旅の窓

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 171
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023765

作品紹介・あらすじ

沢木耕太郎もうひとつの旅の本。81篇の小さな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 旅に出たくなるなぁ~

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    「開けてごらん「旅の窓」を
    感じてごらん「心の窓」で
    沢木耕太郎 もう一つの旅の本 81編の小さな物語

    初めて眼にする風景
    いつしかそれは
    自分自身を写し出していた――。

    フィルムに残った多くの光景。81葉それぞれに「意味」を与える至極のフォトエッセイ。

    私たちは、旅の途中で、さまざまな窓からさまざまな風景を眼にする。それは飛行機の窓からであったり、汽車の窓からであったり、バスの窓からであったり、ホテルの窓からであったりするが、間違いなくその向こうにはひとつの風景が広がっている。しかし、旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある。そのとき、私たちは「旅の窓」に出会うことになるのだ。その風景の向こうに自分の心の奥を覗かせてくれる「旅の窓」に。――まえがきより 」

  • 旅の写真とそれにまつわるエッセイが、見開きでまとめられた一冊。
    著者は沢木耕太郎さん、全部で81葉の物語が綴られています。

    元は10年近く連載されているとのことで、どこか熟成されていくような芳醇さも。
    写真と文章を掛け合わせることで、より印象的に感じるのかな、なんて。

    文字通りに旅に出したくなりました、そんな一冊です。

  • よく読むひとは、よく書く、ように、
    よく観るひとは、よく撮る。
    ということなのだろうか。

    なにげない写真に、書き添えられた
    短編が、心に響く。
    写真の奥深くにあるストーリーが
    心の中でうずくように動き出す。

    旅は、もうひとつの眼を開かせてくれる
    ものなのだろうか。
    やはり、よく観るひとにだけ、与えられた
    ものなのだろうか。

    旅に出たい、撮ってみたい。
    そう思わせてくれる旅の窓だった。

  • 「深夜特急」の旅を終えた後も、
    著者の沢木耕太郎氏は、
    「旅の人」であり続けている。

    旅の目的は、取材だったり、
    プライベートだったり、
    様々であるらしいが、
    彼の好奇心のアンテナは
    まだまだ錆びていない。

    人は、旅先でちょっと気になる風景と
    いうものには出くわすが、
    なかなかそれをカメラに収める事は難しい。
    少しでも迷いや雑念があると
    その瞬間を逃してしまうからだ。

    しかし、沢木さんは、
    その「自分の心が揺れる瞬間」を
    見逃さない。
    たとえそれが小さな揺れであっても。
    「これは面白い、何か心にひっかかる。」
    アンテナがとても敏感なのだろう。

    旅先で何か心を動かされる風景に出会ったら、
    それが何であろうと、「どうして自分の心は
    揺れたのか」などは考えず、
    まずは写真を撮っておくとよいかもしれない。

    カメラで切り取った風景が
    自分にとってどのような意味を持つのか、
    その時はわからなくても、
    何年後、何十年後かに、
    わかることもあるかもしれないから。

  • 「旅の窓」
    フィルムに残った多くの光景。81葉それぞれに「意味」を与える。


    見開き1ページの左側には、写真。右側には、10つほどの文章。どちらもとても良い。写真を見ることで、文章に納得がいったり、文章を先に読んでみると、写真に納得がいったり、とても面白かったです。


    写真の中で最も気に入ったのは、まず一枚目。「そこから、どこへ?」という表題が添えられているけど、「当初の目的はどこへ?」となっているのが、まず面白いんです。著者は、鷹狩りに参加しており、鷹匠が鷹を放つ姿、鷹が獲物を見事に狩る姿をカメラに収めることが当初の目的でした。となると、当然、この本には、鷹匠の勇ましい姿、鷹の猛る姿が本来収められているはず。


    しかし、実際載っている写真は全然違うもの。実は、この写真は鷹狩りでの写真を現像していたらあったものだそうです。当初の目的はどこへいったのか?でも、この写真、とても良いんです。こんな感じで私も写りたいw


    次に、印象深いのは「まぶしい笑顔」です。近年は、幼い子供で男同士であっても肩を組むことは珍しいかも知れませんね。ましてや笑顔で写真に2人で収まるなど、私は小学校以来無いです。この「まぶしい笑顔」に写っているのは、ベトナム、ホーチミンの男の子2人。なんと純粋な笑顔だろうか。この笑顔を私も見せたいw


    「看板娘」「招き猫」「ひとりで立つ」は、文章が写真を際立たせているもの。10文程度しかないんですけど、そこに言いたい要素が詰まっていて、これが実にお見事なんです。「ひとりで立つ」なんかは、一人でくすくすしましたね。


    文章が写真を引き立てる、写真が文章を引き立てる、2つのパターンが両立している良い本です、ほんと。他に好きになった写真&文章をちょこっと紹介。


    「行列で、キス」
    うどんを食べる為に並ぶのは良いんだけど、キスはしなくていいでしょうw?


    「自分の顔」
    アテネの裏通りの若い似顔絵描きはこういった、「実物より上手く描くことはない。あまりよく描きすぎると、嫌がるんだよ」。なるほど、自分の顔は自分が良く分かっている(日本では、あんまり無い感覚ですよね。美人やハンサムに書いてもらったら喜ぶんだからw)


    「生きる力」
    サハラ砂漠を庭と感じる人々と感じることが出来ない人々の対比。日本人は、サハラ砂漠を散歩する人々の真似はとてもじゃないけど真似出来ないw


    「子供たちの風景」
    中国の一人っ子政策を憂う。

  • 沢木耕太郎がVISAカード会員向け月刊誌に連載した「feel感じる写真館」81篇をまとめ、書籍化したもの。
    言わずと知れたバッグパッカーのバイブル『深夜特急』の著者・沢木氏は、旅をテーマとしたエッセイにおいては右に出る人はいない(と私は勝手に思っている)が、本作品は沢木氏ならではの視点で切り取った魅力的な写真とショート・エッセイが並んでいる。
    私はかつてフランクフルトに駐在したことがあり、そのときに数えきれないほど行ったフランクフルト中央駅、旅したコート・ダジュールの小さな港のレストランで飲んだ白ワインやマラケシュの眩しい太陽の下で見たジュラバを着た老人など、本作品で取り上げられているのと同じ(似た?)シーンを体験しているが、沢木氏の感性にかかると随分と違ったものに映り、驚いてしまう。
    加えて、普段の作品からあまり家庭を感じさせない沢木氏が時折吐露する、子供が大きくなってしまった親の気持ちが(沢木氏が夫々の写真を撮ったときは今より随分若かったはずだが)、沢木氏の別の一面を覗かせてくれて、本作品の魅力を増しているようにも思う。
    手元において、気が向いたときに気が向いたページを開き、過去にした旅と将来したい旅に思いを馳せる。。。そんな素敵な一冊である。
    (2013年5月了)

  • VISAの雑誌での連載を文庫化したもの。旅先での何気ないスナップにコメントをつけていく。写真家でもないのになんと心を打つスナップだろうか。またその1枚1枚に寄せるエッセイが心地よい。

  • 自分もこんな本を作ってみたい。

  • さらっと読了。年末にひょいと旅に出かけたような気になる。お金に余裕のない僕や、時間に余裕のないあなたに。

  • 写真の取り方がすばらしい。なんで、こういう一瞬に出会えるのか、目的のない旅というのもいいものなのかもしれない。

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プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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