去年の冬、きみと別れ

著者 :
  • 幻冬舎
3.04
  • (72)
  • (201)
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  • (201)
  • (55)
本棚登録 : 2420
レビュー : 405
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024571

作品紹介・あらすじ

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが-。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 狂気にからめとられる一読目。突き動かされるようにすぐに再読、そして二読目のページをめくり終えたとき、そこに全く別の物語が現れていたことに愕然とする。
    うかうかと魅惑的な狂気に耽溺していると足元をすくわれる、そんな小説。

    欲望から狂気へ、そしてそこから生み出された新しい何か。足を踏み込んではいけない世界、もっと見たい、その世界をもっと見たい、そう思うのはすでにその世界に染まっているからか。

    作者が仕込んだ罠にまんまとはまる快感に身もだえした。

  • 掏摸に続いて中村文則2冊目。

    掏摸が、私にとってはちょっと雲をつかむ感じで・・・難しくて、
    わかりそうでやっぱりわからない。でももっと他も読んでみたい。
    そんなだったので、新聞の広告で見かけたこれを2冊目に選んでみた。

    何冊も読んでる方のレビューを見ると「変わってしまった」的な感想が多かったけど、
    私は、好きだった!掏摸で諦めなくてよかった!

    バシバシ伏線を回収してくやられた感のあるミステリーじゃなくて、
    逆に、どんどん迷い込んで、自分の頭の中で組み立てていったものが揺らいでしまう。
    それが全然嫌じゃなかった。
    そういうのが気持ち悪くなるときもあるのに、
    わからなくなっていくのが心地いい感じだった。
    でも怖い。でもそれも好きだった。

    よし、また次も読んでみよう。

  • かなり複雑でストーリーに添って読んでたはずなのに、
    え?これは誰の話?突然思っても無い目線になったぞ?
    と頭を慎重に整理しながら読み進めました。
    タイトルはそういう事だったのね~って。

  • えーん暗いよう。
    も、なんだろうこの暗さ。

    たとえば一場面のなかに「ふるぼけた」「うすよごれた」「ささくれた」みたいなネガティブ描写がどんどこ出てきて。
    体調悪いときは読まないほうがいいかも、むちゃブルーになる。

    でも嫌いじゃなんだよなあ、この暗さ。

    途中までは、人間の狂気と芸術、みたいなものがテーマなのかと思って読んでたら、中盤から意外にもぐいぐいとミステリー展開になってきて、結構エンターテイメント的に読ませる読ませる。
    すべて計算されてたことがあとから判明して、雰囲気に飲み込まれてそれに気付けなかった、一本とられた、って感じでした。

    それでも読後感はやっぱり見事なまでにどんよりです。

  • 初めて著者の本を読んだが、他も探して読まなければならなくなった。

  • 途中で訳分からなくなる
    何度か戻ったりもした

    後で分かる衝撃の事実

    こういうのを云うんだな

  • ”二人の女性を殺した”罪で死刑を宣告された写真家の男と、その姉と、二人を取材して本を書こうとする男。

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    これは『容疑者X』と同じトリックだ! と途中で思い、勝ち誇りながらページをめくったが、それは姉を陥れるための手段であって、弟を死刑にするための罠はもっと強烈だった。

    うーん。亡くなった一人目の女性は本当に事故で、二人目は仕掛けられた殺人(しかも入れ替えられた実の姉)だったということだけど、どうなんだろう。冤罪で死刑ってことだよね。最初に亡くなった盲目の女性の元恋人ともうひとりが共謀してしかけた罠にみんな騙されたのか。
    すごい話。そしてあらすじを人に説明するのが難しい話だ。

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    2017年から2018年へのカウントダウンイベントに向かう電車の中で読み始めた。続きが気になってしまい、年が明けてすぐ、新宿駅の階段に座って読んだ。午前3時前くらいまで読んだ。いつ、どこで読んでも中村さんの文章はかっこいい。

  • 謎解きをさせる本はどうしても、物語の描写がおざなりになってしまうきらいがあってあまり好きではなかった。「……」が多すぎ。そこを文字で表現してほしかった。最後まで感情移入できず。何度か読んだら変わるのだろうか。

  • 読んだ。面白かった。中盤あたりで、明らかに違和感のある文章でそれまでの矛盾に気づき、そこからわーっと読み進めてしまった。1回じゃ理解できないかも。しかしこれは純愛ものとは思えない。狂気です。

  •  ゾクゾクゾク!!ミステリーっぽい中村作品は初。すべてが繋がったときは鳥肌が。しかしやっぱり純文学作家。謎を解くカタルシスよりも、人間の本質を暴くことに注力しているように感じた。

     ある死刑囚に関する本を出版するため、取材を行う男の語りと、資料を元に話が進行する。芸術を求めすぎて人の命を軽く扱ってしまった男と、重すぎる愛が化け物へと変容させてしまった男。狂気がぶつかり合う。

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著者プロフィール

中村 文則(なかむら ふみのり)
1977年愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。『遮光』で野間文芸新人賞、『土の中の子供』で芥川賞、『掏摸』で大江健三郎賞、『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞。2014年にはノワール小説への貢献から、デイビッド・グーディス賞を受賞している。
その他の代表作に、映画化された『去年の冬、きみと別れ』『悪と仮面のルール』などがある。

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