本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (167ページ) / ISBN・EAN: 9784344023765
感想・レビュー・書評
-
とても素敵。
私はXもインスタもブログなどもやっていないので発信していないのだが、街ランで撮った近代建築で2015年に、東京十社で2017年に、それぞれ1冊ずつ小さな小さなフォトブックを作ったことがあり、自分だけで満足している。(文章は入れていない)
大変おこがましいが、私の撮った写真は、なんとなくテイストが本書の写真と似ている気がしている。
沢木氏は人物を撮っていて私は建物が主だったので根本的に何も似通ってはいないはずなのだが、凄いカメラで凄いテクニックで凄くシャッターチャンスを吟味して「ではない」ところが共通しているのかもしれない。
本書を読んで、またフォトブックを作りたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
写真を見て、読む。
旅に行きたくなるような本。 -
沢木耕太郎がVISAカード会員向け月刊誌に連載した「feel感じる写真館」81篇をまとめ、書籍化したもの。
言わずと知れたバッグパッカーのバイブル『深夜特急』の著者・沢木氏は、旅をテーマとしたエッセイにおいては右に出る人はいない(と私は勝手に思っている)が、本作品は沢木氏ならではの視点で切り取った魅力的な写真とショート・エッセイが並んでいる。
私はかつてフランクフルトに駐在したことがあり、そのときに数えきれないほど行ったフランクフルト中央駅、旅したコート・ダジュールの小さな港のレストランで飲んだ白ワインやマラケシュの眩しい太陽の下で見たジュラバを着た老人など、本作品で取り上げられているのと同じ(似た?)シーンを体験しているが、沢木氏の感性にかかると随分と違ったものに映り、驚いてしまう。
加えて、普段の作品からあまり家庭を感じさせない沢木氏が時折吐露する、子供が大きくなってしまった親の気持ちが(沢木氏が夫々の写真を撮ったときは今より随分若かったはずだが)、沢木氏の別の一面を覗かせてくれて、本作品の魅力を増しているようにも思う。
手元において、気が向いたときに気が向いたページを開き、過去にした旅と将来したい旅に思いを馳せる。。。そんな素敵な一冊である。
(2013年5月了) -
写真が綺麗!
-
旅の写真とそれにまつわるエッセイが、見開きでまとめられた一冊。
著者は沢木耕太郎さん、全部で81葉の物語が綴られています。
元は10年近く連載されているとのことで、どこか熟成されていくような芳醇さも。
写真と文章を掛け合わせることで、より印象的に感じるのかな、なんて。
文字通りに旅に出したくなりました、そんな一冊です。 -
2015年38冊目
旅に出て気になるシーンをカメラで撮影する。
それがフィルムだとすると、帰国して現像して始めてその風景がみれる。
そんな中には気になる一コマが。
本書は旅の達人でもある沢木耕太郎氏が撮影したそんな一コマになんで撮ったのかその時の気持ちを添えて掲載。
沢木氏は自分はプロのカメラマンでは無いからと言っているが、その写真の視点は見事。
旅をしながら見ている視点が自分とは違うな〜と感じさせてくれる。
本職の文章と合わせて、見ていると旅に出たくなる一冊です。 -
よく読むひとは、よく書く、ように、
よく観るひとは、よく撮る。
ということなのだろうか。
なにげない写真に、書き添えられた
短編が、心に響く。
写真の奥深くにあるストーリーが
心の中でうずくように動き出す。
旅は、もうひとつの眼を開かせてくれる
ものなのだろうか。
やはり、よく観るひとにだけ、与えられた
ものなのだろうか。
旅に出たい、撮ってみたい。
そう思わせてくれる旅の窓だった。 -
「深夜特急」の旅を終えた後も、
著者の沢木耕太郎氏は、
「旅の人」であり続けている。
旅の目的は、取材だったり、
プライベートだったり、
様々であるらしいが、
彼の好奇心のアンテナは
まだまだ錆びていない。
人は、旅先でちょっと気になる風景と
いうものには出くわすが、
なかなかそれをカメラに収める事は難しい。
少しでも迷いや雑念があると
その瞬間を逃してしまうからだ。
しかし、沢木さんは、
その「自分の心が揺れる瞬間」を
見逃さない。
たとえそれが小さな揺れであっても。
「これは面白い、何か心にひっかかる。」
アンテナがとても敏感なのだろう。
旅先で何か心を動かされる風景に出会ったら、
それが何であろうと、「どうして自分の心は
揺れたのか」などは考えず、
まずは写真を撮っておくとよいかもしれない。
カメラで切り取った風景が
自分にとってどのような意味を持つのか、
その時はわからなくても、
何年後、何十年後かに、
わかることもあるかもしれないから。 -
気になるシーンを見かけても、ほとんどの場合話しかけたりせず、沢木耕太郎のなかで想像をふくらませて楽しんでいるのがいいな
事実を知りたいというより、そういうシーンが存在したということを受けとめている感じ。どのシーンも特別で壮大な景色とかではなくて、町を歩くってこうだよな〜って思えるも好き
著者プロフィール
沢木耕太郎の作品





