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Amazon.co.jp ・本 (198ページ) / ISBN・EAN: 9784344023987
感想・レビュー・書評
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ヒゲの殿下として親しまれてきた寛仁親王がご逝去されたのは一昨年のこと。
それ以前から皇室の枠には当てはまらない放埓なイメージは持っていたけれど、まさかラジオDJもされていたとの報道に驚いた記憶がある。
本書は生前寛仁親王と親交の深かった工藤美代子氏によって書かれている。
ノンフィクション作家の肩書を持つ彼女ではあるが、本書はノンフィクションと言うよりも随想といったところか。客観的と言うよりむしろ、“愛すべき殿下”という一貫したスタンスを取っている。
破天荒な立ち振る舞い、影での努力、愛すべき人柄、人知れぬ悩みやストレスだけにとどまらず、女性遍歴や信子妃との夫婦仲にまで話はおよび、文章こそ上品ではあるが下世話な話も満載。
私の知りたかった情報は余すことなく描かれていてその点では非常に満足だった。
でもどうだろう。
皇室の中でもかなり自由なお立場にあった寛仁親王をほめそやすのは構わない。
でも一方でDJはおろか、インタビューはもちろん自分の意見を発することさえ儘ならない皇太子を同じ土俵に上げて論じるのはいかがなものか。
それはさておき、皇室の異端児とも言える寛仁親王がご逝去された今、皇室の現状を内から発する人材がまた一人減ってしまったのは非常に残念なことである。
開かれた皇室が実現するのはまだまだ先の事になりそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こう言う書き方しか出来なかったのだろうし、著者はジャーナリストと名乗る割には、入れ込みすぎ、また素直すぎ、拙い。
公正さ、冷静さ、にかけ、何を伝えたいのだろう。
自由がない、税金で暮らしていると言われ傷ついた、
実際そうなんだから、やむを得ない。
視野が狭い、今上陛下の方が更に自由はないが、彼の様に卑屈にならない。
一生懸命言い訳、屁理屈重ねたとしても、
ただ自分に甘いんだろ?
病気になって手術を多くしている、生活習慣が悪いからだろ?何開き直っているんだ。
ただ言われたことを書き連ねただけ、読む価値なし。
また、女系天皇に関して決めるのは、拙速過ぎるね、
じゃいつまでかけたら、納得するの?
意味わからん。 -
「何か言う人がいるのなら、記者会見でも文書発表でもして
やるから行って来なさい」
東日本大震災の年の5月。オックスフォード大学での学位
授与式への出席を躊躇していた彬子女王殿下の背中を押した
のは、父上である「ヒゲの殿下」こと寛仁親王殿下だった。
この時の父上の言葉が、涙が出るほど嬉しかったと彬子女王
殿下が語っているのを読んで、もらい泣きしそうになった。
私が長老殿下と呼ぶ、三笠宮崇仁親王殿下の長男・寛仁親王
殿下は平成24年6月6日にご逝去された。
生前の寛仁親王殿下と親交のあった著者による追悼エッセイ
が本書である。提灯持ち評伝ばかり書いている著者なので
二の足を踏んでいたのだが、ご逝去後にトモさんのことを
記した作品って本書くらいしかないので読んでみた。
「名誉職は嫌だ」と札幌オリンピックでは本当に事務局で
事務員として働いたり、ラジオの深夜放送のDJをやったり、
アルコール依存症であることを公表したりと、私たち庶民が
抱く皇族像を打ち破ってくれたトモさんのエピソード満載。
だが、著者のトモさんへの思い入れがあまりにも強いせいか
信子妃殿下のご病気と別居関連の話になると妃殿下に対して
かなり辛口である。
私が信子妃殿下びいきなので余計にそう感じるかもしれない
のだが、妃殿下のご実家の麻生家(特に母上の和子さん)が
再三に渡る結婚の申し入れを拒否していたのを説き伏せて
妃殿下として迎え入れたのだから、ご自分の信念を貫くのも
大事かもしれないがもう少し妃殿下への労りがあっても
よかったのではないかな。
お子様のいらっしゃらなかった秩父宮・高松宮両殿下に可愛が
られ、トモさんも両殿下を尊敬し、型破りな皇族でありながら
も「国民に寄り添う」という皇族の在り様を常に考えて行動
されていたのかもしれない。
度重なるがんの手術。そして声帯を失っても発声器を手に
公務にお出ましになっていた、どこか痛々しいお姿は今も
私の記憶に鮮明に残っている。
満身創痍になりながらも、皇族としての務めを果たす。例えば
それは現在の常陸宮殿下のお姿にも重なる。車いすでのお姿を
多く目にするようになったが、それでも園遊会に出席され、
華子妃殿下と共に地方公務へもお出ましになる。
トモさんは一見やりたい放題・言いたい放題に見えても、
ノブレス・オブリージュを十分に務められたのだろう。
それだけに、やはり信子妃殿下との間に出来てしまった溝は
残念で堪らない。皇族に生まれたことの葛藤やストレスに
晒されて来たトモさんを、支えて来たのは信子妃殿下なの
だから。
トモさん、ヒゲの殿下。笑顔がとても魅力的な人だったな。
あの笑顔と、何事も本気で取り組まれるお人柄が、多くの
人を惹きつけたのだろう。 -
「ヒゲの殿下」寬仁親王の人となり、思い出を語る本。
生前から、皇族としてはかなりアウトローな印象の親王殿下だと思っていた。
本当は一体どんな方だったのか、会って話をしてみたかったような気がする。
あのアウトローさの裏では、繊細に感じ、考えていたのかな、と思う。 -
薨去後間もない皇族について、しかも関係者は大半存命の中で語るとなると、これはもう並みならぬ難しさがあるだろう。そんな中に切り込むような本書の「赤裸々」ぶりは、さすが皇室のスポークスマンをもって任じられていた殿下だけあると驚嘆した。あるいは本書の刊行には、直接でなくとも殿下のご遺志が働いていたのではないか…などと妄想した。「僕という人間、僕という皇族がどんなふうに生きて死んだか、広く国民に伝えてほしい」と。
「公正、平等だが無難」の対極を行く、「あれの事実関係はああいうこと、これはこういうことです。その上で、僕はこのように思います。あなたはどうですか?」とまっすぐな瞳で問いかけてくるような…きっと寬仁親王殿下という方は、そんなお方だったのだろう。お人柄が偲ばれる貴重な証言集である。
今はこれで十分だ。いつか殿下のご生涯が歴史となった時、さらに詳細な評伝が出てくるのを待ちたい。
2014/1/18読了 -
皇族であるからこそ得られる特権もあるだろうし、苦悩を抱え込まなければならないこともあるだろう。総じて、マイナスの方が多いかもしれない。寛仁親王は人前ではそれを笑い飛ばしながら、福祉活動に専念されていたのでしょう。その断片が著者とのインタビューの中から垣間見える1冊。
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読了。赤ちゃんを「赤ちゃま」という今まで全く知らない世界の話。コメントしづらいけど、読んで良かった。学校教育ではこういう内容は全くないしね。
著者プロフィール
工藤美代子の作品
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