策を簡単にまとめられていて分かり易かったが、内容的にはそう簡単にはいかないような気が。。。
    自動車がしっかりと、持てる技術をあけすけにせず、日本のことを優先して考えろ。あとは医療、農業、観光だ??
    ☆3

    家電の経営陣の読み違えを厳しくし的する反面、地球温暖化がでっち上げなので、電気自動車これからも普及すぐにはしない。とか自動車産業には日本の(特にトヨタに)好意的な話。(ありがたいといえばありがたいが、もっと厳しい見方もあろうかと思うが)
    デフレ脱却は、そもそも物価の前に、給料をあげないとと言った展開。確かにそうおもう。特にこの頃のアベノミクスとかで本当に循環し始めるのか?(ただ、賃金の下がり具合と、物価の下がり具合で、賃金が先だったので、原因はそれとの論は、少し決めつけ過ぎとも思うが、、、)

    <目次>

    プロローグ
    生か死か、復活か沈没かー本当の瀬戸際に位置する日本経済ー
    日本国民の生活は欧米や韓国に比ぺればまだマシ
    刻一刻と迫る日本の本当の没落
    日本経済を生き抜く4つの視点

    第1章 日本家電メーカー、大敗北の理由
    経営者が犯した3大失策
    判断ミス①時代の流れを見誤った設備投資
    判断ミス②コスト競争には向かない生産方式
    判断ミス③行われなかったマーケティング
    大手家電メーカーは8社もいらない
    日本の家電メーカーの正念場はこれからだ
    「変化」に対応できない企業は生き残れない
    アジア勢にはない日本の武器
    「コスト競争型事業」から「非コスト競争型事業」へ転換せよ
    競合相手の少ない市場でのブランド戦略を怠るな!

    第2章 自動車敗戦という悲劇は起こるのか?
    自動車も家電と同じ運命を辿るのか?
    地球温暖化のねつ造でつくられた電気自動車ブーム
    電気自動車は売れない
    世界であと10年は八イブリッド車が売れまくる
    「擦り合わせ」技術こそ、日本の製造業の切り札
    アップル最大の武器、「擦り合わせ」技術
    フォルクスワーゲンが目論む「規模の戦い」
    シェールガスが自動車世界を変える
    10年後も20年後も明るい日本の自動車産業の未来
    トヨタのような企業がある限り、日本は沈没しない

    第3章 日本はデフレを克服できるのか?
    デフレの本当の正体
    資本主義の行き着く先は、「薄利多売経済」
    企業が消費者の言いなりになる限り、国民所得が上がらない矛盾
    金融緩和が国民の所得を下げる
    国民の所得が減り始めた出発点とは?
    建設業が奮闘していた時はまだ良かった!
    サービス業の限界
    金融緩和は物価上昇を引き起こすだけ
    成長産業の育成でデフレ脱却へ!
    日本再生のカギは家族的経営!

    第4章 成長産業で日本経済大復活
    カギをにぎる3つの有望分野
    頑張るだけ無駄ー日本農業の現状
    日本の農業強化に必要な経営感覚
    日本の農産物が秘める最強の輸出品への可能性
    世界に誇れる日本の観光資源
    観光大国化に向けた課題
    観光を入り口とした経済の波及効果への期待
    世界の先端を行く日本の医療産業
    日本の医療技術で海外の需要を取り込め
    医療にも求められる「差別化」

    エピローグ
    欧米化でいびつに変質した日本社会
    「社会は家族である」ー終身雇用制の意義

  • この作者にしては、今一。
    日本の自動車メーカーは、家電メーカーとような衰退はしないだろうと予測。
    トヨタは、将来的にはシエアをあげていくだろうと予測。
    日本のデフレは「所得の減少」「消費の減少」「物価の下落」の順番でデフレが続いている。
     シエールガスの発掘、普及が21世紀最大のイノベイションとなる。
    日本の経済の大復活の有望分野は、「農業」「観光」「医療」の3つの分野である。

  • この本の著者である中原氏が冒頭に書かれているように、これは彼が日本経済について初めて解説した本です。日本の業界において、電機メーカは勝者と敗者に二分される、自動車メーカはハイブリッド車を中心に強みを発揮することができると予想しています。

    また、アメリカを中心に起きているシェールガス革命が自動車・発電業界に与える影響についても書かれていて参考になりました。電気自動車の将来は今後見直される可能性もありそうですね。

    彼によれば、今後の日本で有望なのは「農業・観光・医療」のようですが、この業界が20年後に今と比較してどのように変わっているのか観察を続けたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・薄型テレビにおいて日本が敗れたのは、1)設備投資の誤り、2)生産方式の誤り、3)マーケティングの誤り、である(p24)

    ・2000年代に入って、経済のグローバル化が進むとともに、製造業の世界では「垂直統合」モデルから「水平分業」モデルへの移行が加速した(p32)

    ・世界最大規模のEMS企業は、台湾にあるホンハイ精密工業で、そのグループ売上は10兆円で殆どが組み立て費の積み上げであることが驚異的、その売上のためには年間125億個を超える製品生産が必要、日本の生産規模は1社ではメガを超えられない、サムスン電子が警戒するのはホンハイ精密工業(p35、47)

    ・新興国で成功する秘訣は、それぞれの国の生活習慣や文化、宗教をよく知ることで、現地の消費者が何を欲しがっているかを徹底的にマーケティングすること、そのためには現地法人への意志決定の権限移譲も必要(p37)

    ・収益源となる独自技術は公開しない代わりに、関連機器との接続はオープンにして自社製品の普及を促すという戦略にインテルは変更した(p51)

    ・総合電機メーカは当初はデジタル家電を手掛けていたが、アジア勢が有利になると縮小して、安定収益の見込める発電所や鉄道設備の建設をいった社会インフラ事業へと経営資源を集中させた(p55)

    ・簡単には模倣されない高い技術を持ち、コスト競争に巻き込まれることを避けるようにするのが日本企業の目指す方向性(p57)

    ・エンジンとエンジン制御技術がブラックボックスになっており、完成車メーカ以外はその内部構造を知ることができなかったが、電気自動車は系列メーカでなくとも簡単に作ることができる(p66)

    ・地球が人間のせいで温暖化していることを懐疑的に見る科学者・研究者が少なくなかったが、それがあまり表に出なかったのは、IPCCがノーベル平和賞をとったことに加え、IPCCが彼等に圧力をかけていたから(p72)

    ・オバマの挙げた「グリーン・ニューディール」の狙いは、電気自動車を太陽光や原子力で発電した電気で走らせて、CO2排出を抑えるというもの(p75)

    ・オバマ政権は2012年に34年ぶりに原発新設を認可したが、2013年では増額要求を取り下げた、これにはシェールガスの普及がアメリカのエネルギー政策を転換させたことを意味する(p77)

    ・COPを主導してきたEUは、域内の債務危機と財政再建で米国と中国に迷惑をかけているので、COPの枠組み自体は実質的に崩壊する(p79)

    ・地球温暖化がウソと判明しつつあるので、電気自動車は大きな転換点を迎えている(p79)

    ・10年後の世界市場における電気自動車のシェアは1%もないだろう、その一方でハイブリッドは30%に迫り、欧州の得意なディーゼル車のシェアを奪うだろう(p80)

    ・トヨタはフォードと共同して、大型車向けのハイブリッドエンジンを開発することで合意し、それらはピックアップトラックに載せられるだろう、エース級の車種におけるエンジンに対して、トヨタの技術を使うことを意味する(p83)

    ・トヨタが中国の要求する通りにハイブリッド技術を公開してしまえば、川崎重工の新幹線の二の舞になる(p85)

    ・米国産業界はシェールガスを利用できる体制へ急速に方向転換している、まずは石油火力発電所の新規建設が取りやめられ、ガス火力発電所の建設が増加している、ダウ・ケミカルはシェールガスを原料に使ったエチレン工場建設をしている(p98)

    ・シェールガスを精製分離すれば、良質な水素エネルギーが安全に取り出せることがわかってきたので、次世代自動車が燃料電池車になる可能性大、排出は水のみ、水素充填時間はガソリン車と同じ、走行距離はプリウス並み(p100)

    ・シェールガスの普及により、トヨタの優位性が増す、燃料電池車の開発は1992年から実施して2015年の販売開始、また日本国内のタクシー(液化天然ガス車)の9割を作っている(p101)

    ・トヨタは2017年に液化天然ガスで走るタクシー生産を中止してハイブリッド車に切り替える(p102)

    ・所得の減少→消費の減少→物価の下落の順序が正しく、物価の下落→所得の減少→消費の減少ではない(p116)

    ・日本の労働者所得を減少させている3つの出来事は、1)薄利多売による競争激化、2)金融緩和の長期化、3)経済のグローバル化による雇用喪失(p120)

    ・アメリカではインターネットの普及により、小売業に占めるネット通販の存在感が増して価格破壊の流れが拡大している、アマゾンが仕掛けた値下げ攻勢により、家電量販の業界2位(サーキットシティ)が破綻、最大手のベストバイも赤字決算(p123)

    ・日本でも、ゾゾタウン、ケンコーコムは、アマゾンとの値下げ競争で疲弊して2期連続の赤字、楽天との資本業務提携をすることにした(p124)

    ・自動車産業は素材や部品数が他の製造業と比較して桁違いに多く、全体の雇用者数は545万人にのぼる、そのお蔭で、鉄鋼メーカや工作機械メーカの競争力が保たれる(p147)

    ・クロスカンパニーは、H&MやZARAと並んで凄い勢いで業績を伸ばし、店舗数も400を超えている(p160)

    ・日本の農業総生産額は、2010年で8.1兆円で世界5位(中国、米国、インド、ブラジル)だが、その半分は税金や補助金で救済されている、総生産額自体は1984年の11.7兆円をピークに減少し輸出は20位(p167)

    ・現在の所得補償制度は、全国の8割を占める兼業農家を永く生きながらえさせるための政策で、努力をしなくてもよいというメッセージ(p170)

    ・1991年に牛肉自由化されて肉牛農家は3分の1(7.4万戸)になったが、1戸辺りの飼育数は38頭へと3倍になって生産性が高まり海外と競争ができるようになった(p177)

    ・富裕層や中間層が最も増えるのが、中国・インドを含むアジア地域、2010年に1億人だった富裕層は2020年には3.5億人、14.6億人だった中間層は23.1億人になる(p185)

    ・医療技術として、癌細胞のDNAを破壊する放射線治療(陽子線や重粒子線)は従来のエックス線やガンマ線と比較して正常細胞を痛めるリスクが少なく、高い治癒率を上げている、また「ホウ素中性子捕捉療法」は、癌細胞のみをピンポイントで狙い撃ち可能(p196,202)

    2012年12月17日作成

  • 歴史を踏まえた視点と、僕みたいな素人にもわかりやすい語り口が好きだ。タイトルと表紙が軽薄な点が惜しい。

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶應義塾大学卒業後、金融機関や官公庁を経て、現在は経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。大手企業・金融機関、地方公共団体等への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に務めている。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。実質賃金、実質成長率など、名目数値よりも実体経済に近い数値推移で市場を把握する。著書に『AI×人口減少』(東洋経済新報社)、『日本の国難』(講談社現代新書)など。

「2021年 『マンガでわかる その後の日本の国難 稼ぐ力の高め方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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