日輪の賦

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 176
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023543

作品紹介・あらすじ

ときは7世紀終わり-古よりの蔑称「倭」の名に甘んじる小国は、海を挟み強大化する唐と新羅の脅威にさらされている。国家存亡の危機を前に、改革を急ぐ女王・讃良(さらら・持統天皇)と、それに反発する豪族たちの対立は激化していた。讃良により国の仕組みを根本から変える律令の編纂が密かに命じられる裏で、ある恐ろしい謀略が動き始める-。書き下ろし。「日本」誕生の壮大な歴史エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 持統天皇・上皇が大宝律令を定めた時代を舞台にした歴史小説です。日本史の授業で藤原京、飛鳥浄御原令、大宝律令という用語や年号は覚えたことがありましたが、その時代背景や主要プレーヤー達がどういう人たちであったのかといったこは、これまで全く知りませんでした。
    読んでみると想像を遙かに超えてドラマチックで、どこまで作者のフィクションなんだろうと思い、Wikipediaで「持統天皇」を調べてみると、骨格部分はかなり史実に忠実であることがわかり、さらにびっくりしました。
    日本の歴史小説の舞台と言えば、源平、戦国、幕末がほとんどで、あとはせいぜい南北朝といったところですが、この本のような、それ以外の時代でもドラマチックでおもしろいエピソードがまだまだあるのではないかという期待を抱かせてくれる本でした。
    おすすめです。

  • 初・澤田瞳子。

    持統・文武天皇の時代を扱った小説は多々ありますが、「律令の完成」という切り口から描いた作品は 初めて読みました。テーマがテーマなので、最初とっつきにくい感じはありましたが、都に出てきたばかりの青年・主人公廣手とともに、律令完成にかける人々の熱い思いに触れ、そして事件に巻き込まれ・・・なかなか面白く読めましたよ。

    でも この小説の持統天皇(讃良大王)は、
    ちょっとご立派すぎるかなぁ^^;

  • この新人作家の小説を読もうと思ったのは、北方謙三「史記3」の解説子(西上心太)が北方版とこの作品とが、シンクロニシティの様に似ている、と書いていたからである。日本の持統天皇の中央集権国家確立への外患内患に対する動きが、武帝のそれと似ているというのだ。

    一般的に私は日本の古代を舞台にした小説を応援したいと思っている。まだ時代小説として確立してないだけに。だがこれはダメだった。

    北方謙三の史記とは、文体、狙いから恐ろしく違う。自分が調べた知識を九割方使い切ってしまうが如く、説明的な描写が山ほどある。そして、現代まで続く天皇制の基礎が持統天皇の御代に発したとでも言いたげな結論に辟易した。

    まるで論文を読んでいるかのような面白味のない小説だった。この解説子含めてもう信用しない。
    2013年9月17日読了

  • いーや、こりゃ良かった。
    倭国から、日本へ変わるとはどういうことか。
    何も無いところから、律令を定めるとはどういうことか。
    政治家とは何か。
    官僚とは何か。
    国造りの話です。
    活劇もちょっとあり、くどくなく、淡いものもあったり。
    その辺の莫迦政治家と、駄目公務員、読むべし。

  • 面白かった!
    古代史過ぎて人物の整理がつかず何度も巻頭の相関図と登場人物紹介を見ながら読み進めたけれど、律令を作り国のために尽くす姿に感動した。

  • おもしろい!

  • ふむ

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  • 教科書ではさらっと流し、知識の片隅に僅かにあった「大宝律令」誕生の裏側にあった壮大なドラマ。久しぶりの正統派でガツンとくる時代小説。こりゃ面白い。多くの犠牲と覚悟を重ね「倭」から「日本」へと変わる様。身分を超えそれぞれの使命を全うした彼らに大拍手だ。

  • 初・澤田瞳子さんです。

    題材は面白いのですが。。。
    飛鳥時代末期、持統天皇(讚良:ささら)による大宝律令制定を舞台に描かれた歴所小説です。歴史小説の中でもこの時代の作品は少ないですし、律令制定という題材も面白い。
    しかし、どうも説明的すぎる文体が私に合わないのか、特に前半は遅々として進まず。せっかく地方から登ってきた青年(廣手:ひろて)を主人公にして、脇に男装の麗人(忍裳:おしも)を配し、その他にも結構魅力的な人物が配置されているのに。それが十分に生かしきれて無い様に思えます。何か人物たちの反応が予定調和的と言うか、浅く感じます。
    苦言めいたことばかり書きましたが、力のある作家さんだと思います。評価は他の作品も読んでからにしましょう。

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著者プロフィール

1977年京都府生まれ。2011年デビュー作『孤鷹の天』で中山義秀文学賞、’13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞、新田次郎文学賞、’16年『若冲』で親鸞賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、’20年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、’21年『星落ちて、なお』で直木賞を受賞。近著に『漆花ひとつ』『恋ふらむ鳥は』『吼えろ道真 大宰府の詩』がある。

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