ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸---- メーヴェが飛ぶまでの10年間
- 幻冬舎 (2013年9月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344024502
作品紹介・あらすじ
なぜ、どのように、架空の一人乗り機"メーヴェ"を実現させたか。10年間をかけたプロジェクトの全容。最初は模型、次に実寸サイズの機体を制作し、ゴムで引っ張るグライダーでの飛行訓練を経て、ようやくジェットエンジンで飛翔するまで。
感想・レビュー・書評
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なんとなく興味で読んだが、ホリエモンや糸井重里が出てきて驚いた。何でも裏で繋がっているな、というのが感想。
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いわゆるメーヴェを実際に作ってしまった人のお話。アニメだとかなり非現実的な機動をしているが、一応飛ばすことができるというのはすごいと思ったが、やはりお金はかかっているようで、夢はそんなに簡単には叶えられないのだとも感じた。
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①困難なことほど萌えますし、もし成功すれば簡単に他者が真似できないものになるのも事実です。
②小さな企業は他社とは明らかに違う何かがないとすぐに潰れてしまう
③この人に見せたいから作るという動機で作品を作ることが多い。
④人間はできるようになると出来なかった自分を忘れてしまう。
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図書館で借りて読み。
もともとはあさりよしとおの本を探してたんだけど、この本のタイトルに惹かれて借りた。
・メーヴェはドイツ語で「カモメ」
・メーヴェは無尾翼機。日本でも第二次大戦末期には「秋水」という無尾翼局地戦陶器の製造が計画されていた。(wikipedia見たけど、メーヴェとはだいぶ違うずんぐりむっくりな形状だな…)
・八谷和彦のことを初めて知ったのだけど、back to the futureのホバーボードに着想を得たというエアボードとか、面白いものを作ってるんだなー
・日本の航空産業の一端もちょっとのぞける本。今、日本では、民間用の航空機は年間何機くらい製造されているでしょうか?--答えはゼロ。GHQの航空禁止令によるもの。
・中二のまま生きる技術を持つ、という株式会社ペットワークス、いいなあ。
・偉大なアマチュアであれ。その世界のプロが経験による先入観ゆえに気づかないことを、アマチュアが突破することがしばしばある。
・誰のために作るのか?この人に見せたいから作る、そんな動機で作品作りが始まる。この人がこれを見たら喜びそう、が基準
・ロケットも作ってるのか、この人。(なつのロケット団)。私も子供とペットボトルロケット飛ばしたい欲がわいてきた。
・いろんな先生に指示した筆者。「あの時黙ってみているのは大変だったろうなぁ」自転車やサーフィンのように、体を使って乗る乗り物の練習では、体と同時に頭もフル回転している。横からごちゃごちゃ言っては、やっている本人はそれをしょりするだけで混乱して、上達がおぼつかない。ピンポイントでひとつだけ気を付けるべきことを言って、本人がそれを自覚しながら体を動かすことが大事。
・2013年の本。筆者のtwitterに2018年の飛行動画が。 -
タイトル通り、ナウシカの飛行具メーヴェを実際に作った話です。
モノづくりのわくわく感が漂ってきます。
また、いろんなトラブル、プロジェクト推進の難しさが書かれています。
写真が多いのでわかりやすく、飽きさせません。
ただ、全体的に、出来事を淡々と書いているので本としてはどうかなと思います。 -
まあまあかな
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「ガンシップは風を切り裂くけどメーヴェは風にのるのだもの」
クマがメールを届けるポストペットの開発者八谷和彦氏がイラク戦をきっかけに実際に飛ぶメーヴェを作ろうとしたのが2002年ごろ、当初の予定ではメーヴェをイメージした尾翼のある機体だった。宮崎監督も実際にはメーヴェは飛ばないと言ってたらしいが設計を担当した有限会社オリンポスの代表四戸哲が「メーヴェの形でも飛ばせますよ」と言ったばっかりに無尾翼機ででのプロジェクトが始まる。
ペットワークスにはポストペットなどを開発しているソフトウェア事業部、稼ぎ頭でもある人形遊びをする大人のためのドール事業部そしてオープンスカイプロジェクトを手がける航空事業部が有る。メーヴェの開発に突っ込んだ費用は9000万円以上、アート作品の制作費としてはかなり高額だ。オリンポスに依頼した3機の見積もりだけで3000万円だが、1億円以上したらしい鉄人28号やガンダムの制作費と比べるといくら材料費がかからないとは言え割安に感じる。事業としては完成したメーヴェの貸し出しとなるのだろうが「中二の心のまま、大人としてそれをビジネスにできれば最高!」という会社なので作りたいから作ったと言う感じだ。ドール事業部も非売品ながら1/6モデルのAKB48ドールを作成したりしている。
1/2モデルのラジコン機、人力でゴムを引いて飛ばすグライダー機に続き、2010年にはジェットエンジンを搭載した滑空テストが始まった。380万円をかけて購入した初号エンジンのベアリング破損では製造メーカーが倒産し、修理がきかずこのエンジンを放棄するしかなくなった。しかし、代替のエンジンをオランダから120万円でネット購入することができプロジェクトはなんとか生き延びた。推力40kgと言う小型ジェットエンジンを売ってる会社があるというのもドローンの技術が転用されているからだそうだ。
メーヴェが飛ぶ姿はこちら直近は振展がなさそうだが。
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/works/OpenSky_movie.html -
著者はメディアアートというジャンルで作品をつくっています。宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」に出てくる架空の乗り物であるメーヴェに憧れて本当に作ってしまおうと考えます。完成したとき乗りこなせるようにとハンググライダーの訓練も受けます。幾度かの危機的状況を突破してついに大空へ。
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ツイッターなどでナウシカのメーヴェを再現した人がいる…というのはなんとなく知っていて手に取った。読んでみて、ただの再現ということではなく、実際に飛ぶ飛行機をイチから作るということに込めた思いがよく理解できた。また、それがどれだけ大変だったかも。「飛行機」という具体的な機能のある機械が「アート」になるというのは、読む前にはあまりピンとこなかった。けれど、この飛行機作品に至る八谷さんの創作活動を原点まで遡って紹介してもらうことで、なぜ飛行機を作ったのか、メディア・アートというものでどこを目指しているのか、一端を知ることができた。何より、八谷さんが一つ一つ障害を超えながら夢を実現していくストーリーにわくわくした。