大事なことほど小声でささやく

  • 幻冬舎 (2013年5月24日発売)
3.89
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784344023963

作品紹介・あらすじ

駅前の寂れた通りの地下にある「スナックひばり」。そのママは身長2メートルを超えるマッチョなオカマ・通称ゴンママ。彼(彼女?)の周りに集まるのは、一癖も二癖もある「変わり者」ばかり。エロジジイ社長、金髪モヒカンの歯科医師、シャイで生意気な男子高生、謎のセクシー美女、うだつの上がらない中年サラリーマン…。いつもは愉快な彼らも、それぞれ人知れず心に傷を抱えていて-。心の垢を洗い流す感涙小説。

感想・レビュー・書評

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  • しずこさんのレビュー
    に惹かれて。

    こんなママがいるなら
    私もスナックひばりに
    通っちゃうかも。

    大人だって誰かに甘え
    たい。

    みんなの淋しさを受け
    とめて温かく包みこむ
    ゴンママ。

    そしてゴンママの弱い
    ところも描かれてて、

    弱いところがあるって
    人間らしくて素敵だな
    と・・・

    素敵?うーん、なんか
    この表現は違うな。

    そらぞらしいというか
    これは本音じゃない。

    そうね、たとえるなら
    どんなに教えられても
    上手に泳げない子が、

    上手に泳げる子の思い
    もよらぬ苦手を知って、

    だからといって元気に
    なるわけじゃないけど、

    すこしだけ励まされる
    そんな感じかな。

    他人を励ますことって
    そんなに難しくない。

    でも身内や自分自身を
    励ますことって難しい。

    もしかしたら私自身を
    励ましたくてこうして
    人情小説を手にしてる


    うん、それでいいじゃ
    ない。

    私が私を励まさなくて
    どうするの?

    私のなかのゴンママが
    小声で囁くのでした。

    さすが人情小説の名手
    森沢さん。

    星五つでは気持ち的に
    ちょっと足りない気も
    しますが、

    これが物理的な限界と
    いうことで星五つです。

    • きたごやたろうさん
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本、オイラも読みました。
      森沢明夫さんの文学を「森沢文学」というらしいですね...
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本、オイラも読みました。
      森沢明夫さんの文学を「森沢文学」というらしいですね。
      文体のリズムがとてもオイラに合っていて、知念実希人さん危うしです笑!
      2025/02/12
    • コルベットさん
      やたろうさん、私は現実に少し疲れたとき森沢文学の処方箋がよく効きます(*^^*)
      やたろうさん、私は現実に少し疲れたとき森沢文学の処方箋がよく効きます(*^^*)
      2025/02/12
    • きたごやたろうさん
      今のオイラにピッタリ!
      今のオイラにピッタリ!
      2025/02/12
  • スポーツクラブSAに集うトレーニング仲間の話し
    また個性的なメンバーが集まっていて
    それぞれ悩みや苦難を抱えています


    読んでいるとスナックひばり
    行ってみたくなりますー!
    話聞いてほしいな(^^)


    そして筋トレしたくなるー
    今は安静にしてなきゃいけなくて
    できないから余計に…


    元気になったらまた運動するぞー!



    さて、高評価の作品が多い森沢さん作品を
    好きになりたくて読み進めてるんですが
    なかなかしっくり来ません。。なぜだろう。。


    設定はいつも大好きなんです!
    今回のジムに集うメンバーが
    ゴンママからもらった言葉で救われていく
    こういう話は大好きなはずなのに!


    嫌いなわけじゃないんです
    その証拠にちゃんと読み終われるし

    でもうーん
    なんというか、軽い?
    と感じてしまいます

    もっとじっくり知りたいのです!
    つらつらと描かれるメンバーの背景を
    ただ文章で知るんじゃなくて
    もっとじっくりと知っていきたい。

    いろいろ分析した結果、そんな結論がでました
    (誰やねん)


    森沢さんの作品にのめり込みたいのにー!
    ちょっといつも物足りないんです。。
    ファンの人、不快になったらごめんなさい。。


    でもこれの前に読んだロールキャベツよりは
    短編でまとめてある分読みやすくて
    こちらの方が入り込みやすかったです
    短編得意じゃないけど新たな発見でした(^^)



    あーそれでも諦めきれない森沢さん
    めっちゃよかった!って作品に出会いたい!
    なのでもう何冊か読んでみようと思います(^^)

  • 大好きな森沢作品!

    トレーニングジムSABに集う5人の愉快な仲間たち。ジムでは楽しく過ごしているが、それぞれ抱える悩みが次々に解決していく。

    名言てんこ盛りで、心に沁みた。

    私も辛い時、四海さんみたいに無理に明るく取り繕って大きな声で無理やりテンションあげる時あるけど、【大事なことほど小声でささやく】なるほどな!と膝を打ちながら感心した。

  • 森沢明夫さんの作品二つ目。
    今回も森沢さんにしてやられた。
    スポーツクラブに集まる濃い人々のほのぼのエピソードですすめられる。
    井上美玲の担当西山とゴンママの緊迫の一瞬。
    そのあとのゴンママの一言。
    落差の大きさがたまらなくいい。
    頑張りすぎの井上美玲に与えらた休暇。
    他人事なんだけどなんか嬉しい。
    孤を好む、いや孤を強いられてきた不器用な国見俊介。彼の恋物語もいい。
    お節介な仲間たちのおかげで彼に居場所が生まれてる。
    極め付けは四海良一の蜻蛉。
    読み進めるのも辛い夫婦と娘の物語。
    死んだ心、枯れた心に
    再び潤いを与える展開。
    参った。

    「一瞬のいまを、大切に生きる-。阿吽って、そういう意味なんだって、ママに教えてもらったんです」
    ゴンママはナイスなキャラだった。

  • はい森沢作品順番狂いまくりです

    「へーここが噂のゴンママのスナックひばりか〜」とケラさんの営業先のサラリーマンが話を聞いて恐る恐る入ってみたってな感じになってます

    ケラさんのあだ名の由来がわかったり
    愉快な仲間たちに出会えたり
    ママの下ネタに乗っかってみたり
    カオリちゃんのカクテルに舌鼓をうったり

    そんな一夜を楽しんだ気持ちになりましたw

    • ひまわりめろんさん
      なおなおさん
      こんばんは

      大丈夫です!
      『虹の岬の喫茶店』は森沢明夫さんの初期の名作で他の作品に「登場する」ことが圧倒的に多い作品で、森沢...
      なおなおさん
      こんばんは

      大丈夫です!
      『虹の岬の喫茶店』は森沢明夫さんの初期の名作で他の作品に「登場する」ことが圧倒的に多い作品で、森沢ワールドの入口としてベストの1冊ですよ!
      これから読む作品で何回もニヤリとできます
      うらやましい!w
      2022/07/30
    • なおなおさん
      ひまわりめろんさんへ

      良かったーふふふ私は狂ってない〜o(^o^)o

      アレを読んでおけばもっと面白かったのかも…という経験があるのでよく...
      ひまわりめろんさんへ

      良かったーふふふ私は狂ってない〜o(^o^)o

      アレを読んでおけばもっと面白かったのかも…という経験があるのでよく分かります。
      私の場合、辻村深月さんの本です。
      ひまわりめろんさんもよく読まれる作家さんですよね。

      教えてくださりありがとうございました。
      2022/07/30
    • ひまわりめろんさん
      なおなおさん
      おはよう!

      そう!
      自分も辻村作品狂いまくりです
      でももうこれもひとつの縁だな〜って思うようにして
      今回のようにちょっとした...
      なおなおさん
      おはよう!

      そう!
      自分も辻村作品狂いまくりです
      でももうこれもひとつの縁だな〜って思うようにして
      今回のようにちょっとした答え合わせ的な開き直った楽しみ方を心がけてます

      でもやっぱりあ〜こっちが先だったか〜ってちょっと思っちゃうけどね
      ちょっとねw
      2022/07/31
  • 初めての作家さん。
    ブクログフォロワーからの評価が高かったので読んでみた。

    六篇いずれも話としては面白く、登場人物の感情にも共感出来たのだけれど、場の中心であるゴンママ(身長2メートル超えのゴリゴリマッチョ、スキンヘッド、ヒゲありのオカマさんでスナックのママ)に感情移入し辛かった。ゲイではなくオカマさんだったら、ヒゲ生やすかしら、とか、気になってしまい。。どうしても、ギャグ漫画的違和感を感じてしまった。

    表紙の、地下のスナックから路地に出るカットは絵的にとても良い。

    六篇の中では、設定が自分に近いからか、「本田宗一の追伸」が一番よかった。娘からあんなこと言ってもらえたら、そりゃ嬉しいだろうなあ。



  • 悩み、不安、後悔がない人はいないはず。よくあるような物語でも、似たような経験が綴られていれば共感してしまう。

    ジムに集う仲間それぞれの生き方が、章ごとにフォーカスされている。
    「四海良一の蜻蛉」が、良かったかな。家族の死が受け入れられないのは当然。時が解決するのだろうけど、その時さえ受け入れたくない。

    仲間の存在、励ましに救われることは数しれず。
    「阿吽」を引き合いにした、「幸せに生きる極意」はとても印象的でした。

  • スポーツクラブ SAB に通う筋トレメンバー五人と、その人々の悩みを解決してくれるオカマのスナックママ・権田鉄雄(ゴンママ)との"絡み合い"が面白い作品。スナックひばりのバーテンダー・カオリちゃんのキャラも魅力的。

  • 以前読んだ「マカン・マラン」に設定などがちょっと似ているが、こちらの方が先に書かれた作品だ。

    7年前の時代感なのか、ゲイのバーママ「ゴンママ」をステレオタイプなオカマに描いているのが、今読むと少し違和感がある。
    スポーツジム「サブ」に集う常連一人ひとりを章ごとの主人公にし、ゴンママがそれぞれの悩みを解決するヒントを与える…というような筋立て。

    どの話にも心温まるエピソードがあり、特に最終章のゴンママ自身がメインの話は良かった。
    が、そんなに下ネタは必要か?と思うくらい下ネタが登場し、ストーリーの良さを貶めている気がするのだが。私が神経質なだけなのか…。
    2020.8.29

  • 良かった。

    心が温かくなる。

    スポーツクラブで知り合った、年齢も過去も今も、何もかもバラバラな、なぜか気の合う6人の、連作短編集。

    【各短編の個人的な思い出と感想】
    ①本田宗一の追伸
    前半のくたびれた心情に「ああ」と共感できるとともに、作品の軸となるゴンママの登場のさせかたがうまい。
    ②井上美鈴の解放
    『治る』ことが前提なら、これも救いになる。僕が社会人になった30年以上前、先輩は「働き過ぎで死ぬことないわ!」と言い、モーレツに働いていた。今の僕なら「よしなさい!」(ビートきよし風)しっかりツッコミ入れられます。
    ③国見俊介の両翼
    クラスで仲良しグループになって!とクラス担任に言われていつも余っていたので、そこは共感できるかな。両親の関係悪化、そこも。いい感じの他人の大人に恵まれているところも。・・・結局全部かい‼︎
    ④四海良一の蜻蛉
    ああ、泣いちゃったなあ、この短編。同じ心情や境遇は味わうことは決してないんだけれども。20代まで仲良くしていた、「沈黙がイヤだ!」とネタ振りまくる友人がいたなあ。沈黙してても居心地の悪さを感じない、というのが一番ラクでいいと思うんだけどなあ。
    ⑤末次庄三郎の謝罪
    僕は今の会社に転職したとき、20年以上年下の同期と何を話そうと不安に感じたけど、案外障壁はなかったな。その代わり、「こうあるべき」という髪型やおしゃれに関する価値観のギャップはよく感じるな。
    ⑥権田鉄雄の阿吽
    共感度としてはこの短編が一番かな、孤独感も、他人に対する接し方や絶妙な距離の取り方や気遣いも。ただ、ゴンママのウインクやその風圧にはいい気持ちのすべてが吹っ飛ばされそうになる。

    とはいえ、今年2作目の大のお気に入り作品。

    文庫で買って、持っておこうと思います。

    • shukawabestさん
      ありがとうございます。
      今の体勢はたとえるなら若干エビ反りのような感じです。

      おせっかいですが、今後、知人や大切な方に腰痛や神経痛の兆候が...
      ありがとうございます。
      今の体勢はたとえるなら若干エビ反りのような感じです。

      おせっかいですが、今後、知人や大切な方に腰痛や神経痛の兆候が見られる場合、できるだけ早めに通院されるよう勧めてあげてください。僕のかかりつけの接骨医がそう申しております。

      hiromida2さんもそのようにされてくださいね〜!
      2022/08/13
    • hiromida2さん
      若干エビ反り(^^;;笑
      すごく分かります!痛、タタっ!
      でも、何故か身体を反らすとマシになる気がする
      接骨院さんも色々ありますから、いい所...
      若干エビ反り(^^;;笑
      すごく分かります!痛、タタっ!
      でも、何故か身体を反らすとマシになる気がする
      接骨院さんも色々ありますから、いい所にあたるといいですよね〜
      了解しました(・0・)ゞ
      2022/08/13
    • ひろさん
      ご自身が辛いのに周りの心配をされてるところがshukawabestさんらしいですね(*´`)
      了解しました!
      ご自身が辛いのに周りの心配をされてるところがshukawabestさんらしいですね(*´`)
      了解しました!
      2022/08/13
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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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