落英

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  • 幻冬舎 (2013年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (565ページ) / ISBN・EAN: 9784344023550

感想・レビュー・書評

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  • 大好物。
    あまり一生懸命でない警官が他県警の悪徳警官とつるみズルズルと裏の方へ、裏の方へと落ちていく。
    悪いことをしながらも正義感は失うことなく、相棒へのいたわりが熱い、なんともハードボイルドな作品でした。
    最高ーに楽しめました!

  • 上坂勤シリーズの原点がこの作品と知り、読みでみたくなる。大阪府警の薬対に所属する2人のコンビを軸にある麻薬捜査がとんでもない方向へとずれていく様を相変わらずの軽妙なタッチで描いている。全体は600ページにわたるような大掛かりな作品だが、その中で前半と後半で全く事件の色合いを変えてくるあたり流石と言える。和歌山に移ってから登場する満井は黒川作品にはよく出てくるタイプの悪いが腕の立つ刑事。彼におだてられるように黒く染まっていく様がタイトルにかぶって何とも言えない余韻を残す。

  • 腐敗していく刑事コンビのシノギの物語。

    大阪府警察本部刑事部薬物対策課の刑事、桐尾と上坂は覚醒剤の売人の捜査で、怪しげな拳銃を見つける。

    その拳銃は過去、和歌山の南紀銀行副頭取殺人事件で使用された拳銃だった。

    特命を受けた二人は和歌山へ飛び、悪名高いベテラン刑事とともに、拳銃で一儲けをたくらみ、深い闇に落ちていく。


    徐々に悪党へと落ちていく刑事という感じで、やや新鮮さを感じました。
    でも今回はアクション少ないし、シャブの捜査で間延びした感があって、星は3つとしました。

  • 勝負師

  • 男臭い、おっさん臭い系の話が読みたくて借りてきた本。
    そういう意味では満足。
    しかし、黒い欲望って誰にでもあるのかね。それが表に出てくるか出てこないかの違いか。
    いやー、欲望のままに突き進んでもいいことなんてなさそう。

  •  大阪府警薬物対策課の刑事、桐尾と上坂が覚醒剤のガサ入れでヤクザの借りている駐車場から拳銃を発見する。本部長賞いただきと思われたが、その拳銃が十数年前和歌山の地銀の副頭取殺害に使われたものと特定されたことから、二人は和歌山県警との合同捜査の特命を受ける。二人を待っていたのは、定年間近の盗犯係の刑事満井。やたらと金払いのよくどこか胡散臭い満井に警戒しつつも、二人は拳銃の出所を捜査するといいながら抜き差しならない深みにはまっていく。

     警官としてご法度の風俗嬢(しかも、一度自分が逮捕している)と肉体関係を持つバツイチ刑事の桐尾が主人公だが、相棒の丸ぽちゃ映画オタクの上坂(勤ちゃん)のキャラクターがいい。満井はボルサリーノのパナマ帽をハゲ頭に載せている初老の田舎刑事で、最後まで二人を振り回す。

     予備知識なしに読み始めたので話がどの方向に転がるのかと思っていたら、あれよあれよといわくのある拳銃を巡るどす黒い裏社会の人間関係の物語に引きずり込まれる。主人公たちが大阪・和歌山・京都を動き回るスピーディーな展開はいつもどおり。警察・ゼネコン(マリコン)・裏社会のねじれた関係を描いた警察ノワール小説ともいえるが、登場人物の個性が際立っているので、映像化向きだと思う。大阪府警でなくても描くことが出来ると思うので、ぜひドラマにしていただきたい。そりゃ、大阪府警に越したことはないですけど。

     あと、毎度のことながら、食い物のシーンが美味そうです。

  • #読了。大阪府警薬物対策課の桐尾と上坂は、覚醒剤犯罪を追っていた際、拳銃を見つける。その拳銃は迷宮入りした殺人事件で使用された拳銃だった。和歌山県警の満井と組み、真犯人に取引を持ちかけるが。関西弁での掛け合いは面白く、ラストも黒川さんならではか。

  • 長い。小説としては、もっと短く凝縮した作品に出来ると思うし、その方がスリリングで面白いだろうと思う。丹念に丹念に事件の詳細情報を盛り込んでいるが、そこまでいる?と思うのが正直なところ。というか、それが成功してるのか疑問。警察小説にクソリアリズムを求めたいファンには好まれるのかも知れないが。自分のように雑読、乱読派にはちょっともて余す。黒川さんも楽しんで書いてたのかなあ。無理に引き伸ばしてないか、これ?と何度も思った。全体的に爽快なストーリーでもないし。後半登場するはみ出しものの刑事は面白かった。落ちはあまりスッキリせず。でも、黒川ワールドが嫌というほど味わえます、これ一冊で。

  • 6月-3。3.0点。
    大阪府警薬物課の刑事ふたりが、主人公。
    薬物のルート解明、一斉ガサ入れ時に古いトカレフ発見。
    昔和歌山で起きた事件の、曰く付きの拳銃。
    ふたりは拳銃の捜査で、和歌山へ。
    和歌山の癖のある刑事と、合同で追う。

    読みやすいが、「悪果」と非常によく似ている感じ。

  • ちょっと長すぎたあ。ダメ刑事には制裁を。

  • 大阪府警刑事部薬物対策課のうだつの上がらない凸凹コンビが覚醒剤の密売捜査の最中、偶然訳アリのチャカを見つけてしまう。そのチャカはかつて迷宮入りの事件に使用されたものと旋条痕が一致した。二人は迷宮入りの事件を再びほじくり返すべく新たなメンバーと共に内偵捜査に入る…著者が得意とする悪徳警官もの。名作「悪果」を彷彿とさせる。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou3623.html

  • 黒川作品を読んでいると警察が信じられなくなる。
    「悪果」ほどの毒々しさはないが
    少し悪い部分を持っていないと、この世界は渡っていけないのではないかと思うぐらい。

    前半の麻薬取締の実際の事件はこうやって調べるのかと
    リアルな実態に感心していました。

    そして、後半、1つのヒントから和歌山へつながり
    どんどん展開していく様はうまい!と思いました。

    ただ、ラストはちょっとおとなしくなってしまった感じがした。
    それだけが残念です。

  • あの分厚い本を何度かに分けたとはいえ一気呵成に読んだ。フィクションであり、警察にありえない登場人物の行動であるが、小説上ではおもしろく、あれよあれよと起こる次の展開に期待してしまった。犯罪は人が起こすものだが、警察も人が捜査するもの。こんな、警察官
    がいてもいい。

  • ハードボイルドすぎて・・・私にはいまひとつ。最後のオチは???

  • 関西弁が軽快でテンポよく読めた。タイトルの落英というのがどこから来ているかわからないまま終わったので後でネットで調べる。

  • このところ、不調と多忙でなかなか本が読めない。でも、相変わらず、この人は面白い、ともかく、キャラを作るのがうまい。今回の3人も出色。特に、(関西弁の会話)は、最高。

  • ハッピーエンドはないなと思っていたら急転直下のバッドエンド。因果応報が作者のテーマだけにこの方が納得できる。ヤクザ同士のケンカでないところがミソ。登場人物が多くて覚えるのが大変だった。ただ軽く読んでいてもストーリーが入ってくるのはユーモアたっぷりの会話が魅力的だからか。

  • ☆☆☆★

  • 大阪県警薬対課の桐尾武司、上坂勤は薬物捜査の過程でトカレフを発見.この銃が迷宮入りした事件との関わりが出てきて、和歌山県警の満井雅博と合同捜査を開始.この満井は個性が強くどこでも落ち着かない.しかし、この3人が組んで暴力団や企業の談合屋を手玉に取って、大金をむしりとる.奇想天外なストーリー展開だが楽しめた.

  • 覚せい剤密売捜査のガサ入れ中に、迷宮入りの事件に使われた拳銃が発見される。大阪府警の薬対課の2人の刑事が専従捜査を命じられ、和歌山県警の悪徳刑事と組むことになる。

    黒川作品らしい作品でした。前半が覚せい剤密売捜査に終始し、なかなか事件の進展が見られないものの、二人の刑事の関西弁のやり取りがテンポ良く、飽きずにスルスルと読めた。後半は、これまた癖のある県警刑事が加わり、お互いハッタリをかましつつ、事件の複雑な背後関係を紐解いていく様が面白かった。出来れば、薬対課のコンビが悪徳刑事に染まらずに最後まで行ってくれたら良かったのだけれども、そうはならないのが人間の弱さかな。ほろ苦いエンドだったけれど、それもまた良かったデス。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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