彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか

著者 :
  • 幻冬舎
3.88
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本棚登録 : 199
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024175

感想・レビュー・書評

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  •  読了せず。
     後から振り返ったにしては細かくて生々しいと思ったら闘病中にブログ書いてたのか。パワフルだなぁ。いろいろと読んでいてつらくなったので止めた。
     闘病中にこれだけ書き綴れる気力があるとしたら、この先もまた何かを書くのかなぁ(書いているのかな)。むしろフィクション読んでみたい。

  • 乳ガン患者の闘病記。

    闘病記にありがちな家族愛や患者同士の絆などをアピールしたものではなく、手術や抗がん剤の苦しみ、そしてそれに掛かる費用などを描いたリアルな闘病記。
    文体が若干鼻に付くものの、それを差し引いても面白い。
    最後は闘病を支えてくれた彼とも別れてしまって、ハッピーエンドにならないのがよりリアルな感じ。

    P.S.今は結婚して人並みの幸せを掴んだみたい。

  • ノンフィクションだけに、ひきこまれた。
    壮絶な治療経過、副作用。
    でも、治るということもわかり、力をもらった。

  • 普段はあまり見ないルポルタージュの棚をチェックしていて見つけた本。
    パラパラめくって、私に読みやすいタイプの文体と分かり、
    この人がなんの癌なのかを見る。私と同じ乳がんだ。
    普通はしないのだが、目次を丁寧に読んだ。
    これから始まる実際の話のアウトラインを知りたかったので。
    これを読んだら、
    自分にこれから起こるかもしれないことの内容が分かってしまう、
    のココロは、
    サッカーの結果を知らずに見たいのと同じ心理である。我ながら恐ろしい。
    なこと言ってないで、これから起こる事態で慌てないために読んどけよ!
    と自分に突っ込む。
    読み始めて、文章がまず面白いのでどんどん読みたくなってしまう。
    闘病記にありがちな(読んだことないけど)
    シメっぽいじっとりと重くうっとおしい感じがまるでない。
    押しつけがましい前向きな言葉も一切なくて、
    全てが自分の体験に基づいて一喜一憂するリアルな本音と実態が綴られている。
    検査・手術・治療はもちろん、仕事との両立、パートナーとの関係、
    半端なく出て行くお金、家族や友人の支え、すべて知りたいことばかり。
    これから癌と向き合わねばならない人にとって、
    最終的に死んでしまう話はまずアウトである。
    家族の愛とか絆とか子供の笑顔とか、そりゃそうだろうけどよ。
    娯楽じゃないんだよ!
    先の見えない状態で、日々の生活の中で奮闘する様子を、
    独りよがりではない読ませる文章で書いていく力がスゴイ。
    もう爆笑したり泣いたりしながら一気に読んでしまった。
    今も彼女が元気に楽しく働いて生きていることが、私の大きな勇気になる。
    とりあえずオシッコ青くても慌てないで
    「これが噂のブルーレットか!」と笑えるであろう。
    もちろん、癌とは関係のない人にも、
    面白くて発見のある本だと思うよ。

  • もしも自分が明日ガンの宣告を受けたら…。『もしも』の世界では自分は何とかやっていけるだろう、と思う人も居るだろう。だけど、この本を読み終わった後果たして同じ思いを持っていられるか?

    この本には『リアル』がある。

    ぜひ全ての世代の男女に読んでもらいたい。

  • 30歳で若年性乳がんの闘病を経験した著者。
    ある日突然「患者」になってしまってから、病院では治療前に金額の提示がないこと、闘病しつつも、生活するために稼がなきゃいけないこと、数ある闘病記には愛だの絆だのばかりで肝心のお金やその後の生活についての記述がないこと…などなどに混乱しつつ憤りつつ、それでも病と闘い続けなければならない日々。
    無神経な医療者や、ほかのキャンサーにイラリとしたり、周囲からの「あるべき患者象」の押し付けに戸惑ったり、極めつけは手を取り合って助け合っていくと信じていた彼氏が●●…。
    当たり前だけど、がん患者だって喧嘩もすれば恋愛だってする。
    健康で元気な人間ですら、恋愛の修羅場って相当に精神力も体力も奪われるものでしょう。なのに抗がん剤や放射線治療、ホルモン療法を続けてることなんかに関係なく、恋する女子に等しく平等に(?)襲いかかるものなのね~、とある意味感心してしまいました(ごめんなさい)。
    とはいうものの、著者が病気に立ち向かうにあたり、例えば病院へのお迎えとか、物理的にも精神的にもこの彼の果たした役割も大きい。突然命にかかわる病気となった彼女を間近に見続けることのプレlッシャーや不安は当然大きかったと思うし、彼なりに頑張った。がん患者の彼氏や夫が全員聖人君子なわけでもないし(にしてもお粗末な女に手を出したなとは思うけど…←)。
    いまの日本の医療制度や治療のしくみ、公的補助なんかも含めて、独身ひとり暮らしの患者さんで、家族など手助けしてくれる人が全くいない場合、闘病を続けていくこともけっこう大変(というか困難)ではと思う。それでもそれをしているひとも相当数いるのでしょうけれど。
    この本を手に取ったのは第15回図書館総合展の某フォーラムで紹介されていた「ガンの闘病記って、患者が死なないと売れないんだよね」というフレーズから。
    「自己責任」流行りの昨今、育児や介護、本人の闘病には「周囲に迷惑をかけるから」と退職プレッシャーが存在するけれど「明日は我が身」。
    100%のフルスロットルじゃなくても細く長く働き続けられる環境整備や、それでも暮らしていける公的制度づくりが実現しますように。

  • 闘病記っていうより、リアルな30代女子の日常って感じかな?頼りがいあるようで、やっぱり一人のふがいない人間だったおっさんとの恋愛....無理にでもハッピーエンドを迎えなくて本当によかった。と、ひねくれ者の私は思ってしまう(笑)文章はすごくスピード感があるというか、マシンガントークで進む女子会風。

  • ノンフィクションは、大体おもしろくないのですが、今回のこれは、コメディノンフィクションって感じでした。
    とても楽しかったです(笑)

    ただ、最後がなぁ。って感じでした。

    プライドが高いとちょっとつらいよなぁ。と思う部分もありました。

    抗がん剤で体力は落ちて、
    ホルモン抑制で女であることを否定して精神もダメージを受けてるのに、彼氏は浮気なんぞしやがる。

    それでも、他人には頼りたくないから、生きるために働く。

    まぁ、タイトルに突っ込むとしたら、彼女失格じゃなくて、彼氏のが失格です。
    といいたいところですが、
    わたしも病気と付き合いたくないように
    相手も、病人とは付き合いたくない。

    松さんもいうように、誰も、悪くない。事故みたいなもん。
    そう、言える日が来たら、救われるのかも。

  • 916

  • 30歳の誕生日を目前に、乳ガン発覚。病気への恐怖、治療費への焦り、彼氏との攻防。身内にも友だちにも、ガンだなんて知られたくない。それでも、怖い。そんな気持ちを綴った闘病恋愛エッセイ。

    とにかく文章が面白くて、一気読み。年も仕事も近いせいか、なんだかものすごく身近な人のような気がした。こんなに赤裸々に書かれた闘病記って、あるのかな。仕事だとか、恋愛だとか、お金だとか。実際、若くして、大して貯金もない自分が病気になったら、こうなってしまうのかもしれない。伴侶もいない、お金もない。「私には何にもないんだ」という一文は、だいぶ考えさせられた。

    心ない言葉に何度も傷つけられている松さん。人って、本当に自分のことしか考えられないことが多いんだなぁ。できることならそうはなりたくないけれど、わからないことだから、想像がつかないから、怖い。病気ってそういうことなんだろうな。

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著者プロフィール

1977年東京生まれ。29歳のとき、若年性乳がんに罹患。治療中に編集者、国際線客室乗務員を経験し、現在寛解。著書に『彼女失格-恋してるだとかガンだとか-』(幻冬舎刊)。手術、5間年のホルモン治療を経てリクルート退社後、株式会社ピーチ・アビエーションで客室乗務員として働く。現在は講談社契約社員(広告関係)。著書に乳がんの体験を綴った『彼女失格』(幻冬舎)。

「2017年 『女子と乳がん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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