彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか

著者 : 松さや香
  • 幻冬舎 (2013年6月27日発売)
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  • 20レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024175

作品紹介

三十路手前、プロポーズ直前、まさかの乳ガン。だからって、恋も仕事も、手加減なんかしてくれない。

彼女失格 恋してるだとか、ガンだとかの感想・レビュー・書評

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  • 29歳で乳ガンを発症した女性が
    治療や仕事や恋や家族について赤裸々に語っている本。

    乳ガンではないけれど、
    以前に婦人科疾患を経験した時の気持ちが重なってしまいました。
    結婚して子供を授かる。
    その当たり前を、人生設計を、可能性を全て奪われたという感覚。
    当時その感情をうまく言葉に出来なかったけれど
    著者がそのまんま書き出してくれたように感じた。

    治療の経過や、かかるお金についても詳しく書いてあって参考になった。
    著者も書いているように、ガンの本は精神面の内容が多いし
    ネットで調べれば情報量に不安が増すだけ。
    「じゃあ実際何をしていくらかかるの?」というシンプルな部分が
    しっかり書かれているのはとても良かったと思う。

    「じゃなきゃいけない教」の信者、多勢に外れないで生きる。
    それはファンタジーだし、人は最初から違う。
    信者でいたのも、外れないように生きていたかったのも
    その方が楽だから、自分でそうしていたかったからなんだと気づかせてもらった。

  • 生々しく、ガンの闘病記。

    仕事しながらガンになるってどういうことなのか。
    パートナーを持ちながらガンになるってどういうことなのか。

    そして、タイトルが腑に落ちる。

    私も乳腺腫瘍持ちで、最初の検査の時にこういう思いしたからわかる。
    マンモ、エコーはもちろん、MRIも、針生検もやったし、そのあとの病理生検も。

    あの後があったらどうなっていたのかな。

    ガンはお金がかかるという現実のこと。
    働きながら治療をするということ。

    そして、まわりの「ガン患者、かくあるべし」に傷つくということ。

    正直でとても好感がもてます。

  •  読了せず。
     後から振り返ったにしては細かくて生々しいと思ったら闘病中にブログ書いてたのか。パワフルだなぁ。いろいろと読んでいてつらくなったので止めた。
     闘病中にこれだけ書き綴れる気力があるとしたら、この先もまた何かを書くのかなぁ(書いているのかな)。むしろフィクション読んでみたい。

  • 「吐いたりはげたり」「お尻丸出しで泣くわたし」「ガンじゃ、悪りぃのかよ」「彼の鼻毛が綺麗に処理されている」
    松さんの文章に引き込まれる。文体、好きだなぁ。
    なんで題名が『彼女失格』なんだろうと思って読み始めたが、分かった。サブタイトルもそのまんまじゃないか。このタイトル以外考えられないよね。
    6年前からある男性と付き合っていて、思いがけずガンになってしまった一人の女性。彼女は強いんじゃない。強くなるしかなかったんだよっ…ってもう、さや香さんに共感しまくり。
    仕事のこと、彼氏のこと、その浮気相手のこと。軽い文体で書かれているからついクスッと笑ってしまうのだけれど、大変な状況だったのが伝わってくる。だから一層切ないの。
    でも現在の松さんが幸せだと知ったので、安心して読んで下さい。主人公が死んでなくても本は売れますように。(←プロローグ参照)

  • 小林麻央さんの報道時に、著者、松さんの記事?を読んでこの本を知った。


    プロローグの
    「ガンの闘病記って、主人公が死んでないと売れないんだよね」。

    これに慣れてしまっている、慣れさせられてしまっている
    そんな現実世界は怖いなと、改めて思った。

  • 乳ガン患者の闘病記。

    闘病記にありがちな家族愛や患者同士の絆などをアピールしたものではなく、手術や抗がん剤の苦しみ、そしてそれに掛かる費用などを描いたリアルな闘病記。
    文体が若干鼻に付くものの、それを差し引いても面白い。
    最後は闘病を支えてくれた彼とも別れてしまって、ハッピーエンドにならないのがよりリアルな感じ。

    P.S.今は結婚して人並みの幸せを掴んだみたい。

  • ノンフィクションだけに、ひきこまれた。
    壮絶な治療経過、副作用。
    でも、治るということもわかり、力をもらった。

  • 普段はあまり見ないルポルタージュの棚をチェックしていて見つけた本。
    パラパラめくって、私に読みやすいタイプの文体と分かり、
    この人がなんの癌なのかを見る。私と同じ乳がんだ。
    普通はしないのだが、目次を丁寧に読んだ。
    これから始まる実際の話のアウトラインを知りたかったので。
    これを読んだら、
    自分にこれから起こるかもしれないことの内容が分かってしまう、
    のココロは、
    サッカーの結果を知らずに見たいのと同じ心理である。我ながら恐ろしい。
    なこと言ってないで、これから起こる事態で慌てないために読んどけよ!
    と自分に突っ込む。
    読み始めて、文章がまず面白いのでどんどん読みたくなってしまう。
    闘病記にありがちな(読んだことないけど)
    シメっぽいじっとりと重くうっとおしい感じがまるでない。
    押しつけがましい前向きな言葉も一切なくて、
    全てが自分の体験に基づいて一喜一憂するリアルな本音と実態が綴られている。
    検査・手術・治療はもちろん、仕事との両立、パートナーとの関係、
    半端なく出て行くお金、家族や友人の支え、すべて知りたいことばかり。
    これから癌と向き合わねばならない人にとって、
    最終的に死んでしまう話はまずアウトである。
    家族の愛とか絆とか子供の笑顔とか、そりゃそうだろうけどよ。
    娯楽じゃないんだよ!
    先の見えない状態で、日々の生活の中で奮闘する様子を、
    独りよがりではない読ませる文章で書いていく力がスゴイ。
    もう爆笑したり泣いたりしながら一気に読んでしまった。
    今も彼女が元気に楽しく働いて生きていることが、私の大きな勇気になる。
    とりあえずオシッコ青くても慌てないで
    「これが噂のブルーレットか!」と笑えるであろう。
    もちろん、癌とは関係のない人にも、
    面白くて発見のある本だと思うよ。

  • もしも自分が明日ガンの宣告を受けたら…。『もしも』の世界では自分は何とかやっていけるだろう、と思う人も居るだろう。だけど、この本を読み終わった後果たして同じ思いを持っていられるか?

    この本には『リアル』がある。

    ぜひ全ての世代の男女に読んでもらいたい。

  • 30歳で若年性乳がんの闘病を経験した著者。
    ある日突然「患者」になってしまってから、病院では治療前に金額の提示がないこと、闘病しつつも、生活するために稼がなきゃいけないこと、数ある闘病記には愛だの絆だのばかりで肝心のお金やその後の生活についての記述がないこと…などなどに混乱しつつ憤りつつ、それでも病と闘い続けなければならない日々。
    無神経な医療者や、ほかのキャンサーにイラリとしたり、周囲からの「あるべき患者象」の押し付けに戸惑ったり、極めつけは手を取り合って助け合っていくと信じていた彼氏が●●…。
    当たり前だけど、がん患者だって喧嘩もすれば恋愛だってする。
    健康で元気な人間ですら、恋愛の修羅場って相当に精神力も体力も奪われるものでしょう。なのに抗がん剤や放射線治療、ホルモン療法を続けてることなんかに関係なく、恋する女子に等しく平等に(?)襲いかかるものなのね~、とある意味感心してしまいました(ごめんなさい)。
    とはいうものの、著者が病気に立ち向かうにあたり、例えば病院へのお迎えとか、物理的にも精神的にもこの彼の果たした役割も大きい。突然命にかかわる病気となった彼女を間近に見続けることのプレlッシャーや不安は当然大きかったと思うし、彼なりに頑張った。がん患者の彼氏や夫が全員聖人君子なわけでもないし(にしてもお粗末な女に手を出したなとは思うけど…←)。
    いまの日本の医療制度や治療のしくみ、公的補助なんかも含めて、独身ひとり暮らしの患者さんで、家族など手助けしてくれる人が全くいない場合、闘病を続けていくこともけっこう大変(というか困難)ではと思う。それでもそれをしているひとも相当数いるのでしょうけれど。
    この本を手に取ったのは第15回図書館総合展の某フォーラムで紹介されていた「ガンの闘病記って、患者が死なないと売れないんだよね」というフレーズから。
    「自己責任」流行りの昨今、育児や介護、本人の闘病には「周囲に迷惑をかけるから」と退職プレッシャーが存在するけれど「明日は我が身」。
    100%のフルスロットルじゃなくても細く長く働き続けられる環境整備や、それでも暮らしていける公的制度づくりが実現しますように。

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