その青の、その先の、

著者 :
  • 幻冬舎
3.48
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本棚登録 : 560
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024427

作品紹介・あらすじ

ばかみたいに幸福な時間。それは、ほんの少しさみしい。最高の仲間との三年間。恋、友情、初体験…。すべてが詰まっている高校の日々。書き下ろし傑作青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • キラキラしてとても眩しい。
    取り戻せない過去。自分もこんな時代があったんだなあと懐かしさを覚える物語でした。

    途中、悲しくて悔しい出来事があるけど、それすらも前向きに描かれていて、読後感はすごく良かったです。

    落語がすごく楽しく書かれていたので、聞いてみたくなりました。

  • 季節が春めいてきました。

    さわやかなお話を…と思い、
    題名と表紙がさわやかを醸し出す
    この本をチョイスしました。

    子供ではない、でも大人にもなりきれていない
    中途半端な時間。
    進路など将来のことを考えなければならないけれど
    実感がつかめずに周りと比べて不安になったり
    してしまう。

    自分が成長していく過程の、スピードが加速する1年を
    友達や周りの人々と共に駆け抜ける、
    高2の女子高生のお話。

    読む前に自分で思っていた以上に、
    本の中に入りこんでしまいました。
    主人公のまひると一緒にドキドキしたり、
    不安になったり、眩しく感じたり、涙ぐんだり。

    若い時のキラキラした感じって、
    身体的年齢からくる生命エネルギーが
    身体から出ているのかと思ってました。

    それもあるかもしれませんが…
    自分の未来を信じ、手を伸ばしたその先を、
    未来を見てみたいという希望や期待が
    外に向かって拡散したものがキラキラの正体
    なんじゃないのかなとこの本で思いました。

    椰月美智子さん、初めて読みました。
    何気ない日常を、素敵な言葉でつなげて表現されるのがとても上手いです。
    だからといって、とってつけたような特別な感じがなく
    さらりとしているのに、瞬間キラッと輝く。

    きっと好きな作家さんになるだろうと予感した一冊です。

    余談ですが、この物語にも『小さいおじさん』が冒頭に少し出てきます。
    なぜ男の子でも女の子でもなく、
    おじいさんでもおばあさんでもなく
    目撃情報はすべて『おじさん』なんでしょうか…。

    夢が…会ってみたいという夢が…だんだんしぼみます…

  • この本を大絶賛しているブログを読み、期待大で読む。
    17歳の高校生活がありきたりな日常が綴られる。
    ちょっと退屈?全然入り込めない。
    いいや、いつかは盛り上がるに違いない。
    我慢、我慢。
    ・・・、あれ?終わってしまった。

    むむむ。
    ブクログでも評価は分かれているようだし、合わなかっただけか。
    それとも年齢的に高校生の心情にシンクロできなくなってる?
    いいや、朝井リョウの描く青春にはキュンキュンするんだからそんな事はあるまい。

    自分自身の過ごした高校時代と乖離しすぎてるからかな。
    仲良しグループ、友情、恋愛、海、クリスマス、バイト、文化祭、etc。
    どれもこれも縁がなく・・・。
    ちょっとは憧れますけどね、絵に描いたような青春。
    私にはちょいと爽やかすぎたようで。
    いや眩しすぎたか?

  • 17歳、高校生のまひる。
    クロノ、むっちゃん。夏海という仲のいい友達もいて
    彼氏もできて、毎日がキラキラ!楽しい!けれど
    お母さんのことちょっと鬱陶しいと感じている。

    あー、いいなぁ、楽しくて憂鬱。
    未来に対しての不安は未来への期待。
    彼氏の通う男子校に行くのが
    「キャーッ」ってなって楽しかった。

    亮司の事故は、
    直視するのがしんどいくらいに辛いけれど
    きっと負けない。
    絶対負けないと信じている私がいた。

    高校生の心の動きがたくさん詰まってる
    好きなお話でした。

  • 青春!

    忘れた頃に登場するヤマダ

    まひる&亮司

    文化祭 落語 バイク

  • 青春!!!
    大きな事件という事件が起きるわけでもなく、お母さんのこと嫌いじゃないけど嫌って時があったり、悲しいことも楽しいこともあったり、完璧とは言えないかもしれないけど優しい彼氏との時間を過ごしたり。なにより友達とたくさんの時間を過ごしたり。
    高校生の感情がすごくよく描かれていて、よくわからないけど泣けてきた。心が洗われた。

  • 和菓子屋でアルバイトをする高校二年生のまひると、その彼氏で落語家になりたい亮司、亮司の友人や後輩、まひるの五年生の弟や、まひるの友人で軽音部でバンドを組むクロノや泣き虫で独特の柔らかい雰囲気のむっちゃん等が送る、季節と共にある等身大の日々が濃やかで瑞々しくて良い。事故も日常に根差していて胸に迫った。

  • 実家の本棚から拝借。

    タイトルとカバーに惹かれました。

    女子高校生まひるの日常。

    読み始めて、読み進めて、
    涙してしまいました。

    たかが17歳、されど17歳。

    恋だって愛にかわるんだなあと。

    夢だってつかみにいけるんだなあと。

    フィクションだけど、
    女子高生だって男子高生だって
    頑張っているんだ!と
    元気ももらえた気がします。

    あと、個人的には寄席に
    行きたくなりました。落語。大好き。

  • タイトルとジャケ写が素敵な一冊。
    17歳の女の子の一年間を描いたドラマチック過ぎる物語。この年齢の女の子としては友だち、彼氏、家族の人間関係やアイデンティティ、将来像どれも
    整然としすぎてる印象があるけれど、
    ラスト近くの感情の高まりは素直に羨ましく思えた。
    学生特有のクラスのヒエラルキーってナナメっぽいかもしれないけど、とても共感。

  • どこにでもあるような、若者の青春、恋愛小説だと思ってた。でもそれは違った。なんて重いテーマを孕んでいるんだ。彼女がこの先どのような選択をするのか。若さゆえに受け入れられないことがたくさんあるんだろう。タイトルの青は青春、青臭いの意だろう。その先を予感させるすばらしい小説だ。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椰月美智子の作品

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