- Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344023208
作品紹介・あらすじ
妻の不倫現場を凝視させられながら、公安捜査員として鍛えられる男。公安部の差し金によって最愛の娘を失った恨みを胸に、刑事部に生きる男。二人は所轄時代の盟友だった。「元警官殺し事件」。警視庁上層部をも巻き込む大事件を巡り、二人は再び相まみえる-。
感想・レビュー・書評
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最新作「血の雫」を読んで、この作品の続編かと思い、調べてみたら、読んでいないことが発覚。
早速読んでみると、全然「血の雫」とは関係なかった。
しかし、刑事VS公安の駆け引きがスリリングで、何故発売当時、スルーしていたのかは、謎…
デパートで警備員をしている警察OBの首つり死体が、公園で発見される。
捜査を担当する刑事の兎沢は、被害者の勤務先から、何かを探っている気配を感じ取り、殺される前に持ち去ったデータを追ううちに、元所轄の先輩で、ある事件の失敗から公安に異動した深水と対立することとなる。
つい、刑事側の目線で読み進めてしまい、「公安=悪」と思い込んでいたが、ラストに近づくにつれ、逆転に次ぐ、逆転の展開に、どちらが本物の正義なのか、分からなくなった。
ラストには、多分本来の作者の得意分野である知能犯の出番もあり、警察小説ファンとしては、溜まらない一冊。
物語の背景はスマホが普及し始めた当初で、その辺は時代の変化を感じるが、また何年か経っても読みたくなる作品だった。 -
場面がちょうどよく切り替わってスピード感があって、面白かった。
現実に公安部と刑事部がここまで不仲だったら、怖いものがある。 -
一般人からしたら、「同じ警察官でしょ~」と思うけど、中の人たちにしてみれば違うらしい、刑事と公安。
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面白かった。
ぐいぐい引き込まれたな。
ほんと、それぞれに流し続ける血の轍は
決して、交わらない。
正義なんて不確かなものかもしれない。
絶対的な正義なんて、
たぶんこの世にはないんだよね。
誰も救われないけど、善人面した奴も
出てこない分いいかもしれない。 -
警察小説ではよく描かれる公安対刑事という図式。
本書も例にもれずという感じだが、ちょっとあまりにえげつなさ過ぎて、リアリティに欠ける気がする…。(本当にここまでのことが起きているとしたら恐ろしいが。)
警察の符丁が多用されていて、さらに時間軸が前後して書かれたり、組織や人物同士の関係性を物語が進む中で見せるという描き方のためにそれが見えてくるまで全体像が掴みづらいなど、慣れるまで読みにくかった。後半までいくのに結構時間がかかってしまった。
結末も後味の悪いものとなり、エンタテイメントと割り切ればいいのかもしれないけれど、なんとなくすっきりできないので★は3つ。 -
専門用語飛び交う刑事と公安の世界を見事に小説にしているが、話が複雑すぎて今ひとつ何をしたいのかがよく分からなかった。ハードな警察小説に挑んだという点では評価できるが……。
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警察小説として刑事部と公安部の対立を描いている。実際にここまで対立しているのかはともかくとして公安部の行確のすさまじさは伝わってくる。日本の平和はこういう人たちに陰で支えられているのかも知れないと思った。麻生幾と横山秀夫を足して2で割ったような感じの小説だった。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou20503.html -
2019_10_15-108